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「裏ワザ」を覚えても算数ができるようにはならない!?

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更新: 2015年12月22日 公開:
「裏ワザ」の仕組みを思い出す学習

「裏ワザ」は子どもたちに人気があります。
普通に考えるととても難しいことを、それを使えば鮮やかに解決することができる・・・一般に「裏ワザ」と呼ばれるものにはこのようなイメージがあります。

たとえば、



という計算を考えるとき、よく使われるのは



という公式です。これを「裏ワザ」と呼ぶかどうかは別として、多くの中学受験生が使うものです。
「初項」は「はじめの数字」、「末項」は最後の数字、そして「項数」は出てきている数字の個数のことです。
上の計算の場合は、初項が1、末項が99、項数はたすべき数字の個数だから、99です。
これをそのまま上の公式に当てはめると、



と計算できます。

ところで、この公式を塾で習うとき、多くの先生は「これは公式だからそのまま覚えてしまいなさい」とは言いません。



99+98+97+96+・・・と、元の式を最後から逆にたしていく式を考え、もとの式のすぐ下に並べてみると、上下の合計がすべて100になることがわかります。
これが(1+99)、つまり「初項+末項」の理由。このように合計100になる組み合わせが99組あるから「×99」なのであり、元の式とそっくり同じ合計になる下の式を自分で作ってたしてしまっているので、「÷2」なのですね。

このように説明してもらっているはずですが、こういった計算のたびに頭のどこかでその仕組みを思い出している子どもと、公式だけを覚えている子どもでは、少し問題をひねられたときに違いが出るのです。

どうして「+1」なのか

「10人の子どもがならんでいて、ピキくんは前から3番目にいます。さて、ピキくんは後ろから数えて何番目でしょうか。」

この問題の答えは「7番目」ではありませんね。
ついつい「10-3=7」と答えてしまいそうですが、違います。
ピキくんが前から3番目ということは、ピキくんの前には2人の子どもが立っています。
逆に後ろから数えると、ピキくんの後ろに2人の子どもがいることになりますから、ピキくんは後ろから数えて8番目です。

これを「10-3+1」とまるで公式のように覚えてしまう子がいます。
「後ろから数えるときは1をたせばいいの?」と先生に質問する子もいます。
このように覚えてしまうと、「ピキくんの後ろには何人の子どもが立っていますか?」といった問いのときに混乱してしまうのです。

算数から「考える」という要素を排除した結果、ちょっとした応用問題、ちょっとひねられたときに対応できなくなるのです。
これは多くのお母さんの悩みの種ですね。

公式がすべて悪いわけではない

確かに公式は便利なものです。
三角形の面積を求める公式を覚えていない5年生はほとんどいないでしょう。
台形や平行四辺形にしても同じです。
しかし、「なぜその公式で求められるのか」を完全に忘れてしまうと、思わぬところで落とし穴にはまってしまったりするのです。

三角形くらいなら忘れることもないでしょうが、やや複雑な公式になると、意味をわかっていなければ、忘れると思い出せなくなってしまいます。

公式はときどきその仕組みを考え、思い出すことで使いこなせて忘れない、生きた知識になります。
いろいろな公式、その仕組をお子さんが説明できるか、ときどき試してみてください。
お父さん、お母さんも一緒に考えることで、意外に頭の体操にもなりますよ。
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