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成績不振から抜け出す方法① お子さんから「もっとできるようになりたい」を引き出す

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更新: 2016年06月10日 公開:
5年生に限らないのですが、塾の学習が難しくなってくると、勉強を嫌がり始めるお子さんが出てきます。

それまで楽しそうにやっていたのにどうして?また家での勉強はあんなに嫌がるのに、どうして塾には嫌がらずに行くの?親としては不思議に思うばかり。一体何が起きているのでしょうか?

この記事では、まずお子さんの今の状態を知り、「もっとできるようになりたい」という前向きな気持を引き出す方法を考えます。


勉強を嫌がり始める子が一番多いのが5年生

中学受験を目的に進学塾に通うお子さんたち。彼らの中で「勉強なんかしなくてもいい」と思っている子はほとんどいないはずです。みんな「勉強はしなくちゃいけないもの」と思っているはずです。
「今よりもっとできるようになりたい」とも思っています。

勉強を嫌がり始める時期。多くのお子さんに、この時期はやってきます。
それは、挫折を感じているサインと考えると、お子さんの多くが見せる態度や言動がよく理解できるようになります。

もうお子さんが高学年のご家庭であれば、身をもって感じているかもしれませんが、5年生で進学塾の学習内容は一気に高度になります。
別の言い方をすれば、抽象度が高くなるのです。

抽象度が高くなるというのはどういうことかというと、目で見て確かめられる、数えればわかる、覚えていれば正解が出せる、という学習でなくなってくるということです。

たとえば算数では、5年生で本格的に速さの応用問題を学習します。
4年生までは、「速さの三公式」を覚えていればなんとかなる問題が多く、極端な話、「速さ×時間=進んだ距離」という公式さえ覚えていればよかったのです。

でも5年生になると、行って戻って、遅れて出発して、すれ違って、同時に着いて、など様々な条件がついて、どんどん問題が複雑になってきます。
物理的に対応できなくなると、お子さんはどうしていいかわからなくなります。

でもはじめは、「4年生のときまでのように、がんばればできるはず」と思ってがんばるのです。
でも、点が取れない。
そんなことを何度か経験すると「どうせがんばっても僕にはできない」と、半ば投げやりな態度を見せ始めるのです。


挫折したお子さんを叱るのは得策ではない

「どうせがんばってもできない」と挫折を感じているお子さんの目には、理科のテキストも、算数の問題も、国語の文章も、まるで面白くないテレビゲームのように映っています。

何度やってもクリアできないゲーム。

だから、宿題を前にしてボーッとする時間が長かったり、やり始めてもぜんぜん集中できなかったり、明らかに「心ここにあらず」ということもあります。
4年生のときにあんなに調子が良かった科目の成績が、みるみる下がっていきます。

そんな姿を見て、心が穏やかな親はいません。
毎週塾のカリキュラムは進んでいくのに、どうしてあなたはすぐに宿題を始めないの?なんて思ってしまいます。
お子さんはお子さんで、目の前の「つまらないゲーム」にどうしてもモチベーションが上がらず、困っている状態です。

そんな状態のところに「どうしてそんなにやる気が無いのよ?」と詰め寄られても、お子さんに返す言葉はありません。
ただただうなだれてお母さんの怒りが収まるのを待つか、癇癪をおこして「ちゃぶ台返し」ですべてをめちゃくちゃにしようとするくらいしか、方法はないのです。

このように、勉強を嫌がり始めたお子さんを叱っても、何も解決しません。


塾をやめたがらないのはどうして?

こんなに家での勉強を嫌がり、宿題はなかなか進まず、お母さんとの喧嘩が絶えない状態でも、もう塾を、受験をやめたいと言い出すお子さんは、実はそんなにはいません。

親としては不思議に思うのですが、理由は大きく2つあります。

1つ目の理由は、「塾でのコミュニティが居心地がいい」ということ。
学校の友達にはない「一体感」のうようなものが、サピックスや日能研など塾の友達、クラスにはあるのです。
一緒に中学受験という目標に向かって勉強する、いわば「戦友」のような「仲間意識」があります。
そこから「脱落」するのが嫌なのです。

これは良いことでもあります。みんなといっしょに中学受験にむけてがんばりたい、がんばらなくちゃとお子さんも思っているということだからです。

でも家に帰ると、また「できない自分」に直面する時間に引き戻されます。
お母さんから「どうしてあなたは・・・」と言われると、またいつもの喧嘩が始まってしまいます・・・。


どうすれば「もっとできるようになりたい」を引き出せるか

上にあげたのは、ちょっと極端な例かもしれません。
でも、少し思い当たるところがある方もいるのではないでしょうか。

さて、この状態に陥ってしまった場合、どうすればまたお子さんが楽しそうに、やる気満々で勉強に取り組んでくれるようになるでしょうか。

冒頭にも述べましたが、「もっとできるようになりたい」とお子さんは思っています。
そのことはお母さんもおわかりなのではないでしょうか。
そうは思っているけど、やってもできるようにならないから、投げやりになっているのが「やる気をなくした」状態です。

だから「ほんとうは、できるようになりたいと思っているの?」と、まず確認です。
このときもしかしたら、「できなくてもいい!」と投げやりな返答をするかもしれません。
しかし、ここで感情的に対応してはいけません。
「だったらもう塾なんかやめちゃいなさい!」みたいな反応をしてしまうと、元の木阿弥にだからです。

「でも、塾はやめないんでしょ?塾のみんなと一緒に、気持ちよくがんばれるように、わからないこととか、できない問題は少なくなったほうがよくない?どう思う?」

そんな質問で、お子さんの本心である「もっとできるようになりたい」を引き出すことができたら、第一関門は突破です!

ここで、お母さんは「決意表明」をしてください。

「わかった。それじゃあお母さんは、あなたのその目標を叶えるためにがんばるから、一緒にがんばりましょう。」

今、お子さんの中でお母さんは「自分のできないことを責めるお母さん」から「自分の今の状態を受け入れてくれて、一緒に解決に向けて協力してくれるお母さん」になっているはずです。


以上、お子さんから「もっとできるようになりたい」を引き出して成績不振から抜け出す糸口をつかむには、というテーマで説明してきました。
いかがでしたでしょうか。
この続き「親子二人三脚で成績不振から抜け出す方法」(2016年6月10日午前10時公開)では、具体的に成績を上げる方法に関して説明しています。
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