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考える力と習慣をつけるには

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更新: 2015年07月30日 公開:
考えずに、ただ宿題をこなしている?

お子さんが塾の宿題をしている姿を見て「こなしているだけになっていないかしら・・・」と感じたことがある方は多いかもしれません。「中学受験情報局」の主任相談員の先生方も、そのようなご相談をお母様方から多く受けるとのこと。

「こなしているだけ」というのは、たとえば「単に当てはめて解いている」とか「宿題を終わらせるのが目標になっている」といったように表現されることが多く、お母さんたちの心配は「あまり考えることなく宿題をしているのでは」というところにあるようです。

もちろん、全く考えることなく塾の宿題を仕上げるのは不可能ですが、4年生くらいまでは、習ってきた「型」に当てはめて宿題の大部分をこなすことは、算数などの理系科目の多くの単元では可能です。多くのお子さんが苦手とする単元が「当てはめ」で対応できない単元であることを考えると、子どもたちは塾の宿題をするときに、この「当てはめ」をいかに頼りにしているかがわかります。

勉強が面白くなくなる理由は「考えない」から

勉強の基本は「真似る」というところからスタートするので、一概に「当てはめ」がすべて悪いわけではありませんが、低学年のうちからとにかく習った「型」に当てはめて・・・という学習を続けていると、「どうしてこの式で解くことができるのか」「なせこのような考え方をするのか」を考える習慣がなくなっていきます。こうなってしまうと、高学年になったときに成績ががくっと下がることになります。

「どうしてこの式で解くことができるのか」「なせこのような考え方をするのか」を考えることが学習の中になくなると、勉強が面白くなくなっていきます。考えるという要素のない勉強は単なる作業であり、「なるほど」「そうだったのか」という納得や感動がないからです。

高学年になって勉強が嫌いになったり、塾の宿題をひどく嫌がるようになるお子さんの中には、このような状態になってしまっているお子さんが多くいます。低学年のうちは、当てはめでも何でも結果が出ることが楽しく、クラスで順位がどうだったとか、そんなことで(親子ともども)大きな満足考えられるよう塾の仕組みもできており、勉強のしかたが「作業」に陥っているのに気づきにくいのです。だから、高学年になって学習内容が高度、複雑になって、成績が下がり始めてから慌てることになりがちなのです。

お子さんが低学年なら、勉強に「どうして?」をたくさん入れる

さて、お子さんが4年生までの場合、悪循環に陥らないよう、日々の勉強の中に「考える」という要素を散りばめてあげたいものです。百ます計算など、作業の訓練をする場合は「早く、正確にできること」に価値がありますから、時間をはかったり競争することも大切です。しかし、筋道を立てて考えたり「どうしてそうなるのか」といったことを勉強する場合は、じっくり、時間をかけて考えることも重要です。

勉強の中で、親子の会話に「どうして?」という言葉がたくさん出てくるよう心がけてみてください。

お子さんが間違った式を立てていたとしても「ちがうでしょ!そこはこうなって・・・」と教えてあげたいところをぐっと我慢して「どうしてその式にしたの?」と聞いてあげるのです。あらためて自分の立てた式を見なおしたお子さんが何かに気づけば、作戦成功です。

こうやって試行錯誤しながら、お子さんの考える力は育っていきます。

高学年のお子さんの場合は

もう高学年だけど、やっぱり気になる!あまり考えずに、とにかく宿題をこなすことが目的になっている気がする、というお母さんもいるでしょう。

どこの塾も、学年が上がるにつれて学習内容はどんどん複雑に、高度になっていきます。また講座の数、塾に通う日数や時間、宿題の量などもどんどん増していくのは、高学年のお子さんのお母さんなら実感しているのではないかと思います。

量が増えた宿題を期日までに終わらせるために、ひたすらこなすことが目的になっているような気がする、宿題を全部やっているのに成績が上がらない、むしろどんどん下がっている、という不安の中で毎日お子さんを見守っている、というお母さんも多いのではないでしょうか。

進学塾のカリキュラムは、それまでの学習を理想的に習得してきたお子さんを対象に作られています。これまで習ったことがすべて身についていて、「自分で考える」という学習スタイルがしっかり定着している子どもが何とかこなせる量と内容になっているのです。

だから、どこかでつまずいているとか、勉強のしかたに修正すべき点がある、といった場合、宿題をすべてこなすことはベストとはいえません。むしろ、すべてこなすことで逆に弊害が大きくなってしまうのです。「終わらせるために何とか当てはめてがんばる」という間違った学習スタイルがいつまでたっても抜けない、という悪循環に陥るのです。

勉強のスタイルを見直す

お母さんが「がんばっているの成績が上がらない」「宿題をこなしているだけのような気がする」「このままのやり方でいいのかしら」と悩み、不安を感じているほとんどの場合、その不安は当たっています。勉強のスタイルを見直すべきだということです。

やはり低学年のお子さんと同じように、勉強の中に「どうして?」をたくさん入れていきたいのですが、高学年になると宿題が多すぎて、なかなか悠長に「どうして?」と考えさせる時間がとれないと感じられると思います。少々思い切って改革を行う必要があります。

悪循環に陥っているお子さんは、「宿題をちゃんとやっていかなくては叱られる」という強迫観念があることがほとんどです。実際、宿題をすべて仕上げていかないと皆の前で叱られる塾もあります。

だから、宿題の量を制限してでも勉強の中に「考える」という要素を採り入れると決断したなら、そのことをお母さんがお子さんに宣言し、塾の先生にも掛け合わなければなりません。

掛け合うといっても大げさなことではなく、お子さんに手紙をもたせるのです。「◯◯の理由で、今回は■■ができておりません。本人もがんばっているのですが。ご容赦願います」といった短いもので大丈夫です。ちゃんと意図が伝われば、塾の先生が協力してくれることもあるでしょう。宿題の優先順位をつけてくれたり、宿題でできなかった問題の解説を書いてくれたりということもあるようです。

こうやって、量を減らした宿題を題材に「どうして?」と考える要素を宿題演習にどんどんとり入れていきましょう。

「かしこい塾の使い方」主任相談員の西村則康氏は、「家庭内ミニ授業」を提唱しています。塾で習った問題を、お子さんがお母さんに「授業」をして教えることで、お子さん自身の理解を深めるというものです。うろ覚えだったり理解が浅いとうまく説明することができません。お母さんに説明するためにお子さんががんばって勉強し、理解するということを習慣化できれば、成績にも良い変化が起きてくるはずです。

ぜひ試してみてください。

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