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「流れ」「理由」で暗記をマスターしよう

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更新: 2017年05月11日 公開:

理科社会は、暗記さえすればできる?

理科社会は一般に「暗記科目」と言われ、算数や国語のように読んで考えて答を出す科目ではない、という印象を持っている方は少なくありません。覚えていれば答えられる、ある意味子どもの努力がダイレクトに結果に反映する科目だという考え方です。

これは一面では真実で、たとえば一問一答の小テストなどで結果を出すには、その単元で出てきた言葉、社会ならば人物名などを丸暗記することは効果があります。理科(の植物や動物単元)や社会の学習では、このような「丸覚え」が学習の根本だということは否定できません。なぜなら、1185年に源頼朝が守護、地頭を配置する権限を得、鎌倉幕府を成立させた(ずっと1192年と習ってきましたが、近年は1185年という説が有力ですね)という話は事実であり、考え方などによって変わるものではないからです。

また理科でも、イネが単子葉植物で、有はいにゅう種子であるということは、動かしようがない事実で、そのことに関しては暗記するしかないでしょう。

しかし、「丸暗記」というのはけっこう大変な作業で、えてして思考力のあるお子さんほど、単なる丸暗記を嫌い「算数や国語は得意だけど、理科や社会の暗記は苦手」であったりするものです。

夏休みに暗記をしっかりやらせたいなら、字面だけの暗記はダメ

夏休みなどの長期休暇には、苦手な暗記をしっかりやらせたい、ふだんなかなか暗記に時間を割くことができないから、時間のある休みにこそ、と考えるお母さんも多いことと思います。

しかし、その学習が単なる丸暗記、つまり何度も唱えるようにして覚えて、覚えたかどうか口頭で答えたり、書いたりして確かめるといったことの繰り返しでは、逆にお子さんは「暗記嫌い」になってしまいかねません。

まずはお母さんが(そしてときには塾の先生も)「理科や社会は暗記科目」といった先入観を捨て、「すべてのことにはそうなった経緯や理由がある」ということを前提に理科や社会の暗記を捉え直してほしいのです。

源頼朝が鎌倉に幕府を開くことができたのにも、経緯や流れ、理由があるのです。京都を中心とする貴族の政治に嫌気がさしていた関東地方の豪族が頼朝のやり方に賛同し、やがてそれが大きな流れになってひとつの政権を誕生させるというストーリーを感じながら覚えることと、「鎌倉幕府は1185年に始まりました」と字面だけを追って覚えることの間には、大きな違いがあります。

もちろん塾では、理科でも社会でも流れや経緯、理由を詳しく教えてもらって暗記しています。歴史の推移には流れがあり、ある地方の特産物にはそれが特産物になった理由があるのです。植物の名前だって、その由来があります。それを復習する家庭学習で、急に味気ない「一問一答式」にしてしまうのは勿体ないことです。

だから、復習用に使うテキスト、問題集などを、少しでもプロの講師に教えてもらうのと遜色なく学習できるように厳選、工夫するのです。

暗記に使うテキストこそよいものを

塾で使っているテキストやノートを使って暗記の復習をする場合、授業で習ったときのことをどのくらい再現できるかで学習効率は変わってきます。お子さんが暗記が苦手という場合、授業で「何を覚えておくべきか」を把握できていないことも多いので、テキスト、ノートを前にして、お子さんに何を覚えればいいかを聞いてみてあげてください。

塾のテキストの場合、流れを追って読んでいくと覚えるべきポイントが示されている、というつくりになっているはずですが、お子さんが読んでいてそれがわかりやすく把握できそうかは、大人であるお父さん、お母さんが読んでわかりやすいかどうかで判断すればOKです。 なぜそんな確認が必要かというと、塾のテキストは「講師が教える」ということを前提にできているため、自学自習に向くかどうかは微妙なのです。

塾のテキストでは、お子さんが今ひとつ単元のポイントを掴むことができていない、何を暗記すべきかわかっていないようだったら、暗記用のテキストを購入してそれを使用するという方法もあります。

その場合も、お父さん、お母さんが読んで「なるほど」と思えるような部分があるかどうかを、テキスト購入の基準にするのがよいでしょう。市販テキストは「誰かがそれを使って教える」ということを前提としていないため、お子さんが自分で読んで学習するのに適した作りになっているはずです。

具体的にどんなテキストを使用すればよいかということですが、お子さんのタイプや用途によってもかわってきます。Z会シリーズの「入試に出る◯◯図鑑」シリーズなど使いやすく、分野別に暗記すべきことを整理できる点ではオススメです。

しかし、お伝えしてきたように「流れ」で暗記事項をおさらいしたい場合は、読み物としてよくできたテキストが必須です。その意味では四谷大塚の予習シリーズは筆頭となります。自由自在などの参考書を併用するのもいいですね。

参考書の中には問題集も兼ねたものも多いですが、純粋に参考書に特化したものが情報量も多く、詳しく調べたいときにも役に立ちます。文英堂「小学理科学習事典」などは1冊あると何かと役に立ちます。

この夏、しっかり「流れ」「理由」「経緯」を理解して暗記することにチャレンジしてみませんか?

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫主任相談員 辻 義夫
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