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中学受験 過去問の効果的な使用法を解説!

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

中学受験対策において一本の柱となる、過去問演習。お子さんが受験する学校の出題傾向を知るために欠かせないものですが、どのくらいの時期から始め、どれだけ解くべきか分からないという方も多いことでしょう。
ここでは、過去問演習を始めるべき時期、解くべき過去問の量などを、注意点を交えながら説明します。

過去問はいつから?

志望校の入試の過去問を解き始める時期は、6年生の夏からが一般的です。
実際の入試問題を解くために必要な学力は、普段お子さんが通われている塾の授業や宿題をこなすことで身につくので、一般的に入試範囲の学習を一通り終える6年生の夏までは、塾で習う内容をきちんと消化することを第一に優先すべきです。

過去問は、学力を伸ばすためではなく、志望校の入試の出題傾向を知ってそれに慣れるためにこなすものです。
志望校によっては、大変特殊な形式での出題が多く慣れるのが大変という場合もあるかもしれませんが、それでも数ヶ月あれば慣れるものです。
塾の授業内容で理解が不十分な点が多くみられるお子さんの場合、夏もこれまで習った内容を復習することに尽力させ、過去問を解き始めるのは9月以降にするのが無理がないでしょう。

まずは塾の内容を消化することが大事と述べましたが、遅い時期まで過去問をまったく解かないというのも逆に問題です。
志望校がどのような出題傾向かを理解している生徒とそうでない生徒では、題意の理解にかかる時間に差がついてしまうからです。

何年分、どんな学校をやればいい?

では、過去問は何年分くらい解いておけばいいでしょうか。
第一志望の過去問は、5~10年分解くのが理想です。
一定以上の量をこなせば、その学校特有の出題傾向をつかめるからです。
あまり演習量が少ないと、お子さんによっては出題形式に慣れないままの状態で志望校の入試を迎えることになりますし、10年以上前の問題は今とは傾向が異なる場合が多いからです。

また、多くの受験生が第一志望だけでなく、併願校(”滑り止め”、”おさえ”などとも呼ばれます)を受けることになります。
第一志望が不合格になった時のことを考えると、併願校の対策も必須となりますから、併願校の過去問も解くようにしましょう。
こちらも1~3年分は解いておきたいところです。ただし、複数の併願校を受験し、その中で単にお試しとして受験する学校(第一志望の学校と比べてかなり偏差値・難易度が低めの学校)がある場合、その学校の過去問はどれくらいのレベルかをさっと目を通して確認するくらいでいいでしょう。
塾の授業内容を消化していれば、余程のことがない限り合格できるからです。
このように、志望校独特の出題傾向を知るために、適切な量の過去問を解くことは重要です。

過去問をやる上での注意点は?

こうして過去問演習に取り組む際、何点か注意すべきことがあります。

各教科の制限時間は決まっていますから、それをもとに時間を計り、本番さながらの雰囲気を作って解くようにしましょう。
時間内に解くことに慣れないと、本番で焦ってしまうからです。
そして、選択肢・数字・用語を書くだけの問題は自分で採点できますが、記述問題に関しては塾の解答速報や冊子に載っている解答を見るだけではなく、塾の先生に採点してもらいましょう。
解答速報はあくまでも「解答例」ですし、自分で採点するとどうしても甘くなりがちだからです。

そして、過去問を解く時期(6年生夏~冬)は、塾の公開模試も盛んに行われます。
そこで出される偏差値が、志望校の合格基準に届いていない場合もあるかもしれません。
しかし、そこで自信をなくして志望校のランクを下げてしまっては、過去問演習の時間が無駄になってしまいます。
まず過去問に取り組む9月の段階で「無謀」なレベルの受験ではないか検討し、そうではなさそうなら過去問に取り組む事が大切です。
一度過去問を解き始めたら、あまりに模試の偏差値がかけ離れている場合を除いては、あきらめずに過去問演習を続けることが大事なのです。

 

以上、中学入試の過去問について考えてきました。適正な志望校選びの上で上手に過去問を利用し、合格に近づいていきましょう!

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