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入試問題編 ~ダイヤグラムを読む~

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速さの練習問題 2012年07月15日12時21分
薔薇!


お元気ですか?

ミニバラです。

バラには一季咲きと四季咲きがありますが、
「一季咲き」はツルバラに多いようです。
ツルバラはアーチやフェンスにからませて育てる、豪華なバラのイメージです。
一方、花壇のバラは「四季咲き」が多いようです。
「四季咲き」は年中咲くという意味ですが、実際に花をつけるのは春から秋です。

バラといえば、源氏物語の「賢木(さかき)」と「少女(おとめ)」に
バラ(当時は「そうび」といったそうです)の記述があります。
1000年も前からバラが日本にあったんですね。

東方植物文化研究所の主宰で、「幻の植物を追って」を書かれた荻巣樹徳さんによると、
源氏物語にでてくるバラは「マイカイ(?瑰)」という花ではないかとのことですから、
平安時代にはすでに中国から輸入されたバラがあったのでしょう。
マイカイは今でも名刹の庭の階段脇に植えてあるのを見かけます。

もっとも日本原産のバラもあり、「野茨(ノイバラ)」は万葉集に「ウマラ(ウバラ)」として登場しています。

さて、源氏物語といえば、光源氏が魅力的な女性のもとへ行き来するお話。

というわけで、今回のテーマは「行ったり来たり ~ダイヤグラムを読む~」です。


【問題】
光くんは藤壺さんの家に遊びに行きました。5時にお迎えをたのんでいたのですが、5時になっても車がこないのですぐに家へ向かって歩き始めたところ、光くんは5時9分にお迎えの車と出会いました。すぐに車に乗って家に帰ると、予定より8分遅れていました。もし、藤壺さんの家でお迎えの車を待っていたとすれば、お迎えの車が藤壺さんの家に着く時刻は5時何分ですか。


有名な「お父さん問題」の登場人物をちょっと替えてみました。


さて、今日のテーマとして「ダイヤグラムを読む」と書いてあるのですが、
なぜこの問題が「ダイヤグラム」を用いて解くのに適しているのでしょう?

これについては5月に一度触れていますが、夏期講習を前にもう一度おさらいです。

速さの問題を整理する方法は大きく2つ、線分図とダイヤグラムです。

これは問題文中の条件によって見分けることができるんでしたね。

距離に関する条件が多いときは線分図、時間に関する条件が多いときはダイヤグラムです。

この問題では時間の条件しかありませんから、ダイヤグラムを使って整理しましょう。


ダイヤグラムは、図形を利用した解法です。

つまり、時間の比が利用できる図形を探します。
1.相似
2.「山」と「谷」

この2つが代表的な図形です。

しかし、この問題にはそのような図形がありません。

そこで、
3.「もし休まなければ…」(グラフを平行移動)
4.二等辺三角形や平行四辺形

を探すと、二等辺三角形がありますがまだ使いみちがわかりません。

ダイヤグラムは「図形を利用した解法」ですから、
図形問題で困ったときにする方法が使えます。

「補助線」です!

補助線は、
1.延長する
2.平行線をひく
3.垂直な線をかく
が基本です。

1.相似
2.「山」と「谷」
3.「もし休まなければ…」(グラフを平行移動)
4.二等辺三角形や平行四辺形
5.補助線は、延長、平行、垂直が基本

この5つのことを頭においてこの問題の補助線を考えると…。


1本の補助線(青色の実線)で、「谷」と平行四辺形ができ上がりましたね。

すると


となるので、黄色の二等辺三角形に着目すると、
光くんが藤壺さんの家でお迎えの車を待っていたとき、
車が藤壺さんの家に着く時刻は5時10分とわかります。


今回はダイヤグラムを利用して解きましたが、もちろん線分図に整理しても正解できます。

このような定番の問題を選んで夏期講習までに定着度チェックをすませ、
夏期講習で再確認するというスケジュールが組めると夏期講習がとても有意義になりそうですね。


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速さの練習問題 2012年07月15日12時21分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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