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2013年 中学入試 ~平成26年度に向けて④~

中学入試の算数問題2013年03月02日18時00分
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雙葉中(JR中央線、東京メトロ丸の内線・南北線 四ツ谷駅 徒歩2分)


2013年度入試では、
灘中や筑駒中、男女御三家などの最難関中の算数の問題に
変化がみられました。


それは、
知識さえあれば解ける問題、
塾の教材や市販教材をパターン暗記しておけば解ける問題が
減っているという点です。


もちろん、知識や解法パターンは必要です。


それに加えて、ワンランク上質な問題が出題されはじめているのです。


「問題文の題意を正確に読み取る力=精読力+整理力」が
求められているんです。


たとえが悪いかもしれませんが、
「毛利小五郎タイプ」(「名探偵コナン」参照)のお子さんでは
最難関中の入試を攻略するのが難しくなってきているのです。


毛利小五郎探偵は、
1.過去の類似した経験を元に(=類題と同じと決めつめる)
2.そこからひきだした都合の良い推理を(=精読をしない)
3.それにあった証拠だけを見て(=条件の一部を見落とす)
4.犯人をかんで名指しする(=欠けているピースを無視して解答作成)
というのが、おきまりの失敗パターン(=テストで不正解になる)ですよね?


では、これから受験に向かうお子さんには
どのような学習をすることが求められているのでしょうか。


今回も灘中の入試問題をみながら、
2014年入試に向けた学習の取り組み方を考えたいと思います。


今回は1日目の7、いかにも灘中らしい問題です。




2013年度 灘中 1日目

7 2桁の整数ABがあります。間に0を入れて3桁の整数A0Bを作ると、この数はABで割り切れます。また、両端と間にCを入れて5桁の整数CACBCを作ると、この数もABで割り切れます。このとき、5桁の整数CACBCは□です。ただし、A、B、Cはすべて異なる数字で、どれも0ではないものとします。



「知識」という点からは、「2桁の整数AB=A×10+B」が必要な問題です。
また、灘中お得意の
「2桁の整数AB-2桁の整数BA=(A-B)×9=9の倍数」(ただしA>B)
という知識も必要そうにみえます。


その知識を前提にこの問題をみていくと、
「整数A0Bを作ると、この数はABで割り切れます」を
どのように「整理」するかがわかってきます。


「わり算はかけ算に直して考える」という原則にしたがって、
「整数A0B=整数AB×★」と整理できます。


すると「9(=10-1)倍」という知識から、
「もし、★=10だったらAB0になるから…」
という考えもわいてきます。

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つまり、A0BはAB0よりもBの9倍だけ小さいので、
「A0B=AB0-B×9=AB×★」です。


AB0はABの10倍ですから「B×9もABの倍数」とわかります。


BとABの一の位のBがそろうようにすると、

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となるので、AB=15、18、45 の3つが候補になります。


あとは、C1C5C、C1C8C、C4C5C が
それぞれ15、18、45で割り切れればOkです。


ここでも
「CACBC=C0C0C+A0B0=C0C0C+A0B×10」と整理しておけば、
「A0BはABで割り切れる」と問題文にありますから、
「CACBCを作ると、この数もABで割り切れます」が
「C0C0CがABで割り切れる」と同じことだとわかります。


C0C0C=10101×C=15の倍数の場合、
一の位に着目するとC=5だけしかありませんが、
Bも5なので「A、B、Cはすべて異なる数字」にあてはまりません。


このことは「45」でも同じとわかりますから、AB=18です。


C0C0C=10101×C=18の倍数の場合、
18の倍数の一の位が偶数であることと、
C0C0Cが9の倍数でもあることに着目すると、
C=6 しかありません。


ですから答えは61686です。



この問題は「B×9もABの倍数」までたどり着いた段階で、
「後は(うまく絞り込んで)調べるだけだ!」とわかりますから、
「B×9もABの倍数」を導き出せるかどうかがすべてです。


そのために必要だったのは、
「2桁の整数AB=A×10+B」や
「2桁の整数AB-2桁の整数BA=(A-B)×9=9の倍数」(ただしA>B)や
素因数分解の利用といった
整数問題で使う「知識」を前提に、
「この数はABで割り切れます」を「わり算はかけ算に直して考える」という
原則にしたがって「整理する力」です。


ここを整理しないで、ばらばらと書き散らかすと
すぐに正解が見つかったり、逆に全く見つからないで混乱していったり、
正解率が安定しません。


4年生ぐらいですと調べる範囲が狭いので
「書き散らかし型=毛利小五郎タイプ」でも結構得点できますが、
5年生も半ばにさしかかってくると、
そういつもいつもうまくいくとは限らなくなってきます。


頭の中にはじめからこの力が備わっている「天才くん」は別として、
一般的な受験生がこのような「整理力」を身につけるためには、
ノートに走り書きをしない、気づいたことを順序立てて書き出す学習を
普段から行うことが有効だと思います。
 
中学入試の算数問題2013年03月02日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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