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2013年 中学入試 平成26年度に向けて⑩

中学入試の算数問題2013年04月13日18時00分
~今回も「切断」です。~

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豊島岡女子学園中学校
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今回は2013年度の灘中入試 算数1日目の最終問題13です。


個人的にはこの13、結構お気に入りです。


前回も書きましたが、「灘中の立体図形」と言えば「切断」というくらい、
毎年、切断の問題が出題されています。


その「切断」というテーマは、「傾けた容器の水面」と同じなんです。


切断面は平らですし、もちろん水面も平らです。


ただ、この13は水面が問題に記入されていますので、
「水面(切断面)の作図」といった点では悩まないですみます。


ですから、切断が苦手だというお子さんにとって、
「切断面が求められたあとの処理をマスターできているか?」を
チェックするのに好都合です。



13 立方体の形をした容器を傾けて固定し、水を注いだところ、図1のようになりました。さらに水を注ぐと図2のようになり、このときの水の体積は立方体の体積の11/14倍でした。図1の水の体積は立方体の体積の□倍です。

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図形問題で気をつけたいことは「問題図に引っ張られない」ことです。


図形だけに目がいってしまい、
その結果、自分にとって都合のいいように問題に接することは危険という意味です。


この問題であれば、問題文「容器を傾けて」を正確に理解することから始めます。


「傾けた(問題文) → 図1(問題図)」の順に進むということです。


図1から、頂点Bを床などに着けたまま、
頂点Aと頂点Cが同じ高さになるように傾けていることがわかります。

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このことから、「高さの平均が求めやすい立体図形」だと気づけるんです。


となれば、着目点が「高さ」とわかりますので、
続けて問題文中に出てくる「水の体積は立方体の体積の11/14倍」は、
次の図のように数値化できます。

m_20130413_04.jpg


ここまでくれば、「容器を傾けて固定し」ているのだから、
図1と図2で「隣り合う高さの差が同じ」であることに気づけますから、
次の図のように考えることができます。
(水の部分でも、すき間の部分でも気づきやすい方を選んで下さい。)

m_20130413_05.jpg

あとは、図1と立方体との体積を比べるだけです。

図1(三角すい)の体積:立方体の体積
=14×14÷2×3÷3 : 14×14×14
=1 : 28

ですから、答えは1/28です。


一見すると、とても易しそうに見えるのですが、
「カンだけで適当に解く」と迷路にはまり込んでしまう可能性のある問題だと思います。


しかし、図形問題であっても
「問題文を読む → 問題図をヒントにする」という正攻法通りに取り組めば、
短時間で迷うことなく正解までたどり着けます。


2013年度の灘中入試 算数1日目はこの13で終わりです。


この入試は、受験者平均が45.0点、合格者平均が58.6点(満点100点)と
直近の5ヶ年で最も低い年となったのですが、
全13題(解答数15)のうち、
難問や処理に時間がかかる問題は4・6・7・11の4題(解答数5)だと思います。


これらの4題を「難しそうだ」と判断し、他の問題の正解を目指せば、
10題/13題≒77%(!!)の得点も可能でした。


しかし2や5-②もミスの可能性があるなど、
問題用紙1枚目がやや解きにくい入試でしたから、
この1枚目でつまずいていてしまった受験生が多かったのだろうと推測しています。


この13に代表されるように、
正攻法で解ける問題を上手く選択する力をつけていくことが、
中学入試における実戦力となるのでしょう。


5年生のお子さんはもちろん、早々と入試を意識させられる6年生のお子さんも、
「どんな解き方でも、正解できればいいんだろ。」と問題数をこなすだけの演習よりも、
「○○に着目できるから★★という解き方になるんだ。」という理解重視の演習のほうが、
上手く得点する力が育っていくと思います。

中学入試の算数問題2013年04月13日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。