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2013年 中学入試 平成26年度に向けて⑭

中学入試の算数問題2013年05月11日18時00分
~今回も「大問形式」、テーマは「平面図形の補助線を見つけるには?」です。~

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洗足学園中学校
JR南武線 武蔵溝ノ口駅 徒歩6分
東急田園都市線 溝の口駅 徒歩6分


今回のテーマは「平面図形の補助線」です。


図形問題が得意か不得意かは、
この補助線が「見える」か「見えない」かの違いだ
とよく言われています。


では「見えない」お子さんは
どんな学習をすれば良いのでしょうか


これまでにも何度かこのテーマには触れていますので、
簡単にまとめてみます。


1.三角形の高さ

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この形の三角形の高さを使った求積問題の練習をする。

2.高さの等しい三角形の面積比(等高三角形)

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この形の三角形の底辺の比を使った面積比問題の練習をする。

3.補助線の鉄則パターンを覚える(平面図形の原則)
① 円問題…中心と結ぶ(補助線=半径)
② 二等辺三角形…半分に切る(合同な直角三角形に分割)
③ 面積公式のない四角形…三角形に分割する
④ 相似形をつくる…平行線、垂線、延長線から選ぶ
⑤ 等高三角形をつくる…(上記「2」のような形になるように)区切る


学習の階段は、「1<2<3」の順序です。
「1」「2」「3」のどの階段でつまずいているかを見極め、
その課題にあった練習をすることが「補助線が見える」ようになる学習だと思います。


では、この学習方法で灘中の入試問題にどこまで対応できるかをみてみましょう。




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(1)図1において、AB、ACの長さをそれぞれ求めなさい。

(2)図2のように、長方形DEFGの内部に、Dが中心でDEを半径とする円の一部と、EFを直径とする半円があります。これらは点Hで交わっています。
①EHの長さを求めなさい。
②四角形EFGHの面積を求めなさい。










図1は、6年生ならばよく練習している図ですから、この時期でも解けるでしょう。


基本方針は、相似形を見つけやすくするために
「直角三角形は、角に○×直角を書く。」ですね。

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上の図から、AB=4cm×3/5×4/5=1.92cmとわかります。


さらに、AC=1.92cm×3/4=1.44cmも求められます。


この(1)は、「サービス問題」です。




(2)は問題文中に「円の一部」、「半円」という言葉がありましたから、
「円問題だ。」と気づけます。


円問題とくれば、「中心を結ぶ(補助線=半径)」が鉄則です。
この補助線を書くと、おうぎ形や二等辺三角形ができるからです。

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しかし、まだEHの長さはわかりません。


そこで
「二等辺三角形は分割する。」(合同な直角三角形を作る)
という原則も使いましょう。

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すると上の図のように、3:4:5の直角三角形が見つかりました。


ここからは、(1)のように相似形を利用しても答えを求められますし、
「たこ形」を使ってもOKです。


例えば、たこ形の面積を利用すると、
EH×5cm÷2=3cm×4cm÷2×2 なので、EH=4.8cmです。


では、(2)-②にすすみましょう。


(2)-①から、次の図のようなことがわかります。

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三角形DEIと三角形EJIは、4:3の相似形ですから、面積比は16:9です。


ですから三角形HEJの面積は、3cm×4cm÷2×9/25×2=108/25cm2 です。


あとは、四角形HJFGの面積がわかればOKですね。




ここでも平面図形の「原則」が活躍します。




「(面積公式のない)四角形は三角形に分割する。」


この原則を使ってみましょう。

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GとJを結ぶ補助線も考えられますが、
できあがる三角形GHJの辺と平行な直線や延長線がないため、
相似や等高三角形の面積比などが利用できない可能性が高いのです。


補助線で迷ったら、
1.平行
2.垂直
3.延長
を、優先的に考えてみましょう。


そこで、HとFを結ぶ補助線を考えてみると、
EJ=JFですから、三角形HJFの面積=三角形HEJ=108/25cm2です。


これで、残るは三角形HFGの面積です。
GF=4cmがわかっているので、もし高さがわかれば…。


そのとき、「半円に接する三角形は直角三角形」という知識が思い出せるお子さんは、練習がよくできています。

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そうです!
「灘中の直角三角形」ですから、補助線は「垂線」でしたね。

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三角形HEFの面積から、
108/25cm2×2÷3cm=72/25cm がHKの長さです。


直角三角形HKFも、3:4:5の直角三角形ですから、
KF=72/25cm×3/4=54/25cm です。


ですから三角形HFGの面積は、
4cm×54/25cm÷2=108/25cm2 です。


よって、四角形EFGHの面積は、
108/25cm2×3=324/25=12.96cm2とわかります。


灘中の入試問題ですから、
最後は灘中の直角三角形でよく用いる補助線を利用しましたが、
そこまでは、いつも練習しているときと同じように
「平面図形の原則」を使うだけでしたね。


志望校の傾向対策は大切ですが、
それを生かすためには、
どの学校の受験でも使っていく「原則」をマスターしていることが重要だ
とわかる問題だったと思います。


これから図形を本格的に学習する5年生のお子さんは、
将来、このような使い方をするんだということを意識しながら、
解法の「原則」をひとつひとつ身につけることができると、
6年生の学習が上手くいくと思います。
 
中学入試の算数問題2013年05月11日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。