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夏は受験の天王山 2014年度に向けて③

中学入試の算数問題2013年06月08日18時00分
~2013年度の開成中入試問題を題材に夏の学習準備をする~
『図形センスがなくても難関中の問題は解ける!』

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鴎友学園女子中学校
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今回も前回に引き続き、
2013年度 開成中の入試問題を題材にして
夏期講習までの学習方法を確認してみましょう。


2013年度 開成中 大問1

(4) 下の図2のように、1辺の長さが2cmの正方形ABCDにおいて、点E、Fはそれぞれ変AB、BCを2等分する点とします。直線DEと直線AFの交わる点をG、直線BDと直線AFの交わる点をHとするとき、①、②の面積をそれぞれ求めなさい。

①三角形HBF
②四角形GEBH

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開成中を受験する6年生は類題演習をよくしている問題だと思います。

しかし、まだこれから徐々に仕上げていく受験生の中には、
図形を苦手としているお子さんもおられるでしょう。


図形学習のポイントは4つありますから、
どこでつまずいているかをこの問題でチェックしてみましょう。


【図形のポイント】
1.基礎にあたる図形の計算技術をマスターする。
2.図形の特徴を知識として覚える。
3.工夫した解き方を身につける。
4.正確な作図を自分の手で書く。


『下の図2のように~正方形ABCDにおいて~』という部分は、
「正方形がこの問題のテーマだよ」という『前ふり』ですから、
この図形は必ず使います。


その上で設問文『①三角形HBFの面積』にある交点Hが必要な点です。


『前ふり+設問に必要な点だけを図にする』は、
計算ではないのですが図形に必要な基礎技術=ポイント1 に相当します。


すると、次のような図になります。

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問題図よりもとてもシンプルになりました。


問題図を見ても手が動かなくてもこの図ならば解けるというお子さんは、
図形学習のポイント1に弱点があることがわかります。


さて砂時計形の相似ですから、

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となり、面積比ア:イ=2:1 より、
1cm×2cm÷2×1/3=1/3cm2が答えです。


三角形BFHの高さを求めてもOKですが、
難関中を目指すお子さんは面積比の利用もできるようになっておきましょう。


図形学習のポイント3の「工夫」の部分です。




②は四角形の面積ですから、
三角形に分割 または 三角形(大)-三角形(小)が大原則です。
図形の学習ポイント2です。

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この4つのどれを選んでも正解することができます。
「○○じゃないとだめ」ということはありません。


(1)で求めた答えを利用するのであればア、イ、エですが、
この中ではエが一番楽です。


というのも三角形AEGの面積を
(1)とおなじ考え方でも求められるからです。

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もしこの図を見て解けないようでしたら、
図形学習のポイント2に課題があります。


「相似形がありそうで、でも見つからない問題は、
相似完成(補助線)」という知識が、定着していません。

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補助線は、①延長線、②平行線、③垂線 が基本です。

正方形の辺を延長すれば上の左図、
正方形の辺に平行に引けば右図のようになります。


難関中を受験する場合は比の利用ができることが必須ですから、
ぜひウの解き方を覚えて欲しいと思います。


(1)から、DH:HB=2:1、上の右図からDG:GE=4:1 なので、

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となり、「隣辺比(ひとつの共通角をはさむ辺比の積)」より、
三角形DGHの面積:三角形DEBの面積=4×2:5×3=8:15 です。


ですから四角形GEBHの面積は、
1cm×2cm÷2×7/15=7/15cm2とわかります。



算数が苦手のお子さんは、
このようにひとつの問題でもいくつかの段階があるため、
そのどこかでつかずいてしまって、正解できないのです。


どのレベルまでできていて、
どのレベルができていないかを
「基本問題」「応用問題」という区切り方だけでなく、
この問題のように「1問の中の階段」で区切るようにすることが、
短期間で弱点を克服することに必要だと考えています。


また、正解できるお子さんであっても、
工夫をしたとき方ができるお子さんとそうでないお子さんとでは、
夏期講習で得られるものに差ができます。


正解できる、正解できないということ以外にもチェックポイントはありますので、
お父さん、お母さんが手伝ってあげて
夏までの準備にいかせるといいなと思います。
 
中学入試の算数問題2013年06月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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