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図形の重要ポイント その3 立体図形の切断

中学入試の算数問題2013年08月24日18時00分
『図形の重要ポイント その3 立体図形の切断』
第144回 入試戦略は秋の過ごし方から④
~志望校別の準備をしよう!~

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「NHK秋山仁のそれいけ算数!」秋山仁(NHK出版)




もう20年くらい前になりますが、
NHK教育テレビの夏休み特番で秋山氏の算数を拝見する機会がありました。


当時は集団塾で中学受験算数クラスの講師をしていましたが、
受験算数とはまた異なるおもしろさに思わず見入ってしまった記憶があります。


楽しく、わかりやすい算数がきっかけとなって、
算数が好きになってくれるお子さんが増えればいいのになと、今も思っています。


しかし、楽しく感じるためにはある程度の基礎知識が必要です。
その知識があるからこそ、ワンランク上の話を理解し、
そこにおもしろみも発見できると思っています。


そこで今回はこの夏の仕上げとして、
ここまでに何度かお話した「立体の切断」を2回にわたってテーマにしていきたいと思います。




まずはメインの問題に入る前に力試しを1題、考えてみてください。


(力試し)
下の図はある立体図形の展開図です。この展開図を組み立ててできる立体の体積を求めなさい。

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すでに一度は解いたことがあるかもしれませんね。


この展開図を組み立てると底面の面積が、
6cm×6cm÷2=18cm2 の四角すいができあがります。

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「角すいの体積=底面積×高さ÷3」ですから、あとは高さがわかるといいのですが…。




ヒントは「合同」です。




下の図の赤い直角三角形は合同ですから、AP=6cm です。

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ですから、体積は、18cm2×6cm÷3=36cm3 となります。




この問題は「合同を利用する」ことを知っていないと
なかなか気づけない問題だと思います。


特に直角三角形の合同条件は「斜辺と他の一辺」のように、
特別なパターンもありますので、ちょっと大変かもしれません。


とはいうものの、この問題は塾教材や受験用の問題集に掲載されて長いので、
「直角三角形の合同」を利用した入試問題も出題されても正解できる受験生が増えています。


差をつけられないよう、覚えておくとよいと思います。




この「力試し」に関連して、入試問題を1題ご紹介します。


今回もフェリス女学院中学校 2013年の入試問題からです。


男子でも手こずりそうな問題ですが、
受験生が試験中に正解できる小問を上手く発見できていればすばらしいと思います。




大問4
図のように、底面がひし形である高さ6cmの四角柱があります。辺AB、BC、FG、GHのまん中の点をそれぞれ点P、Q、R、Sとします。また、ひし形ABCD、ひし形EFGHの対角線が交わってできる点をそれぞれM、Nとします。

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1 正三角形  2 直角三角形  3 二等辺三角形  4 直角二等辺三角形
5 3つの角の大きさが30°、60°、90°の直角三角形
6 3つの角の大きさが30°、75°、75°の二等辺三角形

7 正方形  8 長方形  9 ひし形  10 台形  11 平行四辺形
12 五角形  13 正五角形  14 六角形  15 正六角形

次の問いに答えなさい。
(1)三角形MEN、三角形MFNはどのような三角形ですか。上の1~6から最もふさわしいものを1つ選び、番号で答えなさい。


(2)三角すいAEFHを、3点P、Q、Rを通る平面できるとき、切り口はどんな形ですか。1~15から最もふさわしいものを1つ選び、番号で答えなさい。また、頂点Fがある方の立体の切り口の面積を求めなさい。

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(3)この四角柱、3点P、Q、Sを通る平面できるとき、切り口はどんな形ですか。1~15から最もふさわしいものを1つ選び、番号で答えなさい。また、頂点Fがある方の立体の切り口の面積を求めなさい。

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(1)からみていきましょう。


大問全体を眺めると「切断! 難しいかも…」と感じてしまうかもしれませんが、
この問題のように小問が3問ある場合、
(1)が「チョーむずい!」という可能性はかなり低いです。


難しそうな大問でも(1)くらいは設問文を読むようにしていきましょう。


さて、問題文を読む限りは「作図すれば大丈夫そう」です。


しかも、書き込めるように小問それぞれに見取り図が与えられていますね。親切~!!


書き込んでみると次のようになります。

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図から、
三角形MENは直角二等辺三角形の「4」
三角形MFNは直角三角形とわかります。


が、ここに落とし穴があります!


選択肢をよく見ると、直角三角形は「2」「4」「5」と、全部で3つ用意されています。


三角形MENのほうは問題なく「4」ですが、三角形MFNはどうでしょう?


「4」でないことはわかりますが、「5」の可能性はないのでしょうか?


じつはここに「力試し」問題でみてもらった「合同」が関わっているのです。


もう一度、上の図を見てください。


中学校で習う「証明」風に書くと
三角形MFNと三角形GFNにおいて、
MN=GN=6cm
FN共通
角MNF=角GNF=90°より、
2つの辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
三角形MFNと三角形GFNは合同です。

ですから、三角形MFNは「5」となります。


小学生には証明は不要ですが、
「合同」かどうかを判断する力はこのように大切なんです。


さて、(1)は切断とは無関係でしたから、これを正解できるといいですね。




(2)に進んでいきます。


今度は「切断」です。3点を通るように作図しましょう。

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上の右図のようになりますから、切り口は正方形の「7」でしょうか…。


問題文には「三角すいAEFH」を切ると書いてありました!


一般に角すいの切断は作図が難しいので、
①角柱を切断した図を描く
② ①の図に中に角すいを書き込む
という手順で考えるようにしましょう。


実は、角すいの「斜面」を描き加えることは「2回切断」と同じことです。


ということは「2回切断」のポイントである、
「交点を結ぶ(交線を引く)」という知識が必要です。

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上の図から切り口は直角三角形とわかります。


JK=PK×1/2=3cm KL=EN×1/2=3cm なので、
三角形JKLは直角二等辺三角形の「4」です。


(2)では、切断の3原則と2回切断の知識がチェックできる問題です。


お子さんの既習範囲内でどこまで理解できているかという点に着目して、
この問題を利用してみてください。


(3)については次回です。
 
中学入試の算数問題2013年08月24日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。