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『場合の数の学習ポイント』

場合の数の練習問題2013年09月07日18時00分
第146回 場合の数に強くなろう!
~場合の数は他の単元と学習方法が少しちがいます~

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「算数授業の実況中継(上)」細川裕文(語学春秋社)




1994年に出版された書籍ですが、現在も販売中という息の長い本です。


この本が出た頃がちょうど授業スタイルが変わり始めていた時期で、
「そうなんだよねー」と思いながら読んだ記憶があります。


さて「変わる」といえば、
6年生のテストが入試本番に向けた「実戦力」のテストに変わり、
5年生の算数のテストも「思考力」を必要とする、
いずれも点数が取りにくくなるテストに変わっていく時期になりましたね。


この書籍の出版元でも

「中学入試算数では,
『必要な情報を問題文から読みとる能力』
『図表を使って条件を整理する能力』
『丹念に,正確に計算する能力』などが試されます。
本書では,思考力が要求される問題を精選し,
同種の多くの問題の解法につながる,
具体的かつ応用のきく考え方を示しています。」

と、本書を案内しています。


この時期になると、
「数の性質」や「立体の切断」、「場合の数」といった単元の
お悩みを伺うことが増えてくるのですが、
これらの分野で難しいと言われる問題は
上記の『思考力』のしめる幅が大きいことが多いのです。


その第1歩を踏み出す前に必要なことが、「基礎知識」です。


そのため、「基礎知識」が不足していれば
「数の性質」や「立体の切断」、「場合の数」といった単元を当然難しいと感じますし、
「基礎知識」があっても『必要な情報を問題文から読みとる能力』が訓練され、
その能力が成長していないと、
どこから手をつけてよいかわからないと悩むことになります。


そこで今回は
「場合の数」で得点ができるようになるための学習について
考えてみたいと思います。


「場合の数」でのお悩みが多いのは、次の理由があるからだと思います。


1.順列や組み合わせといった基礎知識そのものが難しいこと
2.大テストや入試問題では応用テクニックが必要な問題があること
3.他の単元の問題との融合問題があること
4.難度の高い初見の問題があること


「1」をチェックする場合、例えば次のような問題があります。


【問題1】
お父さん、お母さん、太郎くん、妹、弟の5人が横一列にならん写真を撮ります。
(1)ならび方は全部で何通りありますか。
(2)お父さんとお母さんがそれぞれ端にいるならび方は何通りありますか。
(3)お父さんとお母さんが隣合わないならび方は何通りありますか。




この問題では「順列」の知識が確認できます。


樹形図でもよいですし、計算式で解けるとなおグッドです。


(1) 5×4×3×2×1=120(通り)
(2) (2×1)×(3×2×1)=12(通り)
(3) (2×1)×(4×3×2×1)=48(通り)…お父さんとお母さんが隣合うならび方
120-48=72(通り)


(1)は一番基本的な順列の問題です。


(2)はお父さんとお母さんのならび方と太郎くんたち子ども3人のならび方に
分けて考える(1)よりワンランク上の問題です。


(3)は順列の基礎知識に、
「~でない場合」=「全ての場合」-「~である場合」という
補集合の基礎知識が加わった「基本問題」です。


基礎知識が2つ組み合わさると、
基礎知識が1つだけの問題に比べて、
「工夫の仕方×計算」の2段構えになるために、
「場合の数は難しい」とお子さんは思うのです。




「2」をチェックする場合、例えば次のような問題があります。


【問題2】
図のように、正方形の中に同じ大きさの16個の円がくっついて入っている。Aから円周上を通ってBへ行く最短コースは何通りあるか。ただし、AとBは正方形と円がくっついている点である。
(灘中 平成6年 第1日-3 一部改題)

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この問題は、

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のように、「円周の1/4×6+円周の1/2」が最短コースですから、

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と、同じ問題だとわかります。


円の問題図のままを「なぞる」のではなく、
「見なれた問題に変換する」と、
まちがえることなく正解の 8C1=8(通り) にたどりつけます。


基礎知識が使えるように問題を変換する必要があるため、
「場合の数は難しい」とお子さんは思うのです。




「3」をチェックする場合、例えば次のような問題があります。


【問題3】
図のように三角形PQRの辺上に点A,B,C,D,E,Fをとり、そのうち2点を結んで三角形PQRの辺に重ならないような直線を引きます。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)このような直線は何本引けますか?
(2)三角形PQRの内部では交わらないような2直線の選び方は何通りありますか。ただし、三角形PQRの辺上の点はこの三角形の内部の点としません。
(甲陽学院中 平成6年 第2日-5)

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ここでも【問題1】にもありました、補集合の考え方が登場します。


6C2=(6×5)÷(2×1)=15(本)…A,B,C,D,E,Fのうち2点を結ぶ直線
そのうち2点を結んで三角形PQRの辺に重なる直線は、AB、CD、EFの3本ですから、
15-3=12(本)が正解です。


基礎知識「補集合」に、
「2点を結ぶ=2点を選ぶなので、組み合わせ」という基礎知識が加わった問題です。




(2)も、
「三角形PQRの内部では交わらない」=「すべての場合」-「三角形PQRの内部で交わる」
という補集合の考え方が出てきます。


そこで、三角形PQRの内部で交わるように2直線を引くと

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のように、「四角形ができるように4点を選ぶ」ことと同じになります。


12C2=(12×11)÷(2×1)=66(通り)…(1)の12本から2本の選び方
6C4=6C2=(6×5)÷(2×1)=15(通り)…四角形の作り方
66-15=51(通り)




この【問題3】は、
現在では「3.他の単元の問題との融合問題」に分類されています。


しかし、出題された平成6年の時点では「4.難度の高い初見の問題」に
分類される問題でした。


この問題のように、
場合の数は他の単元に比べて、
「初見の問題が、難問ではあるが定番の問題に変わっていく」ことが
多いようです。


そのため、類題演習をしていなければ、短時間に正解することが難しいのです。


ここに場合の数の難しさがあると思います。


場合の数の問題演習は、樹形図でも書き出しでもかまいません。
このことは、実戦力につながります。


そして答え合わせのときに、工夫の仕方を解説から学ぶようにします。
このことが知識を増やしてくれるからです。


基礎知識を元に、
実戦力と工夫する知識をバランスよく増やしていくことが、
場合の数の勉強方法だと思います。

場合の数の練習問題2013年09月07日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。