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『数の性質 中級レベルの学習ポイント』2

数の性質の練習問題2013年11月09日18時00分
第155回 入試の定番問題を攻略しよう ~8~

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「聖光学院中学校26年度用―中学過去問シリーズ (4年間スーパー過去問303) 」声の教育社




「定番の問題」中級レベル、今回もテーマは「数の性質」です。


前回の問題で明らかになったように、
「数の性質」の中級レベルの定番問題が難しく感じる理由は
「表現の言いかえ」
にあります。


今回の定番問題も入試問題ですが、
「言いかえられた」問題文の元になっている基本問題が
何かを考える練習にはもってこいです。


5年生や「この単元が大の苦手」という6年生は闇雲に解いてもかまいませんが、
そうでないお子さんは、「ああ、この問題はあれを使う問題だ」と気づくよう、
少しじっくりと考えてみて下さい。



2013年度 聖光学院中学 入試問題 大問3

3 2けたの数を表示する機械Aがあり、スイッチを入れると1秒ごとに次の規則で数字が表示されます。

(規則)
10の位は,1,2,3,4,5,6,7,8の順に1秒ごとに変わり、8の後はまた1に戻り、同じように変わります。
1の位は,1,2,3,4,5,6,7,8,9,0の順に1秒ごとに変わり、0の後はまた1に戻り、同じように変わります。
たとえば、スイッチを入れると1秒後に11,2秒後に22,3秒後に33が表示され、9秒後は19,10秒後は20,11秒後は31が表示されます。

このとき、次の問いに答えなさい。

(1)73が初めて表示されるのは、スイッチを入れてから何秒後ですか。
(2)この機械で表示することができる2けたの数を、1回ずつすべて加えるといくつになりますか。
(3)同じように3けたの数を表示する機械Bがあり、10の位と1の位を表示する規則は機械Aと同じで、100の位は,7,6,5,4,3,2,1の順に1秒ごとに変わり、1の後はまた7に戻り、同じように変わります。たとえば、スイッチを入れると1秒後に711,2秒後に622,8秒後には788が表示されます。
(ア)711が2度目に表示されるのは,スイッチを入れてから何秒後ですか。
(イ)773が初めて表示されるのは,スイッチを入れてから何秒後ですか。







この大問で言いかえられた「数の性質」の基本問題が何かを考える上で、
ひとつ大切なことがあります。


この大問に設定された小問数は4問です。


このヒントから、受験生には思い出して欲しいことがあります。それは…、




設問数の多い大問は、しばしば「誘導形式になっている」ということです。


つまり、
「やさしい小問を解くときは、手を動かしながら=書き出しなどを利用しながら、
この大問がどんな基本問題を元にして言いかえられたのかを考える」
という取り組み方がお勧めなのです。


まだ3題目の大問ですから「超難問」の可能性は低いので、
ここの小問は取り切りたいところです。


そのためには「どんな基本問題を元にして言いかえられたのか」を考え、
問題を見抜くことでそのチャンスを得るようにします。




では、実際に小問(1)を書き出しで考えてみましょう。

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このような書き方でもよいのですが、問題文で「10の位」「1の位」と分けられていますから…

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のように書くといいですね。


ここまで書くと気づくことがあります。


問題文では「~に戻ります」とありましたが、
基本問題であれば「~をくり返します」と書かれる問題と
同じかたちの「表」に書き出しができています。



「1の位の3」は、3秒後、13秒後、23秒後…のように10秒おきに現れます。
また、「10の位の7」は7秒後、15秒後、23秒後…のように8秒おきに現れ、
23秒後が答えだとわかります。


この(1)で「くり返しの問題だ」と気づいてしまえば、
以下は難しくありません。


(2)は、
「10秒おき」と「8秒おき」の最小公倍数である40秒後以降は、同じ数をくり返しますから、
(2)は1秒~40秒に表示される数の和を求めるだけです。


ここでも、「11+22+33+…+88+19+20+31+…+80」のように計算するよりは、

1の位の数の和は、(1+2+…+9+0)×4=180
10の位の数の和は、(1+2+…+7+8)×5×10=1800

のように、位ごとに分けて求めると「等差数列の和」の公式が使えます。

180+1800=1980が(2)の答えです。


(3)はケタがひとつ増えただけですから、(1)と同じ考え方が使えます。


(1)では、
「1の位の3は、3秒後、13秒後、23秒後…のように10秒おき」としましたが、
「10でわって3あまる数」のように「言いかえる」と、
さらに解きやすくなります。


(ア)は…

100の位の7…7で割って1あまる数
10の位の1…8で割って1あまる数
1の位の1…10で割って1あまる数

「ラッキー!同数あまり(あまり共通)のパターンだ!!」


そうです、気づきましたね!


あとは、
「同数あまり=最小公倍数×○+あまり」の基本問題を利用して、
2度目の「711」は、280×1+1=281(秒後)と簡単に求められます。


(イ)も同じようにう表してみると…

100の位の7…7で割って1あまる数
10の位の7…8で割って7あまる数
1の位の3…10で割って3あまる数

残念、今回は「同数あまり」にも「同数不足」にもなっていません。


ということは、順に調べるパターンの基本問題ですね。

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183秒後




問題をサラッと読んだだけでは
「デジタル表示」の難しそうな問題に見えたお子さんもいたかもしれませんが、


・大問は「誘導形式」であることが多い
・「やさしい小問」を解くときに何がテーマとなっているかを考えるようにする
・数の性質の中級レベルの定番問題は基本問題の「表現の言いかえ」だ


ということを知って解くようにすると、正解することもさほど難しくありません。




一般的に中級レベルの定番問題は、

・「数の性質」「立体図形」「場合の数」といった抽象概念の単元では「表現の言いかえ」
・「比と割合」「速さ」「平面図形」といった具体概念の単元では「基本問題の組み合わせ」


という正体を知り、
問題演習をする際にどんな基本問題を使っているのかを考えながら解くようにすると、
模擬テストや入試本番でも正解を得ることが可能になりそうですね。

数の性質の練習問題2013年11月09日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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