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『2014年度 中学入試速報』1

中学入試の算数問題2014年01月11日18時00分
第164回 2014年度入試 ~1~

20140111_01.jpg


「海陽中等教育学校 2014年度受験用 赤本1315」
(中学校別入試対策シリーズ)英俊社




いよいよ2014年度の入試が本格的に始まりました。


ここまでに

1/4 岡山中 B方式
1/5 岡山白陵中
1/5 海陽中 第二日程
1/8 函館ラ・サール中 前期
1/9 愛光中
1/10 栄東中 A日程
1/10 西武文理中 第1回

などの入試が終わっています。


特に岡山白陵中や愛光中は受験機会が1回しかありませんから、
受験生の皆さんがこれまでの学習の成果をすべて出しきれたことを
祈らずにはおられません。




さて、今回は1月上旬に行なわれた入試から、
問題を3問ほどみていきたいと思います。


まずは
1月4日という元日の3日後に早くも入試が行なわれた、
岡山中(B方式)です。




2014年 岡山中 B方式 大問4

4 消費税の計算では1円未満は切り捨てになります。例えば、消費税率5%の場合、税抜きで50円の商品の税込み価格は、52.5の小数以下を切り捨てて52円となります。そのため、19円以下の商品には消費税分は加算されず、20円の商品は税込み価格21円となるため、税込み価格20円の商品は存在しません。次の問いに答えなさい。

(1) 消費税率5%の場合、1円以上100円以下で税込み価格が存在しない金額を20円以外にすべて答えなさい。

(2) 消費税率8%の場合、1円以上1000円以下で税込み価格が存在しない金額は何個ありますか。








大方の予想通り、でました! 「消費税問題」!


消費税が導入されたときも、、
税率が3%から5%に上がったときも
中学入試で、小問(1)のような問題が出題されました。


進学塾でも小問(2)のような問題を予測し、
対策問題を受験生に練習させていたのではないかと思います。




(1)は、商品の税抜き価格を1.05倍=21/20倍しますから、
1×1.05=1.05 → 1
2×1.05=2.1 → 2



19×1.05=19.95 →19
20×1.05=21→21
のように、
商品の税抜き価格が20の倍数のときに
「存在しない金額」が生じます。



すなわち、「存在しない金額=21の倍数-1」です。


つまり、

19円×1.05 → 19円、20円×1.05 → 21円 で20円がとび、
39円×1.05 → 40円、40円×1.05 → 42円 で41円がとび、



のように、

20円、41円、62円、83円、104円…の「21の倍数-1」が
存在しない金額なので、
(1)の解答は、41円、62円、83円です。




(2)も(1)と同様に、税率を「分数倍」に直して解きましょう。


1.08倍=27/25倍ですから、1周期は「25」です。


1×1.08=1.08 → 1
2×1.08=2.16 → 2



12×1.08=12.96 →12
13×1.08=14.04 →14



24×1.08=25.92 →25
25×1.08=27→27

のように、税抜き価格が1円~25円のとき、13円と26円が「存在しない金額」です。


27×□-1≦1000 ですから、
1001÷27= 37.0…
27円×37=999円
となるので、存在しない金額は

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から、(2)の解答は、2個×37組=74個と求められます。


ただ、実際には1円~25円のすべてを調べるのは大変ので、
「何円のときに繰り上がりがあるのか」を「27/25倍」から考えてみましょう。


□円×27/25=□円×(1+2/25)=□円+□円×2/25 ですから、
「□×2/25が1以上の整数」になれば繰り上がります。


つまり、
□=13のとき、13円×2/25=26/25円
□=25のとき、25円×2/25=2円
となり、
税抜き価格が13円のとき、13円+1円=14円で13円が、
税抜き価格が25円のとき、25円+2円=27円で26円が
存在しない金額です。


これからあとの入試を実施する学校でも
出題される可能性がありますので、
気になる受験生は解き直してみましょう。




次のご紹介するのは、
この日しか試験が行なわれない岡山白陵中です。


毎年春に雑誌等で特集される、
「○○大学に強い~」「理系の合格者ランキング~」で、
よく登場する中高一貫校です。


算数の入試問題は定番の問題を多めに出題し、
最後にオリジナリティの高い問題…
というのが例年の問題構成です。


これからあとの入試を実施する学校でも出題される可能性という観点から、
定番問題を見ていきます。




2014年 岡山白陵中 大問3

3 高さ20cmの直方体の容器Aに水が満たされています。この中に底面積が2cm2、高さ20cmの四角柱を容器の底につくまでまっすぐに入れたあと、静かに取り出しました。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 底面積が8cm2、高さ20cmの四角柱を上と同じように入れると、さらに何cm3の水があふれますか。

(2) (1)で入れた四角柱を静かに取り出したあと、底面積が3cm2、高さ20cmの四角柱を同じように入れると、四角柱の上側2cmが水面からでていました。容器Aの底面積は何cm2ですか。








岡山白陵中を前受け校として受験する大阪府の受験生や兵庫県の受験生にとって、
入試本番でも中級レベルの定番問題を正解できるかどうかを確かめることが、
この受験の目的のひとつですが、
この大問3番もそんな問題のひとつですね。


「水問題を解くときの方針は、真正面から見た図を書く」を思い出し、
普段通りにそれを実行すれば正解できる問題できたと思います。

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水問題の中でも水そうに棒を入れる「棒入れ問題」では、
「入れる前→入れているとき→引き抜いたあと」の図を横に並べ、
「変化を比較しやすい」ようにしておくことがコツ
です。


そして書いた図を見比べながら、

1.等しい体積の水はどれか
2.すき間(水の入っていない部分)と等しい部分はどこか


ということを考えます。


この問題では、
図イの水の体積=図ウの水の体積 が見つかりますから、
図イの棒の体積=図ウのすき間の体積 となり、
2cm2×20cm=40cm3 が1回目にこぼれた水とわかります。


同じように、
図エの水の体積=図オの水の体積 から、
図エの棒の体積=図オのすき間の体積 となり、
8cm2×20cm=160cm3 が1回目と2回目にこぼれた水の合計とわかります。


ですから、160cm3-40cm3=120cm3が(1)の解答です。


もちろん、2回目に入れた棒の方が120cm3大きいので…と考えてもOKです。




(2)も同じように、図を書いてみましょう。

20140111_04.jpg


やはり、図オの水の体積=図カの水の体積 ですから、
図オのすき間の体積=図カのすき間の体積+棒の体積 とわかり、
(160cm3-3cm2×20cm)÷2cm=50cm2 が
図カのすき間(空気)の部分の底面積です。


ですから、3cm2+50cm2=53cm2 が容器Aの底面積です。




問題を解くときの大原則を守れば、
定番問題は時間をロスすること無く、
速やかに正解にたどりつけるという典型ですね。





最後にもう一問、
全国から受験が可能な全寮制の中学、海陽中の入試問題からです。


中学入試問題の中には、
入試問題は現5年生=新6年生にも解ける問題が多くあるという視点で、
問題を選んでみました。




2014年 海陽中 第2日程 入試Ⅰ

3 太郎君は学校までの片道1.8kmの道のりを,毎日歩いて通っています。途中,家から600mの地点に信号A,家から1400mの地点に信号Bがあり,どちらも3分ごとに青信号と赤信号が切りかわります。それぞれの信号の変わる時刻は毎日同じ,太郎君の歩く速さを時速3kmとして,次の問いに答えなさい。

(1)ある朝,太郎君が7時30分に家を出発したところ,2つの信号でどちらも1分ずつ待ちました。太郎君が学校に着いた時刻,信号Aに着いた時刻,信号Bに着いた時刻をそれぞれ答えなさい。

(2)信号Aが青になったとき,信号Bは何色ですか。理由をつけて答えなさい。理由の説明には(1)の結果を使ってもかまいません。

(3)ある朝,太郎君は,8時ちょうどに自転車で家を出発しました。ところが,家から800mの地点で自転車がパンクしてしまい,そこからは自転車を置いて歩いて行きました。自転車の速さを時速15kmとして,太郎君が学校に着いた時刻を答えなさい。








2013年度の灘中の入試にも信号機問題が出題されましたが、
その問題同様にひとつずつ順に調べていくと正解が可能な問題です。


速さと比の関係も使いませんから、
現5年生でも正解のチャンスは十分にあると思います。


灘中の問題同様に、
状況を理解しやすくするため、
わかったことをダイヤグラムに書き直しておくというのもアイデアです。


(1)は次のようになります。


時速3km=3000m÷60分=分速50m ですから、
家から信号Aまでは、600m÷50m/分=12分、
信号Aから信号Bまでは、800m÷50m/分=16分、
信号Bから学校までは、400m÷50m/分=8分 と計算できます。


ですから、

20140111_05.jpg


となりますので、
学校に着いた時刻は8時8分
信号Aについた時刻は7時42分
信号Bについた時刻は7時59分です。



(1)から、2つの信号機の青と赤が切り替わる時刻がわかってきます。


(2)の解答欄は大きくとってありますし、
(1)の結果を使ってもよいと問題文に書かれていますから、
説明として、(1)のグラフを書くのもいいでしょう。


「説明」は、指定されない限り「文章」で答えなくても大丈夫です。


大切なことは、どう考えて答えを書いたかと言うことが伝えることです。
そのために、グラフや図を使うこともあるというわけです。


ですから

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という図を書き、
「グラフから信号Aが青になったとき、信号Bも青です。」
のように解答することもできます。


(3)も(1)と同様、順に計算していきます。


自転車の速さは、15000m÷60分=分速250mですから、
信号Aには、
600m÷250m/分=2.4分後 → 8時2分24秒
にさしかかります。


(1)、(2)から信号Aが青に変わる時刻が、
7:37、7:43、7:49、7:55、8:01、8:07…とわかりますので、
8時2分24秒は「青(8:01~8:04)」なので、
そのまま待たずに信号Aを通過できます。


800m÷250m/分=3分12秒 → 8時3分12秒 にパンクし、
残りを歩きますから、
(1400m-800m)÷50m/分=12分後 → 8時15分12秒 に
信号Bにさしかかります。


信号Bは信号Aよりも1分早く信号が切り替わりますから、
8:06、8:12、8:18…に青に変わることになり、
8時15分12秒は「赤(8:15~8:18)」なので、
太郎君は8時18分にBを出発することになります。


ですから、
400m÷50m/分=8分 →8時26分に学校に到着します。


(3)は、順序よく整理すれば正解することは難しくないと思います。




これらの3問は、「合格最低点を越える」ためには大切な問題です。


・問題に応じた大原則を守ること
・見やすく整理して書くこと



前受け校を受験したお子さんは上記の2点を試験当日に実行できたかどうかを振り返り、
第1志望校の受験では着実に得点を積み上げていくことができるといいですね。

中学入試の算数問題2014年01月11日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。