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『2014年度 中学入試速報』3

中学入試の算数問題2014年01月25日18時00分
第166回 2014年度入試 ~3~



灘中 2014年度入試 算数 1日目




2014年度入試速報の第3回は灘中です。


今年は募集人数180名に最多の693名が応募、
受験者671名(実質倍率 2.97倍)の激戦となりました。


しかし、入試結果は合格最低点315点/500点と、
ほぼ平年並みの60%強の得点できれば合格できています。


応募者が増えても、
結果的には自分の力を出し切ったお子さんが
合格できたということになります。


算数に目を向けてみると、
1日目の「算数1」が直近5ヶ年の中では
「取り組みやすい問題が多い」年だったと思います。


特に2枚ある問題用紙のうち、
1枚目に「難問」が少なかったため、
混乱のあまり自分を見失ってしまうということもなかったのでしょう、


受験者平均57.2点/100点、
合格者平均73.3点/100点という結果となりました。


このような高得点となる年の入試で合格するには、
不必要な失点をしないことが非常に重要です。


いったんテストの前半で開いてしまった得点差を、
後半の問題で取り返すことが難しくなりやすいからです。




そこで今回は、灘中の2014年度入試から、
大原則通りに解けば、新6年生でも正解できますが、「見た目」で解こうとすると…
という問題をご紹介してみます。


2015年に、灘中以外の受験をするお子さんも、チャレンジしてみてくださいね。








2014年 灘中 第1日 大問7(2枚目の1問目です。)


7 右の図で点A,B,C,D,Eは正五角形の頂点で、ACの長さは5cmです。また、A,B,C,D,Eを中心とする円の半径はすべて1cmです。図の太線のように、5個の円にたるまないように糸をかけます。必要な糸の長さは□cmです。ただし、糸の太さは考えないものとします。




直線部分と曲線部分に分けて考えます。


正五角形の1つの内角の大きさは108°ですから…




となるので、
イ=2cm×3.14×252°/360°=4.396cm
4.396cm×5=21.98cm…直線部分
だから、
あとは左の図で相似比がわかればOKなんだけど…、
あれ? 相似比はどうやって求めればいいのかな…。


自分で問題図を書かないで、
問題用紙の図に書き込む癖のあるお子さんの中には
こんなふうに行き詰まったかもしれません。


あるいは、強引に




としてしまうかもしれません…。(注:上図はまちがっています。)




実はこの問題、




の作図とポイントは同じです。


円Aと円Cではなく、円Bと円Eに着目するとわかりやすいと思います。





この図を見ると、点ウや点エがどこになるかはっきりしてきます。


つまり、





なので、直線ア=5cm とわかります。


直線上を転がる円と同じことですから、
2つの円の中心を結ぶ直線と赤い直線は「平行」になるということが、
自分で図を書くとはっきりわかると思います。



では、曲線部分はどうなるのでしょうか。


円Aを利用して書いてみましょう。




円Aを拡大すると、





のようになりますから、
曲線部分の中心角=360°-(90°×2-36°)=216°
とわかります。


これらのことから、
5cm×5+2cm×3.14×216°/360°×5=43.84cm
が、答えとわかります。




この問題では、




のように「半径と接線が垂直に交わる」という、
円の転がり移動を作図するときの大原則を守れば、
正解できる問題だと思います。


そのためには、自分で図を書いて解く「よい癖」を身につけることが必要です。


学年の変わり目や半ばになって、図形問題でつまずき始めるお子さんがいます。
特に「見た目」だけに頼って問題を解いているお子さんに多く見られます。


学習スタイルを、問題に応じて自分で図を書きながら解くことを続けていくと、
少しくらいの難問や中学入試問題でも、正解することができるようになります。


「基本に忠実(=大原則を守ること)」な学習方法で、さらに学力をアップさせましょう。

中学入試の算数問題2014年01月25日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。