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『2014年度 中学入試速報』4

中学入試の算数問題2014年02月01日18時00分
第167回 2014年度入試 ~4~




灘中 2014年度入試 算数 1日目(その2)




2014年度入試速報の第4回は灘中(その2)です。


「今年は1日目が比較的取り組みやすい問題でした」と前回書いたのですが、
しかしそこは灘中です。しっかり「難問」も出題されていました。


その中でも特に難しかったと思われる問題は、大問5-②と大問11 の2問です。


そこで今回は大問11をご紹介します。


確かに難問だったのですが、
灘中の過去問演習を解いていれば
「もしかしたら、あの方法が使えるかも…?」
と気づけたお子さんもいたのではないかと思います。








2014年 灘中 第1日 大問11(1日目の最終問題です。)


11 右の図のように、長方形の板から大小2つの直角二等辺三角形の部分を切り取った板片があります。ただし、板の厚さは考えないものとします。この板片を直線アのまわりに1回転させたとき、板片が通過する部分の体積は□cm3です。









もし、直角二等辺三角形を切りとらなければ円柱ができますので、
方針は「円柱の体積-切り取られた立体の体積」です。


しかし、
切り取られる直角二等辺三角形が「回転の軸から離れている」ため、
計算がとても大変そうですね。


こんなときに役立つのが、「回転体の体積比」でした。






これらと相似な図形の体積比を利用すると、




となるのでこの図から、

アの体積=1 とすると、
ウの体積=4×4×4=64
イの体積=ウ-ア=63
エの体積=7×7×7-(64+63)=216

オの体積=5×5×5=125
カの体積=8×8×8-125=387
キの体積=アの体積1×3×3×64-387=189

求める部分の体積=アの体積1×3×4×64-(216+189)=363

となり、アの体積の363倍ですから、
1cm×1cm×3.14×1cm×1/3×363=379.94cm3が答えとわかります。




少し大変な計算でしたが、




の応用問題だということは気づけたと思いますので、
「方針立て」で迷うことはなかったと思います。




ところで、上のような問題演習をしたときに、




のような入試問題についても練習したかもしれません。


その解き方は「センターライン解法」の応用でした。


「センターライン解法」は、
円の面積の公式についての説明や、
次の図のような「円が通ったあとにできる図形の面積」の問題演習時に
学んだことがあると思います。




【問題】
直径1cmの円があり、その円の中心Pが図の曲線(合田な半円3つを組み合わせた図形)上を通ったあとにできる図形の面積を求めなさい。


【センターライン解法による解き方】
2cm×π×1/2×3=3×π…曲線の長さ(センターラインの長さ)
1/2cm×1/2cm×π=1/4×π…始点と終点の半円の面積の和
1cm×(3×π)=3×π…移動する円の直径×センターライン=通った面積
(1/4+3)×π=3.25×3.14=10.205cm2




これを習ったときの説明と同じような説明で上記の「円の回転移動」も、
円が回転してできる立体の体積
=円の面積×円の中心が軸のまわりに回転した距離
という計算方法があることを習ったことでしょう。


(1cm×1cm×π)×(4cm×π)=39.4384cm3


この方法が使えることに気づいたお子さんは、
この大問11でも時間をあまり使わずにすみます。




長方形の面積×長方形の重心の移動距離
-(直角二等辺三角形(大)の面積×直角二等辺三角形(大)の重心の移動距離
+直角二等辺三角形(小)の面積×直角二等辺三角形(小)の重心の移動距離)

という式で計算します。


長方形…(4cm×8cm)×(8cm×π)=256×π
直角二等辺三角形(大)…(6cm×3cm×1/2)×(8cm×π)=72×π
直角二等辺三角形(小)…(3cm×3cm×1/2)×(14cm×π)=63×π
(256-72-63)×3.14=121×3.14=379.94cm3


この「センターライン解法」を立体図形で利用する問題は
灘中以外にもいくつかの学校でこれまでに出題されていますが、
平面図形ほど多くはありません。


今回初めてこの解法にふれた新6年生のお子さんは、
通常の解き方をマスタース終えた後で、
「円が通ったあとにできる図形の面積」を
センターライン解法でチャレンジしてみましょう。
(※「どんな問題でもこの解法が使える」というわけでないところも、
大切な学習ポイントです。)


1つのテーマに対していくつもの解き方を持っていると、
今日ご紹介したような大変な問題でも、
より短時間に正確な答えをだすことができます。

中学入試の算数問題2014年02月01日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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