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『2014年度 中学入試速報』

中学入試の算数問題2014年02月08日18時00分
第168回 2014年度入試 ~5~




開成中 2014年度入試 算数




2014年度入試速報の第5回は開成中です。


昨年度は過去最高の受験者数となった開成中ですが、
今年の倍率は3倍を下回りました。
とはいえ、2.8倍という倍率は、
相当に厳しいものであることには変わりありません。


算数の入試問題に目を向けると、昨今の傾向である
「この問題はこれまでに習ったどの解き方を、
どのように応用して解けばよいと思いますか?」
という、いわゆる応用力を問う問題となっています。



そのためでしょうか、
受験者平均が49.8点、合格者平均は61.9点と
過去5ヶ年で2番目に低くなりました。


今年度の算数の問題は2枚目の大問3、4が難しい問題でしたから、
前半の大問1、2を混乱することなく、短時間で正解できることが
重要だったのではないかと思います。




では早速、問題をみていきましょう。




2014年 開成中 入試問題

大問1 以下の文章の(ア)~(カ)に当てはまる数を答えなさい。

(1)3つの整数(ア)、(イ)、(ウ)があります。(ア)と(イ)の最大公約数は21、(イ)と(ウ)の最大公約数は35、(ア)と(ウ)の最大公約数は98です。また、(ア)と(イ)と(ウ)の合計は1000以下です。








数の問題で安定して得点するには、
「文 → 式 → 理解」という整理方法

普段から取り組んでおくことがお勧めです。


具体的には、
「(ア)と(イ)の最大公約数は21→(ア)=21×整数→(ア)は21の倍数」
のような流れです。


これを利用すると、
(ア)は21と98の公倍数=(ア)は294の倍数=294、588、822
(イ)は21と35の公倍数=(イ)は105の倍数=105、210、315…
(ウ)は35と98の公倍数=(ウ)は490の倍数=490、980
とわかります。


このうち、和が1000以下という条件を満たすのは、
(ア)=294、(イ)=105、(ウ)=490
または
(ア)=294、(イ)=210、(ウ)=490
の組だけです。


そこでもう一度、最大公約数をチェックすると(イ)=210のときは、
(ア)と(イ)の最大公約数が42となるので、答えにはなりません。


ですから、(ア)=294、(イ)=105、(ウ)=490が正解です。




「数の問題は、文→式→理解と整理する」を普段の演習から行なっていると、
短時間で、しかも混乱することなしに正解できると思います。






では(2)はどうでしょうか。


(2)右の図は、三角形ABCと半径が9cmの円の一部と半径が3cmの円の一部を組み合わせた図形です。PからQまでの曲線の長さはQからRまでの曲線の長さの5倍です。このとき,図の(あ)の角の大きさは(エ)°、(い)の角の大きさは(オ)°、斜線部分の面積は(カ)cm2です。








下の図の▲や●の角の大きさをそれぞれ求めることは無理そうだから…
という問題では、「和や差」に着目しますね。




▲+●=160°と「角の大きさの和」がわかっているので、
あとは「角の大きさの比」を
「半径9cm、半径が3cm、PQはQRの5倍」を利用して
求ればよいことに気づけます。


「和差比の法則(和・差・比のうちの2つがわかれば解ける)」です。





ですから、
(エ)=25×5=125、
(オ)=25×3=75、
(カ)=9×9×3.14×125/360+3×3×3.14×75/360=94.2
が求められます。




この問題は、次のような演習問題と同じ解き方ですね。

【問題】
「右の図で、点Pは3つの半円の中心、曲線あ(太線部)の長さは曲線い(太線部)の長さの3倍です。中心角アの大きさを求めなさい。」






演習するときに、




という「見た目」の解き方ができたお子さんは、
弧の長さ=半径×2×円周率×中心角/360という計算式から、
「弧の長さは、半径と中心角に比例する」ことを発展的に学ぶ
ようにすると、
先ほどの大問1-(2)のような問題も簡単に解くことができます。




御三家のような難関中を目指すお子さんは、
○○という解き方ができれば、さらに一歩進んだ☆☆という解き方…
のように、
発展学習をすることで応用力育成の第一歩を踏み出すようにします。


「正解できればいい」から「○○のように考えることができる」という、
結果重視の学習方法から過程重視の学習方法に切り替えていくということです。




大問1と比べると、
大問2は開成中受験者にとっては「サービス問題」だったと思います。



大問2 図1のような立体を「三角すい」といい,その体積は,(底面の三角形の面積)×(高さ)÷3で求めることができます。図2のような底面が正方形の直方体があります。辺AEを3等分する点をAに近い方から順にP,Qとします。図3は,この立体を真上から見た図と,真横から見た図です。この立体から,まず三角すいPEFHを切り落とし,さらに三角すいQABDのうち残っている部分を切り落としました。

(1)でき上がった立体を,真上から見た図と真横から見た図はどのようになりますか。図3にならって,解答欄の図にかきこみなさい。

(2)図の1目盛りは1cmであるとします。でき上がった立体の体積を求めなさい。








開成中では頻出分野の「立体 2回切断」です。


失点する危険な箇所は1カ所だけです。


図2を見ると三角すいPEFHの方が三角すいQABDより小さいように見えませんか?


ここで図3を使ってQA=PE=4cmを確認すれば、
三角すいPEFHと三角すいQABDは合同だとわかりますから、
小問は2つとも正解できると思います。


見取り図を書くと




です。


見取り図を間違えたお子さんは、
2回切断のポイント「1回目の切断線と2回目の切断線の交点を結ぶ」
ができているかどうか確認しましょう。




真横から見ると




の赤い面を見ることになるので、切断されると




となりますから、




が(1)の解答です。

(2)は、(1)で見取り図がわかっていますから、




のようにして、計算できます。


相似比や体積比を利用すると




となるので、
4cm×4cm×1/2×6cm×(576-64×2+1×2)/576=37.5cm3
で、体積が求められます。




難関中を受験するために、
大問2のように「難度が高くても定番」の問題は
短時間で解答できるようになっておきたいものです。


これからの演習の機会を通して、
「この定番問題は○○という条件があるから、☆☆のように解く」という、
解法選択の理由もきちんと身につけていくと、
大問1のように定番の問題を少し変えられても対応が可能になると思います。

中学入試の算数問題2014年02月08日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。