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『2014年度 中学入試問題分析』10 正三角形と正六角形の応用

中学入試の算数問題2014年03月15日18時00分
第173回 2014年度入試分析「正三角形と正六角形の応用」 ~10~



麻布中(SAPIX 2014年度入試 合格可能性80%偏差値60)




今回は男子御三家から麻布中2014年度の入試問題をご紹介します。


入試は4教科で行われ、応募者875名、合格者398名でした。
また、合格最低点(200点満点)は105点で昨年の98点よりも高くなりました。


算数の試験時間は60分で満点は60点、
問題数は昨年と同じ大問6題(小問数13問)でした。


出題分野は麻布中でよく出される、
速さの問題、数の性質の問題、場合分けの問題、正六角形・正三角形 が
すべて出題されました。



大問1 数の性質と場合の数
大問2 平面図形(図形の転がり移動)
大問3 速さと比(電車と人のすれ違い)
大問4 比と割合の文章題(食塩水の濃さ)
大問5 数の性質
大問6 平面図形(正三角形と正六角形)


これらの問題難度をA(平易)~B~C(難問)で分類した場合、

大問1 B
大問2 A
大問3 B
大問4 B
大問5 (1)A (2)B (3)B (4)C
大問6 (1)A (2)A (3)B、C (4)C

となり、難問が多かった前年の問題と比べると、
平均的な問題、やや難しい問題、かなり難しい問題が
バランスよく出題されたように思われます。




これらの問題の中から今回は、誘導形式が美しい大問6をご紹介します。


大作ですが、問題の前半は作図問題です。
少し難しいとは思いますが、新5年生でもチャレンジ可能です。




麻布中 2014年度

大問6
下図の点線は平面を同じ大きさの正三角形でしきつめたものです。また、下図で表されるような位置に、点O、点X、点Y、直線XYがあります。




点Yを中心にして、直線XYを反時計回りに60°回転させたとき、点Xが移る先の点をZとします。以下の問いに答えなさい。

(1)点Zを答のらんに黒丸で書き入れなさい。また、書き入れた黒丸の近くにZと書きなさい。

(2)角XOZの大きさを答えなさい。ただし、下図において角JKLとはアの角を表すものとします。




(3)EPとPFの長さの比、およびAQとQBの長さの比を、できるだけ簡単な整数の比で表しなさい。




(4)四角形AQPFの面積は、正六角形ABCDEFの面積の何倍になりますか、分数で答えなさい。










さっそく作図問題から取りかかりましょう。


(1)この問題が直線XYではなく、
もし直線イYの60°回転でしたら、作図は簡単ですね。




マス目状の正三角形を上手に使うには、
問題図の直線XYを、
回転させやすい直線を辺とする平行四辺形の対角線として
回転させるといいですね。


すると、下の図のように「Z」の位置がわかります。




(2)求めなければいけない角XOZをつくるために、点Oと点Zを結んでみます。




直線ZYは(1)で直線XYを回転移動させて作図したのですから、
直線ZYと直線XYの長さは同じです。


点Oは直線XYのまん中の点ですから、
三角形OZYは60°をはさむ2つの辺の長さの比が1:2となるので、
いわゆる
「30°問題(正三角形を2つの合同な直角三角形に分割することを利用する問題)」
の直角三角形とわかります。




ですから、答えは90°です。


また、この問題は、




のように考えておくと、次の(3)が考えやすくなります。


(3)はこれまでの小問とまったく関係ないようにみえるのですが、
問題条件の「折る」から何がわかるかを考えたとき、
(1)、(2)の意味がわかるように作問された、
いかにも麻布中らしい、華麗な誘導形式の問題です。


中学の入試問題で「折る」とあれば、

「折る
→ 線対称移動
→ 合同、対称の軸が補助線、対称の軸は線対称な2点を結ぶ直線を垂直に二等分する」


を思い出さなければいけません。


このことを(3)の図に書き込んでみると、




のようになり、見事に(2)の図(赤線部分の一部)が浮かび上がります。、


そこで問題文中の図(小問1の上の図)に、(1)~(3)を全部書き込んでみると、




のように、ピッタリはまります。


これによって、EP:PF=1:1がわかります。


また、




から、BQ:QR=1:3、BR=RA もわかります。


ですから、AQ:QB=(3+1+3):1=7:1です。


(4)は(3)を正解できれば簡単ですし、(3)が解けなければ正解は困難です。

求める部分は次の図のようになります。




正六角形を区切る直線の両端点P、点Qが
正六角形の辺上にありますから、
「延長して正三角形をつくる」
という隣辺比解法
がよさそうです。


もちろん、三角形に区切って求めてもOKです。



(3)でわかった比を図に書き込み、
「隣辺比」の考え方と「正三角形の面積の6倍=正六角形の面積」
を利用すると、




となり、116÷384=29/96が求められます。




麻布中の正三角形と正六角形を組み合わせた問題には、
この問題のように「正三角形をマス目として利用する」ものがあります。


これから受験に向かう場合、
普段の演習を「形状が近いからマル」という曖昧な答え合わせから、
「マス目や目盛りを活用したフリーハンドによる正確な作図」に進化させ、
御三家クラスの難問に正解できる力を育てていきましょう。

中学入試の算数問題2014年03月15日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。