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『2014年度 中学入試問題分析』8

中学入試の算数問題2014年03月01日18時00分
四谷大塚「予習シリーズ」の6年生用が改訂になり、
第171回 2014年度入試 ~8~





桜蔭中(SAPIX 2014年度入試 合格率80%偏差値62)




今回は桜蔭中の2014年度の入試問題をご紹介します。


入試は4教科で行われ、受験者501名、合格者262名でした。
(点数に関するデータは非公開です。)


算数の試験時間は50分で満点は100点で、
今年度は大問5題、小問数の合計は15問でした。


大問Ⅰ 小問集合(計算問題2問、植木算、比と割合の文章題)
大問Ⅱ 図形の移動(長方形の転がり移動)
大問Ⅲ 数の性質(倍数、○で割って☆あまる数の利用)
大問Ⅳ 立体図形(水の問題)
大問Ⅴ 規則性の問題


これらの問題難度をA(平易)~B~C(難問)で分類した場合、

大問Ⅰ A×4
大問Ⅱ A×2
大問Ⅲ A×2
大問Ⅳ (1)A、(2)A、(3)B
大問Ⅴ (1)C、(2)B、(3)-①C、②C

となり、例年に比べ、計算量、問題の難度とも易しかったように思われます。


大問Ⅴは正解できそうでなかなか大変な問題なので、
大問Ⅳまでの失点を以下にしないかが大切な入試でした。





そこで今回は、
もしかしたら間違えてしまった受験生がいたかもしれない問題を2問ご紹介します。
問題は新6年生でも挑戦可能です。


桜蔭中 2014年 入試問題 算数


大問Ⅰ-(4)
Aさんは、日曜日にバスと電車を乗りついで楽器を買いに行きました。Aさんの自宅から楽器店までは、片道のバス料金が250円、片道の電車賃が1190円かかります。楽器店では、閉店セールを行っていたため、すべての楽器が半額でした。しかし、平日に買うと、さらに3割引きになるということがわかりました。定価が何円以上の楽器のとき、今日の楽器の代金より、平日に出直した時の交通費と楽器代を合わせた金額の方が低くなりますか。ただし、楽器の定価は100の倍数とします。








問題文の「今日の楽器の代金より、平日に出直した時の交通費と楽器代を合わせた金額」から、






のようになるので、③=2880円 → ⑳=19200円…楽器の定価 です。


ここで注意が必要なのは、
「定価が何円以上の楽器のとき、
今日の楽器の代金より~低くなりますか。
ただし、楽器の定価は100の倍数とします。」
です。


19200円の時は「等しく」なるので、「より低く」にはなっていません。
ですから、答えは19300円以上です。




いかがでしたでしょうか。


「もしかしたら間違えて~」と事前予告していますから、
チャレンジされた皆さんは慎重に正解までたどり着けたことと思います。


これからの模擬試験や入試本番でも同様の慎重さを発揮して下さい。




では、もう1問。


大問Ⅳ 下の図のような直方体を組み合わせた形をした水そうに深さ50 cmまで水が入っています。この水そうに毎秒3cm3ずつ水を注入します。また、1辺の長さが1cmの立方体の形をした重りを、水を注入し始めてから10秒後に1個、20秒後に3個、30秒後に5個、40秒後に7個…のようにしずめていきます。重りは完全に水の中にしずむとし、しずむためにかかる時間は考えないものとします。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)水を注入する前、この水そうにはあと何cm3の水が入りますか。
(2)水を注入し始めてから405秒後、あと何cm3の水が入りますか。
(3)この水そうが水でいっぱいになるのは、水を注入し始めてから何秒後ですか。






おなじみの「水の問題」です。


水問題は
「正面から見た図(水位や水面の面積の変化がわかる向きから見た図)を書く」
というのが解き方の大原則です。


(1)





始めは図のような状態ですから、アの体積を求めます。


700cm2×1.5cm+600cm2×3.5cm=3150cm3


(2)405秒間に入った水と重りの体積を求めます。


3cm3/秒×405秒=1215cm3…水の体積

おもりはの個数は、

のように「奇数列」なっていますから、
重りの個数の和は奇数列の和の公式で求められます。






400秒後までに40回沈めていますから、40×40=1600(個)→1600cm3

ですから、
3150cm3-(1215cm3+1600cm3)=335cm3が(2)の答えです。


ここまでは大丈夫ですね。


いよいよ間違えたくない(3)です。


(3)重りを10秒ごとに入れることを考えると、
いったん「400秒後」に戻す方が計算しやすそうです。


335cm3+3cm3/秒×5秒=350cm3…400秒後に残っている容器のすき間


410秒後…3cm3/秒×10秒+(41×2-1)cm3=111cm3
420秒後…3cm3/秒×10秒+(42×2-1)cm3=113cm3
430秒後…3cm3/秒×10秒+(43×2-1)cm3=115cm3

となり、残りは 350cm3-339cm3=11cm3 です。


440秒後に重りを入れるまでに、水はいっぱいになりますから、
430秒+11cm3÷3cm3/秒=433(と)2/3秒後が正解です。


規則的なくり返しのある問題は、
この問題の(3)で10秒刻みで調べたように、
最後の部分を丁寧に調べることが間違わないコツです。





ちなみに、大問Ⅴは
「ゴンドラが1つ分移動する時間(5/16分)から計算」
してもいいですし、
「東京駅を午前10時に発車する下りの新幹線は新大阪駅に到着する午後0時30分までに、新大阪駅を発車する上りの新幹線と何回すれ違いますか。ただし、上りの新幹線は新大阪駅を午前6時10分から15分おきに発車しています。また、新幹線は上りも下りも同じ速さで走行し、途中の駅には停車しないものします。」
という問題と同じような考え方だと
「答えの1ずれ」を防ぎやいと思います。


機会があればご紹介したいと思います。

中学入試の算数問題2014年03月01日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。