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2015年度 中学入試に向けて 1

中学入試の算数問題2014年03月29日18時00分
2015年度 中学入試に向けて
第175回 「場合の数 1」


白百合学園中(日能研 2014年度入試 合格可能性80%予想偏差値63)







春休みに苦手を克服しておきたいといわれる単元の1つに
「場合の数」があります。


この「場合の数」は
多くの受験生が受験直前まで苦手意識を持ち続けることが多い単元です。


今回は、そんな「場合の数」を克服する方法を考えてみたいと思います。


「場合の数」の解き方の基本は「順に調べる」です。


順々に1列に書き出しながら、
見やすく=数えやすくするために「改行」します。
「改行」の代わりに「表」に整理してもOKです。


この「改行」や「表」の先にあるのが「樹形図」です。


「場合の数」を初めて習ったときに
「改行・表・樹形図」を身につけておくと、
その次に習う「和の法則・積の法則」がすっと理解できます。


その「和の法則・積の法則」を身につけておくと、
そのあとで学ぶ「場合分け」が理解しやすくなります。


その上で「特殊な解き方」を学ぶと、
「場合の数」の通常の考え方で解ける問題と
解けない問題との違いを見極めることができるようになり、
問題の取捨選択ができるようになります。


その結果、「場合の数」での得点力を安定させることが可能になるのです。


つまり、「場合の数」の得点力を安定させていく学習は、
次のような階段を上がっていくイメージです。




「場合の数」の問題で得点が安定しないお子さんは、
この階段を上りきっていないと考えることができると思います。




では、お子さんがどの階段まで上がっているかが確認できる問題を、
2014年度の入試問題からご紹介します。




【書き出しが身についているかを確認する入試問題】


2014年度 白百合学園中 入試問題より

大問2
百合子さんは遠足のお菓子を買いに行くのに、次のように計画を立てました。
① 買い物に使うお金は500円として、お金は全部使う。
② 同じ種類のお菓子は2個以上買わない。



(1)お菓子の種類が、右の表のとき、お菓子の買い方は全部で何通りありますか。


(2)100円のお菓子の種類が1つだけ増えると、お菓子の買い方は何通り増えますか。








「場合の数」で一番大切なことは「順序よく調べる」ということです。
「大きい方から順に~」や「右から順に~」などの調べ方です。


(1)を解くために、表を書いてみます。
値段の高いものを買えば個数が少なくなるので、
「値段の高い順に」という調べ方
をしてみます。


この表から(1)の答えは5通りとわかります。


お菓子すべてを買うと700円なので、
「200円分のお菓子を買わない方法を考える」という工夫をすると、
500よりも値が小さい200で調べますからミスしにくくなり、ベターです。





(2)も(1)の買わないお菓子について調べましょう。


100円のお菓子の種類が1つ増えると、
お菓子は全部で800円分になりますから、
買わないお菓子は300円分となります。




順序よく調べるということは、
例えば、まずクッキーの詰め合わせを買わないと…、
次におせんべいを買わないと…、
ということですから、
上の表のように数字がそろう箇所(赤い数字)が現れます。


順序よく表に整理できてるかどうかは、
このような「数字の並び」からもわかります。



この表から12通りとわかりましたので、
12-5=7(通り)増えました。




この問題は5通りや12通りと小さい値でしたから、
順序よく調べなくても正解できたかもしれません。


しかし、「場合の数の階段」を上っていくためには、
「順序よく」という基本は守るように気をつけてあげるようにしましょう。





もうひとつ、確認用の問題をご紹介します。




【樹形図が身についているかを確認する入試問題】


2014年度 渋谷教育学園幕張中 入試問題より

大問1
あるラーメン屋では毎週水曜日にセットメニュー500円セールを実施しています。ある水曜日、開店前に8人の客が待っていました。8人の客のうち4人は500円玉だけ、他の4人は1000円札だけもっていました。このラーメン屋にはおつりに使う硬貨は1枚もなかったので、おつりが不足しないように500円玉と1000円札を1人ずつもらう順番をうまく工夫して販売しました。このとき、500円玉と1000円札をもらう順番は全部で何通りありますか。ただし、8人の客はそれぞれ1セットしか注文していません。(一部改題)








おつりに使う硬貨がないのですから、
1人目の人は500円玉で支払ったことがわかります。


するとおつり用の500円玉が1枚できたことになるので、
2人目は500円玉で支払っても、1000円札で支払っても大丈夫です。


このように考えていくと、樹形図で表すのが良さそうだと気づきます。



※図の赤い数字のところで、おつりがなくなりますので、
そのあとは必ず500円玉での支払いとなります。


樹形図から、14通りとわかります。




「順に調べる」ということができていれば、
この樹形図を書くことも決して難しくはないと思います。


それぞれの確認問題で正解できなかった場合は、
もう一度「順に調べる」ということのおさらいをしておくとよいでしょう。


ところで、この問題には特殊な解き方がありますので、
最後にご紹介しておきます。


この問題のポイントは、
おつりが0枚より少なくなってはいけない
という点です。


このような問題で求められる数を「カタラン数」と呼び、
受験勉強では「道順解法」で解く
ことを習います。


8人のお客を順にア、イ、…、クとし、
500円玉で支払った場合は青矢印の向きに1区間、
1000円札で支払った場合は赤矢印の向きに1区間進むとします。


例えば、「ア~エの4人が連続して500円玉で支払い、
残りのオ~クの4人が連続して1000円札で支払う」ということは、
次の図のように表されます。





また、
「ア~ウの4人が連続して500円玉で支払い、
エは1000円札、オは500円玉、
残りのカ~クの3人は連続して1000円札で支払う」ということは、
次の図のようになります。





このように考えていくと、
お金の支払い方は下の図のような道順で表されます。




この道順でAからBまでを最短距離で進めば、
500円玉で支払った人が4人、1000円札で支払った人が4人、
そしておつりがなくなることがない場合の数が求められます。




今回は、
書き出しができるようになっているか、
樹形図が使えるようになっているかが
確認できる入試問題をご紹介しました。


次回も「場合の数の階段」から、
和の法則・積の法則の確認問題をご紹介したいと思います。

中学入試の算数問題2014年03月29日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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