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2015年 中学受験対策 場合の数

場合の数の練習問題2014年04月26日18時00分
第179回 「場合の数 5」




駒場東邦中(日能研 2014年度入試結果R4 偏差値66)


今回は「場合の数」の苦手克服の第5回、「場合の数 公式の利用」がテーマです。


場合の数には覚えておくと便利な公式がいくつかあります。
ポイントとなるのは、公式の成り立ちまで理解するか、
使い方だけを覚えておくか、
どの段階まで学習するかを決めることです。


場合の数の公式は「数学的な要素」を多く含んでいますので、
理解できそうだなと思う公式はその成り立ちまで勉強しておくと良いと思います。


今回ご紹介する2014年度の入試問題も、
理解しているならば○○、覚えているだけなら☆☆というように、
マスターの段階に応じて解き方がある問題となっています。


樹形図まで場合の数を学習していれば、途中まででも挑戦可能な問題です。




2014年 駒場東邦中 入試問題 算数


大問3
毎月行われるパーティーでは、すべての参加者が他の参加者全員と1回ずつ握手をすることになっています。その握手の回数の合計を考えます。例えば参加者が3人のときは握手の回数の合計は3回、4人のときは6回になります。

(1)参加者が6人のときは握手の回数は合計何回になりますか。

(2)ある月の握手の回数の合計は308の倍数でした。この月の参加者は少なくとも何人でしたか。

(3)今月の参加者は先月の参加者の2倍でした。今月,先月の握手の回数の合計をそれぞれa回,b回とすると,aをbで割ったときの余りは12でした。このとき,今月の参加者数とaの値をそれぞれ求めなさい。







駒場東邦中の入試には、
数学的な要素のある問題が出題されることが多いのですが、
本問もその1題だといえます。


ただし、問題の途中までは「書き出しながら考える」という、
どの中学入試にも通用する解き方でも、
正解にたどりつけるようになっています。



さて、問題文中のに「例えば~」は、
作問者が「この例をよく読んで、この問題のルールを理解して下さいね」
というメッセージ=大ヒントです
から、
しっかりとチェックしておきます。


そこで
「参加者が3人のときは握手の回数の合計は3回、4人のときは6回」
がどういうことかをまず考えます。




「参加者が3人のとき」
参加者をA、B、Cとすれば、




のようになるので3通りです。


「参加者が4人のとき」
参加者をA、B、C、Dとすれば、




のようになるので6通りです。




と、このように考えると「組み合わせ」の問題だとわかりますね。


「組み合わせは、いまいち…」というお子さんには、
握手する2人を決めるとき、
AがBに握手を求める(A→B)と、
BがAに握手を求める(B→A)の2通りがあるようにみえますが、
どちらも「AとBが握手」することに変わりがありませんから、
2通り÷2=1通り です、という復習をしてみましょう。


つまり、参加者が3人のときは、
握手をする1人目の決め方がAかBかCの3通り、
2人目の決め方が1人目以外の2通りなので
3×2=6通り
これを2で割って3通り という計算で求めます。


参加者が4人のときは、4×3÷2=6(通り)という求め方です。


さて、(1)は6人のときですから、
握手をする1人目の決め方が6通り、
2人目の決め方が1人目以外の5通りなので
6×5÷2=15(回)
という計算で求められます。


「組み合わせ」の公式を覚えていれば簡単ですし、樹形図でも求められます。




さて、この大問のように、問題文中の「例えば~」でルールを理解し、
小問(1)でルールを実際に使うことで問題のポイントを受験者につかませる、
というのが「誘導形式の大問」のパターンです。


そして(2)以降は
ここまでにわかったことを利用して解くことができるように
作られています。


小問(1)でわかったことは、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)÷2=握手の回数
ですから、
(2)は、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)÷2=308の倍数 で、
参加者が最も少ない場合
を答えます。


参加者が最も少ない場合なので、308の倍数が308の場合から考えます。


(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)÷2=308 ですから、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)=616 なので、
616を連続する2整数の積にすれば良いことがわかります。


25×25=625ですから、25前後の連続する整数であてはまるものを探します。


このとき、308×2=2×2×2×7×11 を同時に考えると、
7の倍数や11の倍数でなければいけないこともわかりますので、
25の前後であてはまる連続2整数がないことに気づきます。


308の倍数が616の場合、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)=1232 なので、
35×35=1225 1232=2×2×2×2×7×11 から、
35の前後であてはまる連続2整数はありません。


308の倍数が924の場合、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)=1848 なので、
45×45=2025 1848=2×2×2×3×7×11 から、
45の前後であてはまる連続2整数はありません。


308の倍数が1232の場合、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)=2464 なので、
50×50=2500 2464=2×2×2×2×2×7×11 から、
50の前後であてはまる連続2整数はありません。


308の倍数が1540の場合、
(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)=3080 なので、
55×55=3025 3080=2×2×2×5×7×11 から、
56×55がみつかり、参加者が56人のときが答えだとわかります。




ところで小問(2)は、
7×11=77 より、
参加者が77人未満であれば、
(1人目の決め方)×(2人目の決め方)÷2=7の倍数×11の倍数(順逆可)
になることを利用して、
7の倍数と11の倍数で連続する2数を探す
調べる回数を減らすことができます。


77未満では、11の倍数に着目すると
次の下線部で7の倍数と11の倍数で連続しています。

10、11、12…21、22、23…32、33、34…43,44、45…54、55、56…65、66、67


22人のときは、22×21÷2=3×7×11 で、308の倍数ではありません。

56人のときは、56×55÷2=2×2×7×5×11 で、
308の倍数となっていますから、56人が答えだとわかります。




小問(2)から、
(握手をする1人目の決め方)と(2人目の決め方)との差が1であることが
より意識できるようになりましたから、
「平方数の積で見当をつける」という、
数の性質の問題で利用する解法を取り入れると、
答えを見つけやすいことに気づけます。


そこで(3)はこのことを利用します。


「差が1である2整数の積と平方数との差」とくれば…、


「面積図の利用」です。


握手の回数a、bを求める計算は、「÷2」が含まれていましたから、
aやbを2倍しておくと、(握手をする1人目の決め方)×(2人目の決め方)となり、
面積図が書きやすくなります。




今月の参加者は先月の参加者の2倍で、
(今月の握手の回数a÷先月の握手の回数b)の余り=12ですから、
上の面積図はさらに下のように書くことができます。




上の図の赤色斜線の長方形は、a÷bのあまりである12の2倍なので、
②×1=24 から、②=24(人)…今月の参加者 がわかります。


ですから、今月の握手の回数は、
24×23÷2=276(回) つまり、a=276です。




この問題では、
□個のものから2個を組み合わせる計算式 □×(□-1)÷2 を覚えていると
(1)が簡単に解けます。


また、□×(□-1)が連続する2整数の積なので、
平方数で検討づけるという数の性質の解法と結びついていれば
(2)も比較的簡単になります。


さらに、
2014×2014-2013×2015 のような計算問題に
面積図の利用ができることと結びつけば、
(3)も時間をかけずに正解できます。


この点において、
今回の問題はお子さんの学習がどの段階までできているかを
点検することもできる問題だといえます。


この問題を通して、数の性質と場合の数の結びつきを知り、
今後の学習で、少し深く突っ込んだ勉強ができるようになれるといいですね。

場合の数の練習問題2014年04月26日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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