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2015年 中学受験対策 筑波大学附属駒場中 3

割合の練習問題2014年06月28日18時00分
第188回 「筑波大学附属駒場中 2014年」3





今回も「筑波大学附属駒場中 2014年」の問題研究 第3回です。


2014年の大問1、2は全問正解が十分に可能な問題でした。
全4問ですが、ここまでの2問を失点なく得点できた受験生が多かったことでしょう。


後半の2問はどうだったのでしょうか?




大問3 大きな水槽に、濃度12%の食塩水が1kg入っています。この水槽に、水と濃度12%の食塩水を、交互に次のように入れていきます。

1回目:水を入れて、水槽の食塩水の濃度を、水を入れ始める前の4/5倍の濃度にうすめます。うすまったら、濃度12%の食塩水を加えて、水槽の食塩水を2kgにします。

2回目:水を入れて、水槽の食塩水の濃度を、水を入れ始める前の4/5倍の濃度にうすめます。うすまったら、濃度12%の食塩水を加えて、水槽の食塩水を3kgにします。

以下同様に水と食塩水を交互に入れて、水槽の食塩水を1kgずつ増やしていきます。
そして、うすめるために一度に入れる水がちょうど1kgになったとき、その後は、食塩水と水を交互に1kgずつ入れ続けます。次の問いに答えなさい。

(1)水槽の食塩水が2kgになったとき、濃度は何%ですか。

(2)うすめるために一度に入れる水が、初めてちょうど1kgになったときを考えます。その1 kgの水を入れて、水槽の食塩水は何kgになりましたか。

(3)水槽の食塩水の濃度が最も低くなるとき、その濃度は何%ですか。












食塩水の濃さに関する問題です。


はじめに用意された食塩水の濃さや重さ、
加える食塩水の濃さがわかっていますから、
順々に計算できそうな問題です。


(1)の「水槽の食塩水が2kgになる」のは1回目の操作が終わったときであると、
問題本文に書かれています。


操作1の前半は、
「濃さ12%の食塩水1kgに水を加えて4/5倍の濃さにする」
です。


つまり、濃さを 12%×4/5=9.6% にすればよいのですが、
加えるものが水ですから、食塩の量は変化しません。

ですから、

1000g×0.12=120g…含まれている食塩の重さ
120g÷0.096=1250g…9.6%にうすまったときの食塩水の重さ

これに濃さ12%の食塩水を加えて重さを2kgにしますから、

2000g-1250g=750g…加える濃さ12%の食塩水の重さ
(120g+750g×0.12)÷2000g×100=10.5%

が、(1)の答えです。


もちろん、





のように整理して、

12%×35/40=10.5%

という求め方なら、さらに「good」です。


上のてんびん図や比で(1)を解くと、
うすめるために加える水の重さは
うすめられる前の食塩水の重さの1/4とわかります。

つまり、(2)は加える水の重さ=1kgのときなので、
うすめられる前の食塩水の重さ=4kgです。


操作のルールにより、
1回目の作業後は2kg、2回目の作業後は3kg、3回目の作業後は4kgとなりますから、
加える水の重さが1kgとなるのは4回目の操作のときです。


ですから、4kg+1kg=5kgが(2)の答えとわかります。


がんばって計算をするのではなく、比を利用して(1)を解いておくと、
(2)も簡単に解ける問題でした。



(3)も「がんばって計算」してもいいのですが、
(1)(2)が、(3)への「美しい誘導」になっていますので、
この誘導に乗っていきましょう。


問題文中の「うすめるために一度に入れる水がちょうど1kgになったとき、
その後は、食塩水と水を交互に1kgずつ入れ続けます」ので、
下線部がまさしく(2)のことですし、
後半の「その後は、食塩水と水を交互に1kgずつ入れ」という文は、
うすめる前の食塩水に濃さ6%の食塩水を加え続けるという意味です。


ですから、
(2)でできた食塩水が6%よりうすいときは
どんどん濃くなって6%に近づきますし、
6%より濃いときも
どんどんうすくなって6%に近づきます。



ということは
(2)の食塩水の濃さを求めれば(3)の答えがわかる
ということです。


(2)は4回目の操作ですから、表にすると下のようになります。





4回目の操作が終わった段階で加えた水の重さの合計は
0.25kg+0.5kg+0.75kg+1kg=2.5kg で、
はじめにあった濃さ12%の食塩水とそれに加えた濃さ12%の食塩水の重さの合計は
1kg+0.75kg+0.5kg+0.25kg+0kg=2.5kg です。


従って、4回目の操作が終わったときの濃さは6%です。


すでに5回目以降は6%の食塩水を2kg加えることと同じとわかっていますから、
それ以降の濃さは常に6%です。


ですから(3)で求める最も低い濃さは6%とわかります。




(2)(3)も(1)と同じような計算をして求めることが可能ですし、
筑波大学附属駒場中の受験準備をしてきた受験生のことですから、
おそらく加える水の重さなどの規則的な変化を予測して比を用いたことでしょう。


このように問題をみてくると、
「受験生のレベルに対して、問題のレベルが難しすぎて解けない」
ということはなかったと思われます。


このような出題の年は、計算間違いなどの失点が合否を分けかねません。


問題の読み間違いや計算まちがいをしないという「正確さ」も
大切だということがよく分かる問題です。



割合の練習問題2014年06月28日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。