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2015年 中学受験対策 大阪星光学院中

中学入試の算数問題2014年07月13日18時00分

第190回 「大阪星光学院中 2014年」




今回は「大阪星光学院中 2014年」の問題研究です。


算数は60分120点の試験です。


直近3ヶ年のデータは、平成24年→25年→26年の順に

受験者平均点 71.8点(59.8%)→69.5点(57.9%)→73.1点(60.9%)
合格者平均点 84.5点(70.4%)→89.0点(74.1%)→90.4点(75.3%)

となっています。(括弧内の数値は得点率)


受験者平均の得点率は約60%であまり変動はありませんが、
合格者平均の得点率は平成24年が他の2年と比べて
小問にして1問分ほど低くなっています。


問題の難度と見比べると、
基本レベルの問題と中級レベルの問題が多いと合格者の平均点が高くなり、
難問の問題数が多いと低くなっています。


このことは、合格者は中級レベルまでの問題を確実に正解することができ、
不合格者は中級レベルで失点をするということだと思われます。


最難関中の受験生の実力差は僅差ですが、
より正確に中級レベルの問題を正解できる受験生が合格できる受験生
ということです。


2014年の入試問題は、直近3ヶ年の中では基本レベルの問題数が多く、
全体の約53%を占めていましたので、ここでは差がつきません。


そこで、間違えると合格が難しくなる中級レベルの問題をみていくことにします。


中級レベルの問題は7問(小問数)あり、
そのうち4問以上正解できれば合格ラインに達すると思われます。




大問2 次のように、ある規則にしたがって分数が並んでいます。
26/2014 32/2007 38/2000 44/1993 50/1986 56/1979 …
ただし、約分は考えないものとして次の問いに答えなさい。
(1)(2)略
(3) 初めて1より大きくなる分数は□です。







規則性の問題の定番です。


「分子が6ずつ増え、分母が7ずつ減る」という規則です。


「初めて1より大きくなる分数」を求めるときは、
「分子=分母」として計算するのが基本
です。





(2014-26)÷(⑥+⑦)=152.9…
1より大きくなるのは「分子>分母」のときなので、
上の図の⑥が点線(赤)をこえなければいけません
から、①=153 です。

分子=26+153×6=944
分母=2014-153×7=943 なので、944/943が答えです。


分子と分母の差が13ずつ縮まっていくと考えても、もちろんOKです。




大問3 右の図において、三角形ABCは固定されており、台形DEFGは、3点A、G、Dがー直線上になるような位置にあります。台形DEFGはこの状態から毎秒1cmの速さで直線にそって矢印の方向に動きます。
(1)(2)略
(3) 点Fが点Bと重なるのは、台形が動き始めてからは□秒後です。このとき、2つの図形の重なった部分の面積は□cm2です。




図形の平行移動、これも定番です。


倒した台形を動かすのは少し珍しいと思いますが、
「点線が補助線」になっていて、
直角三角形の一部分を移動させていると思えば、練習の成果が発揮できます。


(3)の前半のように、平行移動の問題で時間を求める小問は正解が合格の絶対条件です。





上の図から、(8/3+12)cm÷1cm/秒=14 2/3秒後とわかります。


(3)の後半は下の図から、




12cm-(8cm-8/3cm)=20/3cm…ア
20/3cm:12cm=5:9 なので、9cm×5/9=5cm…イ とわかり、
6cm-5cm=1cm…ウ が求められます。


ですから、三角形の高さの比 エ:オ=1cm:(9cm-2cm)=1:7 とわかり、
1cm×(16/3cm×1/8)÷2=1/3cm2 となります。


8cm×6cm÷2×8/9-1/3cm2=21cm2が重なっている部分の面積です。


順々に計算すれば正解できる問題です。




大問4 右の図は、地面の上にサイコロを下段から順に9個、5個、1個とすき間なく積み重ねて固定したものです。ただし、1つのサイコロにおいて、向かい合う面の目の合計は7です。
(1)略
(2)見ることのできる面の目の合計のうち、最も小さい値を求めなさい。




さいころや積み木の積み上げ問題もおなじみの定番問題です。


(2)は「見えることのできる面」とありますから、
「見ることができない面」もあるわけです。


見えない面を含む問題では
「さいころプリン(さいころを上から押しつぶしたもの)」
が有効ですね。


底の面は見えないのですから、真上から見た図で考えます。


上の図から、
(1+7×2)+(1+2+7)×4+(1+2+3+1)×4=83
とわかります。




図を書けば正解はかなり確実でしょう。




大問5 ある一定量の水が入っている水槽があります、この水槽に一定の割合で1本のホースから水を入れながら、いくつかのポンプで水をくみ出します。次の①から④をもとに以下の問いに答えなさい。
① どのポンプも同じ時間にくみ出す水の量は同じです。
② ポンプ3つで水をくみ出す場合は、10分で水がなくなります、
③ ポンプ4つで水をくみ出し、2分たった時点で、ポンプ1つが6分30秒でくみ出せる量の水を加えると、その後7分で水がなくなります。
④ ポンプ8つで2分間水をくみ出すとその時点で20リットルの水が残ります。
(1) 1分あたりに1本のホースから入る水の量は、ポンプ1つが1分あたりにくみ出す量の□倍です。

(2) 最初に水槽に入っていた水の量は□リットルです。

(3) ③において、加えた水の量は□リットルです。







ニュートン算です。


ニュートン算は上級レベルの定番問題ですが、
解き方が決まっていますから、上級とはいえ正解したい問題です。


着眼点は、条件の②で水が加わることです。


くみ出す水量が変動するタイプのニュートン算は、
「のべ」で立式するのが解き方の基本方針
です。


おなじみの牛の問題で
「牛1頭が1日あたりに食べる草の量を①」とするのと同じように、
ポンプ1台が1分間にくみ出す水の量を①とします。


そして、
「くみ出した水の総量=はじめに水槽に入っていた水量+注ぎ入れた水量」
という式や線分図を書いて解きます。





上の図から、
ホースから1分間に入る水量×1分=㉚-(㊱-○6.5)=○0.5
つまり、ホースから1分間に入る水量=○0.5 とわかります。


ですから、(1)の答えは0.5倍です。


(2)は、
㉚-○0.5×10分=㉕…はじめに水槽に入っていた水量
①×8本×2分+20リットル=㉕+○0.5×2分 → ⑩=20リットル
とわかりますから、はじめに水そうに入っていた水量=㉕=50リットルです。


(3)は、①×6.5分=○6.5=13リットルです。


(1)で①=2リットルがわかってしまえば、あとは非常に簡単です。


ニュートン算のように特殊算、いわゆる文章題は(1)を正解できると、
以下の小問も正解できる
ように作られています。


逆に言えば、
(1)を間違えると「芋づる式」に以下の小問を間違えてしまい、
点数に大きな差
がついてしまいます。




2014年の大阪星光学院中の入試問題は
基本レベルの問題、中級レベルの問題でほとんどを占めていました。


その中級レベルの問題もいわゆる「定番」の問題でしたから、
合否を決めたのは「問題を解く精度」=練習したことのある問題で失点しない力
だといえます。


この力は多くの中学入試に必要とされる力です。


もうすぐ夏休みです。


この長期休暇では目標を「問題を解く精度を高める」とし、
そのために何が不足しているかを夏休みが始まる前に見つけ、
夏休みにすることを見つけておけるといいですね。

中学入試の算数問題2014年07月13日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。