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塾テスト研究 SAPIX・浜学園 3

受験算数と塾の使い方2014年08月16日18時00分
第195回 「塾テスト研究 SAPIX 小4」1




この2回は、大手進学塾の5年生のテストについて考えてみました。


今回は、最近ご相談メールが増えている
4年生のテストについて考えてみようと思います。


先月から今月にかけてSS-1に送られてくる4年生のご相談メールに、
「がんばって勉強しているが成績があがらない」
「宿題をしているがテストの点数がよくない」
という内容のメールがあります。


ご相談のあったお子さん達はどんなテストを受けているのでしょうか?


そこで、首都圏の大手進学塾であるSAPIXの
4年生のテストをご紹介していきます。


SAPIXの4年生も高学年と同様に、
マンスリー、組分け、オープンなどのテストがあります。


次の表はある年の8月マンスリー確認テストと、
年に1回、10月に実施される実力診断サピックスオープンの問題を
一覧にしたものです。




上の表からさらに、
問題のレベルと解き方をまとめると次のようになり、
マンスリーとオープンでは得点をするために必要な力が
別のものである
ことが見えてきます。







マンスリーは、
「公式」つまり正解までの処理が1回出とける問題が全体の1/2を占めており、
「計算」問題とあわせると約75%となっています。


一方オープンは、
「公式」の出題割合が、「計算」問題とあわせても全体の1/3しかなく、
問題の約46%は「整理」つまり複数の解き方を組み合わせて解く問題
となっています。



このことは、
4年生のマンスリーで成績不振でお困りの場合、
得点の土台となる「公式」が十分に定着していない、
計算力が不十分な可能性があることになります。


そのようなお子さんがオープンを受験すると、結果は…。


そこで、この長い夏休みを利用して、
基本問題を中心に「穴」をふさいでいくことが最重要です。


また、マンスリーはまずまずなのにクラスが上がらないという場合、
上手い解き方を発見できなくても「書き出し」で正解できる問題や
「整理」して解く問題の得点力が不安定ということになります。


このようなお子さんがオープンを受験した場合は、
マンスリーの半分位の点数になってしまい、
とても驚くことになるかも知れません。


というのもこのケースでは「書き出し」や「整理」の力が不足しているのに、
オープンの70%近くがこの系統の問題だからです。


そこで10月のオープンまで、まだ時間がありますから、
「書き出し」や「整理」の力がつく練習をすることになります。


「書き出し」力を強化するポイントは、「場合分け」にあります。


問題を1問、ご紹介します。


【問題1】0、1、1、2、2、2の6枚のカードのうち3枚のカードを並べて3けたの整数をつくります。全部で何通りできますか。(8月マンスリーより)







場合の数の基本は「小さい順(または大きい順)」に書き出していくことです。
樹形図はその代表ですね。マンスリー対応ならばこれでOKです。





そこで樹形図がかけるお子さんは、ワンランク上の場合分けを練習します。


使うカードの種類で場合分け
(1) 3種類のカードを使う場合…(0,1,2)→102、120、201、210 の4通り
(2) 2種類のカードを使う場合…(0、1、1)→101、110の2通り
(2) 2種類のカードを使う場合…(0、2、2)→202、220の2通り
(2) 2種類のカードを使う場合…(1、1、2)→112、121、211の3通り
(2) 2種類のカードを使う場合…(2、2、1)→122、212、221の3通り
(3) 1種類のカードを使う場合…(2、2、2)→222の1通り
全部で、4+2+2+3+3+1=15通りです。


この考え方は「ヌケモレ」がおきにくいので正解できる可能性も上がりますし、
また場合分けの後は計算でも解けるので、
テストのレベルが上がっても対応が可能になります。




オープンに向けて、なぜこのような練習が必要なのでしょう?


同じ単元の問題2問を比較してみましょう。


【問題2】1,2,3の数字をあるきまりにしたがって,下のように全部で170個を並べました。170個の中に2は全部で何個ありますか。
1,2,2,3,3,3,1,2,2,3,3,3,1,2,2,3,3,3,1,…
(8月マンスリーより)







「群数列」の問題です。


(1,2,2,3,3,3)の6個1組ですから、
170個÷6個=28組あまり2個 より、2個×28+1個=57個とわかります。


この同じ群数列がテーマとなっているのですが、
オープンでは次のような問題として出題されています。


【問題3】下の図のように、直角三角形ABCを矢印の方向にすべらないように転がしていきます。はじめの位置から1回転がした図形を①、2回転がした図形を②、3回転がした図形を③、…として、きまりにしたがってすすんでいきます。このとき、下の図の中にある「横の長さ」について考えます。
次の問いに答えなさい。
(1) 三角形ABCを4回転がしたとき、「横の長さ」は何cmになりますか。

(2) 「横の長さ」が100cmになるのは、三角形ABCを何回転がしたときですか。

(3) 三角形ABCを何回か転がしていき、①のときも含めて①と同じ向きになることが10回になりました。「横の長さ」が最も長くなるとき、「横の長さ」は何cmですか。
(10月オープンより)







どちらの問題にも「きまりにしたがって」という言葉が出てきますが、
マンスリーでは数列が例示され、
オープンでは「図形」という迷彩がかかっています。


上の図を






のように書き換えると、
(5cm、3cm、4cm)をくり返す群数列の問題だとわかります。


これができるようになるためには
「規則性の問題は表を書いて規則を発見しやすくする」という鉄則を、
学習に取り入れることが必要
です。


この問題も、表からわかる規則を使えばそれほど難しくはありません。


(1) 3回転がすことが1セットで、1セットあたりの「横の長さ」は12cmなので、
4cm+12cm+5cm=21cmが答えです。

(2) (1)から、4cm+12cm×□セット+○cm=100cm を
考えれば良いことがわかっていますので、
4cm+12cm×8セット+0cm=100cm から、3回×8=24回       
が求められます。

(3) ここまでくれば(3)も簡単です。 4cm+12cm×10セット=124cm




この問題を群数列ととらえて処理するのと、
図を書いて考えるのでは、
かかる時間も正解の可能性も異なります。

また、小問(3)まで解けるかどうかも違ってきます。


オープンのようなレベルの高いテストでも高得点を取るには、
「正解できたのだから解き方のチェックなんかしなくても大丈夫」ではなく、
マンスリーのように比較的点の取りやすい問題でも、
返却答案と解説を照らし合わせ、
解き方が最善だったかどうかを検討することが必要です。


もちろん、デイリーの学習も同じです。


4年生の後半にさしかかり、
上位クラスの維持あるいは上位クラスへの昇級を目指すお子さんは、
学習方法を「解ければOK」から「最善の解き方かどうかのチェック」へ
ステップアップ
していきましょう。

受験算数と塾の使い方2014年08月16日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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