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速さ 2014-02

速さの練習問題2014年09月27日18時00分
第201回 「小5の学習 速さ2」




前回は速さの問題を解法の組み合わせと難度によって分類し、
速さと比を学ぶ前に必要な準備について考えました。


今回も入試に向けた、5年生時点での「速さの学習」について考えます。


速さの問題は、次の3つのレベルに分類できました。

初級問題:速さの特殊算
中級問題:条件を整理して解く特殊算
上級問題:条件を整理し、速さの特別な解法を用いて解く特殊算



この方法で首都圏の難関中の2014年度 入試問題を分類してみます。



上記の中学の2014年度入試問題に関しては、
特殊な解法を必要とする上級問題の出題はありませんでした。


また、線分図は使いますが「初級」レベルの早稲田中、
「中級」には位置づけましたが比較的解きやすい武蔵中の2問は、
「速さと比」「線分図やダイヤグラム」を学んだ5年生でも
解くことができそうです。


どんな問題だったのか、ご紹介します。


ぜひ挑戦してみて下さい。




2014年 早稲田中 算数 入試問題より

大問1-(3)
A地点とB地点の間にはまっすぐな道があり、48km離れています。太郎と次郎はA地点からB地点に向かって、花子はB地点からA地点に向かって、8時に出発しました。太郎は時速5km、次郎は時速8km、花子は時速9kmで進みます。次郎の位置が太郎の位置と花子の位置のちょうどまん中になるのは、何時何分ですか。








「真ん中」の問題は前回もご紹介しました。


線分図と比の利用で解くことができます。


3人の進んでいる時間が同じなので、「速さの比=距離の比」ですから、







となり、ア=③ なので、
⑤+③×2+⑨=48km → ①=2.4km → ⑤=12km ですから、
12km÷5km/時=2時間24分
8時+2時間24分=10時24分


前回同様、線分図と比を利用すると
「真ん中問題(標準)」は簡単に解くことができ
ました。


では、もう1問です。






2014年 武蔵中 算数 入試問題より

大問2
太郎君は花子さんと10時30分に駅で会う約束をしています。太郎君は9時40分に家を出発して一定の速さでバス停まで歩きました。予定ではバス停で3分間待った後、毎分550mの速さのバスに乗り、約束の時刻の11分前に駅に着くはずでした。しかし、バスが2分遅れてバス停に到着し、さらにバスの速さも毎分400mであったため、約束の時刻ちょうどに駅に着きました。太郎君の家からバス停を通って駅まで行く道のりは14.1kmです。次の問いに答えなさい。
(1) バス停から駅までの道のりは何kmですか。

(2) 太郎君が歩く速さは毎分何mですか。

(3) 太郎君がバス停まで後150mの所に来たときに、タクシーが駅を出発してバス停へ向かって毎分600mの速さで走り出しました。太郎君が実際に乗ったバスとこのタクシーが出会うのは何時何分ですか。また、出会うのは駅まであと何kmの所ですか。







時間の条件がたくさんありますから、ダイヤグラムを用いて整理します。





「2分遅れ」を「もし遅れなければ」と考えます。


これは
「故障しなければ」「休まなければ」と同じ解き方で、
「グラフを平行移動させると比の利用ができる」という、
ダイヤグラム解法におけるひとつの重要な「知識」
です。


ですから、





なので、
③=9分間 → ①=3分間
→ 10:30-(11分間+3分間×8+3分間)=9:52 が、
バス停に着いた時刻です。

550m/分×24分=13200m=13.2km…バス停から駅までの距離…(1)の答え

14100m-13200m=900m…家からバス停までの距離
9:52-9:40=12分間…家からバス停までの時間
900m÷12分=75m/分…(2)の答え


(3)の条件もダイヤグラムに記入してみます。


ダイヤグラムを利用する場合は「時刻」「時間」の条件を使いますので、
(900m-150m)÷75m/分=10分
→ 太郎君がバス停まで後150mの所に来た時刻は9:50

13200m÷600m=22分
→ タクシーがバス停に着く時刻は10:12





タクシーの動きを示す赤線とバスの動きを示す黒線の交点が「出会い」です。


同じ距離を進むとき、「速さの比は時間の比の逆比」なので、





より、
(10:30-9:50)×2/5=16分間…タクシーが出発してからバスに出会うまでの時間
→ 出会う時刻は10時6分と分かります。
※砂時計型(チョウチョ型)相似を利用してもOKです。

600m/分×16分=9600m=9.6km…出会った位置から駅までの距離




線分図に比べてダイヤグラムは書きやすい反面、
書いた後の着眼点で戸惑うお子さんもおられます。


このブログでもこれまで紹介してきましたが、
いくつかの着眼点は覚えておくことが必要です。


上記の武蔵中の問題でいえば、
・「もし休まなければ…」 → グラフを平行移動させる
・「山」「V字谷」 → 速さの比と時間の比は逆比

などのことです。


5年生でダイヤグラムを学習したときに、これらの着眼点を覚えることは、入試に向けた大切な「速さの学習」です。

速さの練習問題2014年09月27日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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