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塾テスト研究 SAPIX・浜学園 6

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受験算数と塾の使い方 2014年09月06日10時10分
第198回 「塾テスト研究 浜学園 小4」1





今回は、関西大手進学塾 浜学園の4年生の
「公開学力テスト」と「小4実力テスト」について、
どのような特徴のあるテストなのか、
どんな問題が出題されているのかを見ていきたいと思います。


まずは特徴です。


下の表は、ある年の9月に行われた浜学園の4年生の
「公開学力テスト」と「小4実力テスト」の
出題分野と難度を整理したものです。




公開学力テストは
原則として公立小学校で学ぶ範囲からの出題となっていますが、
実力テストは
浜学園の一般コースと最高レベル特訓の既習範囲からの出題であるため、
5年生以上の内容も出題されています。


浜学園の指導進度に近い学習をしていないお子さんが
実力テストを受けようと思うときは、
この点に注意が必要ですね。


問題を難度別に見ますと、





のようになり、
公開学力テストはA・Bレベルが全体の約56%、
実力テストⅠはB・Cレベルが全体の70%、
実力テストⅡはC・Dレベルが全体の55%を占め、
それぞれのテストの中心となっています。


ですから、9月の公開学力テストで60点くらいだったお子さんが、
浜学園で習ってきた内容を復習などの準備をしないで実力テストを受けると、
実力テストⅡでは30点程度になる可能性があるわけです。


また、実力テストⅠはCレベルまでが全体の90%を占めています。


言い換えると、比較的得点しやすい問題が多いので、
ここで取りこぼしが出ると順位や偏差値を大きく下げてしまう可能性もあります。


ただ、実力テストⅠは試験時間40分で問題数20問(Ⅱも同条件)ですから、
慎重になりすぎても「時間切れ」になることも考えられ、
適度な速度とまちがえない正確さの両方が求められる
厳しいテストだと言えるでしょう。




以上のような特徴のあるテストですが、
どのような問題が出題されているのでしょうか。


数問ご紹介してみますので、チャレンジしてみてくださいね。


浜学園 小4公開学力テスト 9月 より

大問2-②
あるお店は毎月第二日曜日の前の日がお休みです。このお店のお休みの日付は月によって変わります。最も早いときは(ア)日で、最も遅いときは(イ)日です。











「第★□曜日」という問題は、お子さんによって差がつく問題のひとつです。


「第二日曜日」の前の日は土曜日ですね。


この'土曜日が「最も早い」ということは、「第二日曜日も最も早い」はずですから…





というカレンダーが書けますので、(ア)は7日です。


同じように、第二日曜日が最も遅い場合を書いてみると、





のようになり、(イ)の13日が求められます。


このような問題は「日歴算」と呼ばれていますが、
4年生のうちは「カレンダーを実際に書いて考える」という学習方法が、
「放送日問題」など次のレベルにつながっていくと思います。




小問形式からもう2問、ご紹介します。


大問2-⑤
朝の10時から、同じ日の夕方の5時までに、時計の長い針(分針)と短い針(時針)は何回重なりますか。


大問2-⑦
4けたの整数375□は、4でも7でも割りきれます。□にあてはまる数を求めなさい。








大問2-⑤は「時計算」です。


時計算も日歴算同様、
4年生のうちは「時計を実際に書いて考える」という学習方法が、
本格的な入試レベルの時計算に役だっていくと思います。





同じように11時から12時までを考えると、
今度は12時ちょうどに重なるので、
「11時★★分には重ならない」
ということが分かります。


つまり、
10時台、12時台、1時台、…、4時台に重なるので、
答えは6回となります。




大問2-⑦は、□にあてはまる数が0~9の10通りですから、
すべて調べても良いのですが、
塾で「倍数判定法」を習っているのでしたら、
これをぜひ使ってみてください。


倍数判定法は、
「2の倍数」「3の倍数」「4の倍数」「5の倍数」
「6の倍数」「8の倍数」「9の倍数」「11の倍数」

の8つを使えるようにしておくと良いですね。


特に「6の倍数」の考え方は、
「12の倍数」や「15の倍数」など多くの倍数探しに役立ちますから、
大切です。


「6の倍数」以外の7つについても、
「なぜそのような探し方ができるのか」を知っていると、
「素因数分解」を利用する問題などの数の問題に使えます
ので、
「丸暗記」ができたら、
さらに「理由」まで理解するようにしましょう。


この問題ででてくる「4の倍数」は、
「下2桁が4の倍数または00」でしたから、
5□に着目すると、
「52」「56」
の2つについてだけ調べればOKとわかります。


3752÷7=536、3756÷7=536あまり4 ですから、□は2です。




浜学園の公開学力テストをみてみますと、
4年生では「図や絵、線分図や数直線を書いて考える」学習方法と、
「公式(知識)を覚え、その理由を理解する」という学習の
2点が求められている
と考えられます。


「暗記」だけで解ける問題もありますが、
5年生になったときのことを考え、
少しずつ「暗記一辺倒」から、
「理由も考える学習」へ切り替えていけると良さそうです。

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受験算数と塾の使い方 2014年09月06日10時10分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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