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ニュートン算と中学入試 2014-02

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文章題の練習問題 2014年10月18日18時00分
第204回 「2014年入試問題と小5の学習 ニュートン算2」


昨日はSS-1の関東3教室合同教科研修会に参加してきました。


若手からベテランまで多くの講師が出席する中、
指導方法や塾のテスト・入試の問題を研究しました。


このブログでも3ヶ月後の入試を控え、テストや入試問題について、
研修会で学びあった以上のことを書ければと思っています。


さて前回から、入試問題で失点したくない「定番問題」をみていますが、
今回も前回に引き続き、
「ニュートン算(ちょっと難しい版?)」をご紹介します。




2014年 大阪星光中 入試問題より

大問5
ある一定量の水が入っている水そうがあります。この水そうに一定の割合で1本のホースから水を入れながら、いくつかのポンプで水をくみ出します。次の①から④をもとに以下の問いに答えなさい。
①どのポンプも同じ時間にくみ出す水の量は同じです.
②ポンプ3つで水をくみ出す場合は、10分で水がなくなります.
③ポンプ4つで水をくみ出し、2分たった時点で、ポンプ1つが6分30秒でくみ出せる量の水を加えると、その後7分で水がなくなります。
④ポンプ8つで2分間水をくみ出すとその時点で20ℓの水が残ります。

(1) 1分あたりに1本のホースから入る水の量は、ポンプ1つが1分間にくみ出す水の量の何倍ですか。
(2) 最初に水そうに入っていた水の量は何ℓですか。
(3) ③において加えた水の量は何ℓですか。








ニュートン算は前回ご紹介しましたように、
「のべ算」「単位量」「グラフ」などの解き方があります。


どの解法が問題に最もマッチしているかを判断して解くことが、
時間の節約や正答率のアップにつながります。



この問題では「ポンプ1つが6分30秒でくみ出せる量の水を加える」ため、
「元々入っていた水の量が増加する」ことになり、
「くみ出し終わるまでの時間の最小公倍数」を用いる「単位量」は使えません。


また、
グラフに表すと「稲妻」のような部分ができるため、
こちらも処理が難しそうです。





ということで、
「元々入っていた水の量が増加する」ような場合は、
のべ算(線分図利用)が一番整理しやすそうです。





上の線分図から、
ホース×10分+⑥=ホース×9分+6.5○
がわかりますから、
ホースが1分間に注ぎ込む水の量は0.5○=1つのポンプが排水する水の0.5倍
が求められます。


「0.5」という小数が出てきたので、2倍して整数に直すとより安全です。

1つのポンプが1分間に排水する水の量=②
1つのホースが1分間に注水する水の量=①

すると、
②×3本×10分=始めに入っていた水+①×1本×10分
から、
始めに入っていた水=
が求められます。


ここまで求めることができれば、(2)は計算をするだけです。


-(②×8本-①)×2分=20ℓ ですから、①=1ℓ です。


したがって、始めに入っていた水50ℓ です。


(3)も、②×1本×6.5分=⑬=13ℓ と求められます。


少し難しいニュートン算ですが、
どの方法で整理すれば解きやすいかを決めることができれば、
あとは比較的楽に解くことができます。


この点から、
ニュートン算は複数の解法を押さえておきたい文章題と言えそうです。




もう1問ご紹介します。
ここまでのまとめ問題として、チャレンジしてみましょう。


2011年 開成中 入試問題より

大問2
西山動物園では、開門前に長い行列ができていて、さらに、一定の割合で入園希望者が行列に加わっていきます。開門と同時に、券売機を5台使うと20分で行列がなくなり、開門と同時に、券売機を6台使うと15分で行列がなくなります。また、もし閉門のときの行列の人数が50人少なかったとすると、開門と同時に、券売機を7台使えば10分で行列がなくなります。

(1) 開門のとき、行列の人数は何人でしたか。

(2) 開門と同時に、券売機を10台使うと何分で行列がなくなりますか。








「『行列の人数が50人少なかったとすると』とあるので、
さっきと同じように線分図にまとめよう。」という判断は正しいですし、
正解することも可能です。


しかし、良く比べてみると、大阪星光中の問題は
(ア) ポンプ3つで水をくみ出す場合は、10分で水がなくなります.
(イ) ポンプ4つで水をくみ出し、2分たった時点で、
ポンプ1つが6分30秒でくみ出せる量の水を加えると、
その後7分で水がなくなります。
(ウ) ポンプ8つで2分間水をくみ出すとその時点で20ℓの水が残ります。
の3つの条件の内、
「水の追加がない」「最後までくみ出す」のは
(ア)の条件1つしかありませんでした。


一方で開成中の問題では
・開門と同時に、券売機を5台使うと20分で行列がなくなる
・開門と同時に、券売機を6台使うと15分で行列がなくなる
のように、
2つとも「行列の増減がない」「待っている人がいなくなる」となっています。


ということは、最小公倍数を利用することも可能です。


(券売機5台-行列に加わる人数)×20分=始めに並んでいた行列
(券売機6台-行列に加わる人数)×15分=始めに並んでいた行列
なので、
始めに並んでいた行列=20分と15分の最小公倍数60○
となり、
60○÷20分=③=券売機5台-行列に加わる人数
60○÷15分=④=券売機6台-行列に加わる人数
から、
券売機1台=①、行列に加わる人数=②
も求められます。


券売機を7台使えば10分で行列がなくなるので、
(①×7台-②)×10分=
が、50人少ないときの行列ですから、
60○-=50人 → ①=5人
です。


ですから、
(1)は60○=5人×60=300人
(2)は60○÷(①×10台-②)=7.5分とわかります。


最小公倍数を用いる解き方は、線分図を書かない分、時間を短縮できます。


反面、何を求めたのかがわからなくなる危険もありますので、
基本問題で前回のような図をかいて、十分に理解を深めておくことが大切です。





この2問がそうであるように、ニュートン算は(1)を解くことができれば、
(2)以下は簡単に解くことができます。


言い換えると(1)が正解できるかどうかで、
大きく点差が開く問題でもあるのです。


しかし、ニュートン算の3つの解法、
特に
「のべ算(線分図)」
「単位量(最小公倍数)」
の2つの解法をマスターすれば、
少々難しいニュートン算でも全問正解を得ることが可能です。
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文章題の練習問題 2014年10月18日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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