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塾テスト研究「SAPIX 小5 サピックスオープン」

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受験算数と塾の使い方 2014年11月08日18時00分
第207回 「サピックスオープンと小5の学習」




ここ2回は、
前受け校の入試問題の中から
小5で学習する定番問題について見てきました。


今回は入試問題を1回お休みし、
11月下旬に実施される「第2回 志望校診断サピックスオープン」(小5)と
普段の学習について考えてみたいと思います。


このテストは新6年の入室テストを兼ねており、
いわば、
「ここまでに学んできたこと全般の復習とチャレンジ問題」
でもあります。


「失点してはいけない復習問題=入試の定番問題」

「解ける問題だけを見つけて取り組むチャレンジ問題=入試での上級問題」
とから
構成されているということです。


試験範囲のない塾のテストは
「限られた時間内に合格点を取る」という、
テストの受け方の練習=入試本番の予行
になります。


復習問題を正確に短時間で解き、
残った時間で解けそうなチャレンジ問題に取り組むという練習です。


この点を踏まえて、問題を見ていきましょう。


ある年の「第2回 志望校診断サピックスオープン」は次のような出題でした。












複数回答などがありますので、各5点×30問=150点満点と考えて、
上記の表の黄色着色の問題(初見問題)以外の20問を正解できれば、
100点ラインが見えてきます。



この点数は
アルファベットクラスとαクラスとの推定ボーダーと
ほぼ同じ点数です。


ということは、
黄色着色の問題は「当日の出来次第」としても、
その他の「復習問題=定番問題」とやや難しい問題の小問(1)を正解できれば、
アルファベットクラスからαクラスに上がることも可能
でしょう。


もし、
9月の「第1回 志望校診断サピックスオープン」で100点に満たなかった場合、
11月のテストまでに、
定番問題で失点がないかを確認し、
失点していれば復習をするようにしましょう。


また、
第2回に向けては「比と割合」がポイントになりますので、
こちらの定番問題の確認もしておくとよいと思います。


知識面の確認が終われば、
あとは、
時間をかけない解き方をどれだけ使えるか
ということになります。


そこで今回は、
時間のかかりにくい解き方=混乱しにくい解き方=考え方が見やすくかける解き方
という視点から、問題を見ていきます。



第2回 志望校診断サピックスオープンより

大問2-(4)
ある品物に原価の2割5分増しの定価をつけたところ1500円になりました。しかし、売れなかったので定価の1割引きの値段で売りました。利益は□円です。








標準的な売買損益算です。


普通は次のような解き方です。

1500円÷1.25=1200円…原価
1500円×0.9=1350円…売値
1350円-1200円=150円


試して欲しいとき方は次の通りです。








1500円÷10=150円


前者は計算中心です。

この問題は計算が比較的楽な数値ですし、
問題自体が単純のなのでこの解き方でOKです。


後者は「分数と比」を利用してますから計算が単純ですし、
「損益売買算」専用の整理方法を使用していますので、
どんな条件がわかっていて、何が求められていくかという
「解き方の流れ」が視覚化されているので、
混乱しにくい解き方
です。


この解き方をマスターしていると
「損益売買算」の基本問題~定番問題までを、
正確かつ短時間で解くことが可能です。


さらに次のような問題を解くときにも流用できます。




大問2-(6)
A1個の値段はB1個の値段の2倍で、B1個の値段はC1個の値段の2.5倍です。Aを6個買った値段は、BとCを8個ずつ買った値段よりも600円高いです。C1個の値段は□円です。







前問と同様に「小数と比」を利用すると








なので、150円×2=300円です。





この2問から導かれる「小5の学習のポイント」は、
「小数⇔分数⇔比」
です。


小数や分数を比に置き換えられると、
「問題の整理方法」が1ランクアップできるので、
定番問題を解く力が上がるという事につながっているのです。


そのためには、














を、自由に使えるようになっておくことが必要です。


これが使えると、文中の割合(小数・分数)を
すぐに比に置き換える
ことができます。




実は、平面図形や立体図形の学習ポイントも「比」にあります。




大問3-(2)
右の図は直径が4cm、8cm、12cm、16cmの4つの半円を組み合わせた図形です。斜線部分の面積の合計は□cm2です。ただし、円周率を3.14とします。









相似を習っている5年生も多いでしょうから、
ここは相似な図形の面積比を利用するとよいですね。














上の図から、
求める⑩=2cm×2cm×3.14×1/2×10=62.8cm2
が簡単な計算でわかります。




このような定番問題で、
1. 失点をしないこと
2. 短時間で処理すること
ができると、
SAPIXのいう「Bタイプ」問題に充てる時間を作ることができます。





「Bタイプ」問題は初見の問題であることが多いので、
これまでに学んだどの分野の問題かを考え、
そこで学んだ「整理方法」を利用します。


ですから、どうしても「時間がかかる問題」になりやすいのです。




大問8
1辺の長さが30cmの立方体があります。この立方体から、下の図のように厚さ1cmの板を、右、上、前、右、上、前、…の順に、最後まで切り出していきます。





たとえば、3回目に切り出される板の3辺は29cm、29cm、1cmです。
次の問いに答えなさい。

(1) 5回目に切り出される板の体積を求めなさい。
(2) 体積が462cm3の板は、何回目に切り出されますか。
(3) 3辺の長さがすべて異なる板は、全部で何枚切り出されますか。
(4) 体積が10cm3の整数倍になる板は、全部で何枚切り出されますか。








問題文中の「右、上、前、右、上、前、…の順に」から、
「周期算」「規則性の問題」
という見当をつけることができます。


周期性の発見、規則性の発見とくれば、
「表にまとめる」
です。


何について表にまとめるかは本文に必ず書かれています。


この問題では本文中に「板の3辺」とありますから、





のようにまとめられ、3回1組の周期性も見つかりました。


5回目は上の表から、29cm×28cm×1cm=812cm3とわかります。…(1)


(2)は、表から板の体積が、
□×□×1
または
(□+1)×□×1
のどちらかで計算されたことがわかります。


ということは、素因数分解がよさそうです。


462=2×3×7×11 から、22×21×1 がピッタリですね。


これは3回1組の中の2番目のパターン(2回目、5回目、…)です。


1組目 → 30×29×1
2組目 → 29×28×1
3組目 → 28×27×1



□組目 → 22×21×1 →  □=9(組目)の2番目

3×8+2=26回目です。…(2)


(3)は1組3回の操作の内、計算のしやすい3回目に着目してみましょう。

1組目3回目 → 29×29×1
2組目6回目 → 28×28×1
3組目9回目 → 27×27×1



□組目○回目 → 2×2×1 → □=28

(□+1)×□×1 は1組の中に1回だけですから、
28組目までに28枚あります。…(3)


(4)は、板の体積が
□×□×1 または (□+1)×□×1
で求められることから、
ア…10の倍数×整数
イ…5の倍数×2の倍数
ウ…10の倍数×10の倍数
の3つのパターンを調べると良
いことがわかります。

□にあてはまる数=2~30 ですから、
アは、30×29、21×20、20×19、11×10、10×9 → 5通り
イは、26×25、25×24、16×15、15×14、6×5、5×4 → 6通り
ウは、30×30、20×20、10×10 → 1+2×2=5(通り)
のとき、体積が10の倍数になります。

5+6+5=16(枚)




5回目まで調べる時間があると(1)を解けますし、
6回目または9回目まで調べると(2)も正解するチャンスが増えるので
テストの点数も100点をこえていけそうです。


その時間を捻出するために、
定番問題を短時間で処理し、
なおかつ
混乱を引き起こして無駄な時間を使わないですむように見やすく整理すること、

この2点を目標にして、
家庭学習ができるといいですね。


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受験算数と塾の使い方 2014年11月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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