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数の性質「約数」

数の性質の練習問題2014年12月13日18時00分
第212回 「あと1ヶ月半で6年生になる5年生の学習 数の性質1」





今回のテーマは数の性質です。


数の性質といってまず頭に浮かぶのは「約数と倍数」でしょう。


「約数と倍数」は、5年生で基本を習った後、
再び6年生の2月に学習することが多いようです。


ということで
「6年生になると、5年生のときと何が変わるか」
をみておきましょう。


今回は「約数」です。




(問題) 24の約数の和を求めなさい。







5年生で習ったときは、ヌケモレが起きないように、
「1で割ると24」「2で割ると12」…と、
下図のように順々に書き出しで習うことが多かったと思います。





1+2+3+4+6+8+12+24=60


しかし、6年生になると「素因数分解」を利用するようになります。


24=2×2×2×3


これをつぎのような表に整理します。





並びは違いますが、上の「書き出し」と同じように、
1、2、3、4、6、8、12、24
の8個があります。


これは、
24には「×2」が3個、「×3」が1個あり、
その組み合わせ方を示しているのです。


ですから、表を書かずとも、「24=2×2×2×3」という素因数分解の結果より、
「×2」の使い方は「使わない(×1)」「1個使う」「2個使う」「3個使う」の4通り、
「×3」の使い方は「使わない(×1)」「1個使う」の2通り、
従って4×2=8個の約数がある
とわかるのです。


そして、この考え方を発展させると、下の図を作ることができます。







図の8つの四角形の面積は、
上の「個数」で使った表に書かれたそれぞれの約数と同じになっていますから、
「8つの四角形の面積の和=8個の約数の和」となります。

ですから、表を書かずとも、「24=2×2×2×3」という素因数分解の結果より、
(1+2+2×2+2×2×2)×(1+3)=15×4=60
と、約数の和
が求められます。


6年生になると、約数の個数や和の問題は、書き出しだけでなく、
計算も必要となってきます。


次に、この計算を利用する入試問題をご紹介します。




関西学院中 2009年度 中学入試 算数より

(問題) 20から40までの整数のうち、約数が全部で4個ある整数は何個ありますか。








約数の個数は、素因数分解の結果から表で求められました。


このことを逆に利用します。


約数の個数が4個ということは、長方形の形が、たて1×横4 または たて2×横2 です。





上の「たて1×横4」の□にあてはまる数は、□=3の1個だけです。

また、「たて2×横2」の□、○にあてはまる数の組は、
(□=2 ○=11)
(□=2 ○=13)
(□=2 ○=17)
(□=2 ○=19)
(□=3 ○=7)
(□=3 ○=11)
(□=3 ○=13)
(□=5 ○=7)
の8組です。

→ 1+8=9(個)


関西学院中の問題では「20から40までの21個」ですから、
ひとつずつ調べていくことも可能です。


しかし、テストには制限時間がありますから、
できれば、このような問題で時間をあまり使いたくはありませんね。


5年生の場合、これから入試まで1年間ありますから、
「書き出し」ができるようになったら、
次は書き出さなくても解ける方法を身につけるとよいでしょう。




もう1問、約数の個数に関する問題です。
入試でもこの問題の類似題が多くあります。


(問題) 3、5、7、…201を、表には黒字で、裏には表と同じ数を赤字で書かれた100枚のカードがあります。たとえば、表に黒字で3と書かれたカードの裏側には赤字で3と書かれています。これらのカードを黒字で書かれた数が見えるように並べます。はじめに3の倍数が書かれたカードを裏返し、次に5の倍数が書かれたカードを裏返し、…、最後に201の倍数が書かれたカードを裏返します。ですから、たとえば15が書かれたカードは、3の倍数、5の倍数、15の倍数のときに裏返され、すべてが終わったときには赤字で書かれた15が見えています。
(1) 29、125のカードはそれぞれ、最後に黒字、赤字のどちらの数が見えていますか。
(2) 100枚のカードの中で、最も多く裏返されるカードは何回裏返されますか。
(3) 100枚のカードの中で、最後に黒字の数が見えているカードは何枚ありますか。






問題文中に「倍数」と書かれているのに、約数の問題?
という疑問を持たれるかもしれません。


その疑問を解消するために、実際に作業をしてみましょう。

3の倍数のカードを裏返す → 3、9、15、21、27、…、201
5 の倍数のカードを裏返す → 5、15、25、35、…、195
7の倍数のカードを裏返す → 7、21、35、49、…、189
9の倍数のカードを裏返す → 9、27、45、63、…、189




これをカード別に整理すると、






のようになります。


この表に「1の倍数」という作業がもしあったとすれば、○は、
「3」…1、3
「5」…1、5
「7」…1、7
「9」…1、3、9
のように、「約数」と同じになります。


ですから、「カードに書かれた数の約数(1以外)の個数」の数だけ裏返ります。


(1) 29の約数は1と29ですから、29の倍数を裏返すときに裏返ります。
赤字
125の約数は1、5、25、125ですから、
5、25、125の倍数を裏返すとき、計3回裏返ります。
赤字


(2) 「最も多く裏返す=最も約数の個数が多い」です。


前問の「長方形」を応用すると、
約数の個数は素因数分解したときの素数の種類と個数で
計算できることになります。


カードに書かれた数が奇数ですから、
素因数分解したときの素数も奇数だけです。


3×3×3×3=81 なので、素数の個数は4個以下とわかります。


「○×○×○×○」のパターンは
3×3×3×3=81 → 5個 →「1」を除くと4回裏返る
※3の使い方は「0~4回の5通り」です。

「○×○×○×□」のパターンは
3×3×3×5=135 → 4×2=8個 →「1」を除くと7回裏返る
※3の使い方は「0~3回の4通り」、5の使い方は「0~1回の2通り」です。

「○×○×□×□」のパターンは
3×3×5×5=225 なので201より大きいので、問題にあてはまりません。

「○×○×□×△」のパターンは
3×3×5×7 なので明らかに201より大きいので、問題にあてはまりません。

素数が3個の奇数で約数の個数が多くなるのは「○×□×△」のパターンですから、
3×5×7=105 → 2×2×2=8個 →「1」を除くと7回裏返る
※3の使い方は「0~1回の2通り」、5の使い方は「0~1回の2通り」、7の使い方は「0~1回の2通り」です。

ですから、(2)の答えは7回です。


(3) 1回裏返れば赤字、2回裏返れば黒字、3回裏返れば赤字、…なので、
黒字になるのは偶数回裏返るカードです。


これを約数の個数で考えると、「1」を加えた約数の個数が奇数個のカードです。


ここで使うのが「約数が奇数個の整数は平方数である」という知識です。


ですから、3×3、、5×5、7×7、9×9、11×11、13×13 の6個です。
→ 9、25、49、81、121、169





このように、5年生では書き出しで問題を解くことが中心でしたが、
6年生になるとそれに加えて「素因数分解」を利用した、
計算で解く問題も増えてきます。


6年生になってこの単元を習うときに、
新しく出てくる「素因数分解」の利用方法の習得に集中できるよう、
5年生で習ったことのおさらいを、冬休み中にしておくとよいと思います。

数の性質の練習問題2014年12月13日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。