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2015年度中学入試 岡山白陵中

中学入試の算数問題2015年01月10日18時00分

皆さんこんにちは、中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員の前田昌宏です。


本日の記事は、第216回「平成27年度 岡山県 私立中学入試」をお届けします。


1月4日に岡山中、5日に岡山白陵中の入学試験が行われました。
そこで今回は、岡山白陵中学の入試問題をみていきます。


2015年度の入試問題の出題分野は以下の通りでした。


※難易度は私見、(易)A⇔E(難)としています。


出題傾向はこれまでと変わりなく、問題の難しさのバランスも、受験生の基礎力をチェックするための問題(難度A・B)と岡山白陵中の受験生であれば解いて欲しいと作問者が思っているであろう問題(難度C)とで全体の7割、残り3割が算数が得意かどうかを計る問題(難度D・E)と、例年並みだったと思います。


それでは岡山白陵中の平成27年度入試から3問、ご紹介します。


岡山白陵中 2015年度 入試問題 算数より


大問1-(4) 次の数字はある規則に従って並んでいます。左から数えて1000番目の数字を答えなさい。ただし、1+2+3+4+…+40=40×(1+40)÷2であることを利用しなさい。
1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6,・・・

(難度B)



等差数列の和の公式がヒントとして与えられていますので、
現5年生でも取り組めそうですね。



「知識」ではなく「処理する力」をチェックする問題ですから、
ていねいに整理することが大切です。



問題文中のヒントから、

1 → 1番目
1,2,2 → 2×(1+2)÷2=3番目
1,2,2,3,3,3 → 3×(1+3)÷2=6番目
1,2,2,3,3,3,4,4,4,4 → 4×(1+4)÷2=10番目



1,2,2,3,3,3,4,4,4,4,・・,□,□ → □×(1+□)÷2≒1000番目

となるので、
□×(1+□)≒2000 → □×□≒2000
として
□にあてはまる数を探します。

40×40=1600 50×50=2500 ですから、
□は40より大きく50より小さいことがわかります。

あとは順に調べます。
(見当をつけて□=45から探せると、ベターです)

41×(1+41)÷2=861
42×(1+42)÷2=903
43×(1+43)÷2=946
44×(1+44)÷2=990
45×(1+45)÷2=1035

つまり、
1,2,2,3,3,3,・・・,44,44 → 44×(1+44)÷2=990番目
1,2,2,3,3,3,・・・,45,45 → 45×(1+45)÷2=1035番目
ですから、1000番目の数字は45とわかります。


調べるだけの問題なので、これは必ず正解したいところです。




大問3-(2) 長さ6cmのひもがあります。このひもの一端をA、反対側の一端をBとします。下の図のように、水平な台の上に1辺の長さが10cmの立方体が置いてあり、Aを図の位置に固定して、台上や立方体の面上でたるむことのないようにひもを動かします。このとき、Bが動いたあとの線によって囲まれた部分の面積を求めなさい。ただし、水平な台は十分に広く、また円周率は3.14、ひもの太さは考えないものとします。(一部改題)


(難度D)








「立体の上を動くアリ」問題の類題です。


問題文に書かれた
「台上や立方体の面上でたるむことのないように」
という条件に忠実に守って、作図をしましょう。


ポイントは
1.台上と立方体を分けて考える
2.立方体は展開図にする
の2点です。



ポイント1のうち、
台上については「牛小屋」の問題などでおなじみの作図ですね。


真上から見ると、
半径6cmの半円アと半径2cmの四分円イ
になることがわかります。


ポイント2は、
「面上でたるむことのない」という条件から、
ピンとひもを張る → 立体の最短距離問題 → 展開図で一直線になる
と同じ解き方になるということです。


そこで、立方体を台上で展開すると右図のよ
うになりますので、
半径6cmの半円ができることがわかります。


この2つの図形をあわせると、
6cm×6cm×3.14+2cm×2cm×3.14÷4
=37×3.14=116.18cm2
が求められます。






「空間把握力」が強いお子さんは、
立方体を立体のまま解くことができると思います。


もし「空間把握力」が弱いかなと思われたら、
「立体は平面に直す」という方針で解く
ことを教えてあげて下さい。


立体の切断問題、水そうの問題なども
「見取り図→投影図や展開図」という解き方を用いれば、
「空間把握力」が苦手なお子さんでも解ける問題が増えますよ。




大問4 縦、横の長さが共に整数である長方形の紙があります。この紙に、次のような操作を行います。

(操作)
①:その長方形から最大の正方形を切り落とす。
②:①をした後に、残った紙が長方形なら再度①を行い、正方形なら操作を終了する。

このとき、操作が終わるまでの①の回数を『切断回数』、最後に残った正方形の1辺の長さを『基本サイズ』と呼ぶことにします。

(1) 縦123cm、横156cmの紙の切断回数と基本サイズを求めなさい。
(難度C)
(2) 切断回数が3回、基本サイズが1cmである紙のたてと横の長さの組をすべて求めなさい。ただし、横の方が縦よりも長いものとし、例えば、縦が2cm、横が3cmの場合は(2,3)と答えなさい。
(難度D)
(3) 長い方の辺の長さが240cmで、切断回数が4回となる紙の短い方の辺の長さをすべて求めなさい。
(難度E)








2014年度は「白黒論法」をテーマにした問題が出題されましたが、
2015年度は「ユークリッドの互除法」をテーマにした問題が出題されました。


2014年度のときと同様、
問題文にヒントと誘導がきちんと与えられていますから、
読み落とさず、書かれた条件を守って解きます。



このような誘導形式の問題では、
(1)が
「ルールを把握するためのヒント問題=作業問題」
となっていることが多いので、
(2)(3)を「パス」しない場合は、
この(1)の「作業」を丁寧に行うことが大切
です。

156cm÷123cm=1枚あまり33cm → 切断回数が1回
123cm÷33cm=3枚あまり24cm → 切断回数が3回
33cm÷24cm=1枚あまり9cm → 切断回数が1回
24cm÷9cm=2枚あまり6cm → 切断回数が2回
9cm÷6cm=1枚あまり3cm → 切断回数が1回
6cm÷3cm=2枚  → 切断回数が1回
最後は正方形の枚数よりも1小さくなることに注意しましょう。

上の計算をしながら、図を同時に書いて解くと、
この問題の「操作(=ルール)」がよくわかりますね。




以上から、
切断回数は1回×4+2回+3回=9回、基本サイズは3cmとわかります。


(1)で正方形の枚数=切断回数+1とわかりましたから、
(2)は正方形が全部で4枚です。


また、上の図から、
基本サイズの正方形は必ず2枚以上
ということもわかります。


ですから、
4枚とも基本サイズと同じ、
3枚が基本サイズと同じ、
2枚が基本サイズと同じ
の、3つの場合に分けて考えます。




縦よりも横の方が長いという条件から、
(1,4)、(3,4)、(2,5)、(3,5)
とわかります。


(2)までと丁寧に作業してくると、
(3)も正方形が全部で5枚の場合について考えればよいことがわかります。




長い方の辺の長さを素因数分解すると、
240=2×2×2×2×3×5
ですから、
上の図のウ、エ、オ、カ(長い方の辺の長さが7の倍数)は、
240を割った商が整数になりません。

ア…240cm÷5×1=48cm
イ…240cm÷5×4=192cm
キ…240cm÷8×3=90cm
ク…240cm÷8×5=150cm


大変そうな問題でしたが、
(1)で問題のルールを正しく把握しておけば、
最後まで解くことも十分可能ですね。




2015年度の岡山白陵中の入試は、
応募者が984名(前年比 -37名)、
合格最低点は
専願122点(前年比 -18点)、
併願135点(前年比 -20点)で、
直近5年で最も合格最低点が低いものでしたが、
算数の難度は昨年並みだと思います。


これから過去問を解くことになる5年生は、
3科目合計の合格最低点が低い=難しいと過剰に意識することなく、
難度A~Cの問題を確実に正解させていきましょう。

中学入試の算数問題2015年01月10日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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