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2015年度中学入試 開成中

中学入試の算数問題2015年02月07日18時00分
皆さんこんにちは、中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員の前田昌宏です。

本日の記事は、第220回 「平成27年度 私立中学入試 開成中」をお届けします。






首都圏の入試もほぼ終わりました。
さあ、次は新6年生の皆さんの番ですね。


そこで、今回は2015年度 首都圏の中学入試から、
開成中の入試問題をみていきます。


2015年度の開成中 算数(85点 60分)の出題分野は以下の通りでした。






難易度は私見で、(易)A⇔E(難)としています。


学校から公表されているデータでは、
2014年度 受験者平均49.8点 合格者平均61.9点
2015年度 受験者平均49.9点 合格者平均61.1点
と、ほとんど昨年と同じでした。


出題分野も数の問題、図形、速さで昨年とほぼ同じでしたから、
その点からいえば多少難しい問題が出ても対応が可能であったかも知れません。


しかし、昨年が
「この問題はこれまでに習ったどの解き方を、
どのように応用して解けばよいと思いますか?」
という応用力を問う問題であったのに対し、
今年の大問1、3は作業問題、
大問2は知識と計算力、
大問4は立体切断の解法力の精度を問う問題
となっています。


前回ご紹介した大阪星光中の場合と同様に、
C難度以下だけの問題の正解では今年の合格者平均点に達しませんので、
D難度の問題の正解も合格には必要な試験でした。


それでは、平成27年度の開成中の入試問題を2問、ご紹介します。




開成中 2015年度 入試問題 算数より


大問1 いろいろな整数や分数アについて、<ア>を次のように決めます。
アが整数のときは、<ア>=アとします。アが真分数のときは既約分数に直した後、分子と分母の和を<ア>とします。アが仮分数のときは既約分数に直した後、さらに帯分数に直し、整数部分と分子と分母の和を<ア>とします。
(3) アとして1/27、2/27、3/27、…、2014/27、2015/27のように、分子が1以上2015以下で、分母が27である分数を考えます。この中で<ア>=54となる数アをすべて取り出して、小さいものから順に並べます。このとき、小さい方から5番目の数と、大きい方から5番目の数をそれぞれ求めなさい。(問題本文は意訳しました。)








小問(1)(2)で問題のルールを把握し、(3)を解くという
典型的な誘導パターンの問題です。



場合分けをして考えていきます。


・約分すると整数になる場合
<ア>=54のとき、ア=54=1458/27 なので、
分子が1以上2015以下という条件にあてはまります。

・真分数の場合
<ア>=<B/A>のとき、Bが26以下なので、A+Bは27+26=53が最大で、
<ア>=54にあてはまる真分数はありません。

・整数に約分できない仮分数の場合
仮分数の整数部分を1、2、3、…のように順番に調べていきます。
分子が3の倍数のときは約分ができるので、整数部分が大きくなり
「小さい方から5番目」にはあてはまらない
ことに注意します。






次に大きい方から調べていきます。
分数部分は1/2のとき1+2=3が最小ですから、
整数部分は51以下から調べていきます。


こんどは先ほどと逆に、分母が3の累乗のときは分母を27にできますが、
分母が3の累乗でない場合は分母が27にならない
ので注意します。






ところで「整数の場合」で「54」が1つありましたから、
大きい方から5番目は



です。


以上から,小さい方から5番目は209/27、大きい方から5番目は1167/27です。


ひとつひとつの処理を順々にしていけば、
さほど時間もかからずに正解できます
が、
「手当たり次第」といったような処理をすると、
まちがえる危険性のある問題でした。




大問3 右下図のようなランニングコースがあります。A地点とD地点の間の道は平らで長さは200m、B地点とC地点の間の道も平らで長さは100m、A地点からB地点へ向かう道は上り坂で長さは120m,D地点からC地点へ向かう道も上り坂で長さは180mです。ゆう君はA地点を、まさひろ君はD地点を同時に出発して、ゆう君はA→B→C→D→A→B→…の向きに、まさひろ君はD→C→B→A→D→C→…の向きに走ります。二人とも平らな道を毎分100mの速さで走ります。ゆう君はA地点からB地点までの上り坂を毎分84mで、C地点からD地点までの下り坂を毎分105mで走り、まさひろ君はD地点からC地点までの上り坂を毎分90mで、B地点からA地点までの下り坂を毎分126mで走ります。次の問いに答えなさい。

(1)ゆう君、まさひろ君がこのコースを一周するのにかかる時間はそれぞれ何分ですか。

(2)ゆう君、まさひろ君はB地点とC地点の間ではじめてすれ違います。その地点はB地点から何mの場所ですか。

(3)ゆう君、まさひろ君がB地点とC地点の間で次にすれ違うのは、(2)で求めた場所からどちらへ何mずれた場所ですか。

(4)ゆう君、まさひろ君がはじめてA地点とB地点の間ですれ違うのは、走りはじめてから何回目にすれ違うときですか。またその地点はB地点から何mの場所ですか。








出会う場所が規則的にずれていくことをテーマにした、おなじみの問題ですね。


本問も大問1と同じく、誘導形式の問題です。


(1)は計算だけです。

ゆう君
120m÷84m/分+180m÷105m/分+300m÷100m/分=43/7分=6 1/7分

まさひろ君
180m÷90m/分+120m÷126m/分+300m÷100m/分=125/21分=5 20/21分


(2)(1)の計算から2人がB地点、C地点に到着する時がわかりますので、






100m×11/14=550/7m=78 4/7mが求められます。


(3)(2)から、さらにお互いが1周し終えた時に次の出会いがあります。





グラフより、
次の出会いはB地点から100m×29/42=1450/21m=69 1/21m の地点です。


ですから、
B地点のほうへ78 4/7m-69 1/21m=9 11/21m ずれた場所とわかります。


(4)(3)より2人が出会う場所がB地点側に 9 11/21mずつずれますから、
何回ずれることができるかを考えればOKです。


78 4/7m÷9 11/21m=8回あまり2 8/21m ですから、
BC間で9回出会うことができることがわかります。


ここで気をつけなければいけないのは、
2人はBC間以外にAD間でも出会っているということです。


2人が1周する時間は(1)で求めたようにほとんど同じですから、
ほぼ半周するたびに2人は出会っているのです。


ですから(3)の「次にB地点とC地点の間で出会う」のは、
合計で3回目の出会いのことです。


つまり、
BC間で出会う9回は、実際には、1回目、3回目、…とBC間で出会ったあとの、
17回目です。


したがって、初めてAB間で出会うのは19回目の出会いのときです。


また、AB間での出会いとなると、
ゆう君は上り、まさひろ君は下りなので、ずれ方がBC間とは異なります。



2人が1回出会う度に進んだ距離の和はちょうどランニングコース1周分ですから、19回目の出会いまでに進んだ距離の和は19周分です。


つまり、それぞれが9周終えて10周目のAB間での出会いです。


6 1/7分×9周=55 2/7分後 に、
ゆう君はA地点にいます。


5 20/21分×9周+180m÷90m/分+100m÷100m/分=56 4/7分後 に、
まさひろ君はB地点にいます。





120m×3/50=7.2m




今年の開成中の問題は、
この作業系の問題を正確に、できればあまり時間をかけずに処理し、
残りの時間で大問2、4から解きやすい問題を選ぶという取り組み方が
上手く得点する方法
だったのではと思います。


しかし、昨年の大問2でも立体の2回切断が出題されていますし、
他の首都圏にある難関中でも、切断の出題がありましたから、
受験生は準備ができていたことでしょう。


今年の大問4は、2014年度の洛南高校附属中の大問7と解法が同じ問題でしたから、
関東関西を問わず難関中の過去問に取り組んでおくと、
役に立つこともあります。



早めに弱点分野を克服し、
いろいろな過去問に取り組む機会ができるといいですね。

中学入試の算数問題2015年02月07日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。