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2015年度中学入試 筑波大学附属駒場中&東大寺学園中

中学入試の算数問題2015年02月21日18時00分
皆さんこんにちは、中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員の前田昌宏です。

本日の記事は、第222回 「平成27年度 国私立中学入試 この1問 筑波大学附属駒場中&東大寺学園中」をお届けします。






前回までに、
首都圏の開成中と桜蔭中、関西エリアの灘中の問題を
ご紹介してきました。


そこで、今回からは東西の他の難関中を中心に問題をご紹介していきながら、
2016年度入試に向けて新6年生がどのような点に気をつけていけばよいのか、
また新5年生はどのような取り組みをしていけばよいのかを
考えてみたいと思います。


今回はこれも難関中の代表である、
首都圏の筑波大学附属駒場中、
関西エリアの東大寺学園中の2校について、
2015年度入試から1問ずつ見ていきます。




筑波大学附属駒場中 2015年度 入試問題 算数より


大問3 縦100個、横100個、全部で10000個のます目が書かれた表があります。表のそれぞれのます目には、次のように整数が1つずつ書かれています。
1行目には、すべて1が書かれています。
2行目には、1から1ずつ増える数が100個、順に書かれています。
3行目には、1から2ずつ増える数が100個、順に書かれています。
4行目には、1から3ずつ増える数が100個、順に書かれています。
・・・・・
99行目には、1から98ずつ増える数が100個、順に書かれています。
100行目には、1から99ずつ増える数が100個、順に書かれています。





次の問いに答えなさい。
(1) この表に、100は全部で何個書かれていますか。
(2) この表に、ちょうど5個書かれている整数があります。そのような数のうち、最も小さいものを答えなさい。
(3) 100から200までの整数のうち、この表にちょうど1個書かれている数をすべて答えなさい。






(1) 考えやすくするため、「表のたてと横に番号を打つ」ことにします。





すると、
上から2行目は左から順にみると、1+1×(□番目-1)
上から3行目は左から順にみると、1+2×(□番目-1)
上から4行目は左から順にみると、1+3×(□番目-1)
上から5行目は左から順にみると、1+4×(□番目-1)

上から100行目は左から順にみると、1+99×(□番目-1)
と表せることがわかります。


100は偶数ですから、
1+奇数×(偶数番目-1)
を調べればOKと気づけますね。


つまり、
奇数×(偶数番目-1)=99 となればよいので、
99の約数について考える問題だとわかります。


99の約数は、99=3×3×11 なのですべて奇数で、
約数の個数の公式から3×2=6個とわかりますから、
(1)の答えも6個です。


確認しておきますと、

1+1×99 … 2行目の左から100番目
1+3×33 … 4行目の左から34番目
1+9×11 … 10行目の左から12番目
1+11×9 … 12行目の左から10番目
1+33×3 … 34行目の左から4番目
1+99×1 … 100行目の左から2番目

で、OKだとわかります。




(1)から、「約数の個数」がテーマの問題の誘導問題かなと予測ができます。




(2)は「5個あるもの」と個数からもとの整数を探す、(1)とは逆の問題です。


やはり、約数の個数の問題でしたね。


約数の個数が5個の整数は素因数分解をしたとき、
整数=素数の4乗となる整数だけ
です。


最も小さい整数を答えるので、
24=2×2×2×2=16 について調べます。


1+1×16=17 … 2行目の左から17番目
1+2×8=17 … 3行目の左から9番目
1+8×2=17 … 9行目の左から3番目
1+16×1=17 … 17行目の左から2番目


以上から、(2)の答え17が求められます。




ここまでくると(3)も、1+☆×(□番目-1) で解けそうですね。


100以上200以下の整数で、
1+☆×(□番目-1) で
1回しか表せない整数ということは…?


(1)で確認した式が役に立ちます。


100-1=99は約数が6個あったので、
100も表の中に6個あったのですから、
「☆×(□番目-1)となる整数は約数が1個しかない!」のでは…
と気づきます。


しかし、
約数が1個の整数は「1」だけですから、
これは無理ですね。


じゃあ、約数が2個だったらどうでしょう?


残念ながらこれも無理です。


「約数が2個の整数は素数」ですが、
たとえば101の場合、
1+1×101=102
1+101×1=102
のように、「2組」できてしまいます。


「だから約数が3個のときだ!」
と、ここで気づけます。


約数が3個ということは素数の2乗ですから、

1+1×素数の2乗 → 素数の2乗が100より大きいので表から右へはみ出す
1+素数×素数 → 100以上200以下
1+素数の2乗×1 → 素数の2乗が100より大きいので表から下へはみ出す

ようなときを考える
と、

11の2乗=121のとき、
1+1×121 …2行目の左から122番目 → 表の中にない
1+11×11 …12行目の左から12番目なのでOK → 1+11×11=122
1+121×1 …122行目の左から2番目 → 表の中にない

13の2乗=169のとき、
1+1×169 …2行目の左から122番目 → 表の中にない
1+13×13 …14行目の左から14番目なのでOK → 1+13×13=170
1+121×1 …122行目の左から2番目 → 表の中にない

17の2乗=289のとき、
1+1×289 …2行目の左から290番目 → 表の中にない
1+17×17 …18行目の左から18番目 → 1+17×17=290 なので100以上200以下にあてはまらない
1+289×1 …290行目の左から2番目 → 表の中にない

となり、17以上の素数はあてはまりません。


「約数が4個」の場合は
「約数が2個」と同様に偶数組できるのであてはまりません。


約数が5個に増えた場合は、
1+1×素数の4乗 → 素数の4乗が100より大きいので表から右へはみ出す
1+素数×素数の3乗 → 素数の3乗が100より大きいので表から右へはみ出す
1+素数の2乗×素数の2乗 → 計算結果が100以上200以下
1+素数の3乗×1 → 素数の3乗が100より大きいので表から下へはみ出す
1+素数の4乗×1 → 素数の4乗が100より大きいので表から下へはみ出す
となればOKです。


3乗して100より大きくなる素数は、5以上の素数です。


ところが最も小さい5の場合でも、1+(5×5)×(5×5)=626 となり、
100以上200以下という条件にあてはまりません。


ですから、(3)の答えは122と170だけとわかります。


誘導されながら、
「何がテーマなのか」
を考えるようにすれば最後まで解けます。


しかし、筑波大附属駒場中の試験時間は短いですから、
「パス」か「後回し」が現実的だと思います。




筑波大学附属駒場中の問題からも、
難関中受験志望者は、素因数分解の利用方法をよく練習しておくことが必要だ
とわかります。




東大寺学園中 2015年度 入試問題 算数より


大問5 図のようなAB=20cm、BC=10cm、CG=12cmの、面ADHEだけが空いている直方体の容器ABCDEFGHが水平な床の上に置いてあります。PQ=16cm、QR=12cm、RS=18cmでPQとSRが平行である台形PQRSの板を図のように、Qが辺BCの真ん中に、Rが辺FGの真ん中にくるように、容器の底BCGFにまっすぐに立て、この容器いっぱいに水を満たしました。辺BFを床につけたまま、この容器を矢印の方向にゆっくりと45°傾けて水を流し出して、また底BCGFが床にピッタリついたもとの状態にゆっくりともどしました。ただし、板PQRSと容器はすきまなくくっついているものとし、板PQRSと容器の厚みは考えないものとします。
(1) 何cm3の水が流れ出たか求めなさい。
(2) 残った水は板PQRSによって2つの部分に分けられますが、頂点Cと同じ側に入っている水の水面の高さを求めなさい。








水そうを傾けたときの様子を見取り図に書けるかどうかが、
ポイントになる問題
です。





台形の仕切りのうちSR側が水面から出ますね。






傾けた見取り図は書きにくいですから、
容器は水平のままで水面を傾けた図
でもOKです。


小問を解くのに必要ですから、投影図もgoodです。





流れ出た水は五角柱で、
底面は、A側が等しい辺の長さ5cmの直角二等辺三角形、
D側が上底4cm、下底9cm、高さ5cmの台形で、
高さが12cmです。


{5cm×5cm÷2+(4cm+9cm)×5cm÷2}×12cm=540cm3…(1)の答え



(2)左右に分けて考えます。まずは右側です。





高さの平均または上の図から、右側の水の深さは13.5cmです。


次は左側です。





右側と同じように、
高さの平均あるいは図から水面の高さは17.5cmとなりますが、
仕切り板の一番低いところの高さが16cmですから、
水が右側に流れ込みます。


つまり、





となりますから、
(2)の答えは 13.5cm+1.5cm=15cmと求められます。


海辺で砂遊びをしていて水が回り込むように入ってくる経験などがあれば、
(2)もイメージしやすかったことと思います。




立体図形の問題を解くのに必要な「空間把握力」は
低学年時の経験が大切
といわれることがありますが、
5,6年生にはそのような時間をとることは難しいですね。


代わりになるのが、
基本問題レベルから「図を書いて考える」
という取り組み
です。


「問題が難しいから図を書こう」としても、
算数が苦手ですとなかなか上手くいきません。

やさしい問題から図を書いて、慣れ親しんでおくことがよいと思います。


初めのうちは上手く書けなくてもOKです。
続けることで少しずつ上達していきましょう。


中学入試の算数問題2015年02月21日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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