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2015年度中学入試 雙葉中&神戸女学院中

中学入試の算数問題2015年03月14日18時00分
皆さんこんにちは、中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員の前田昌宏です。

本日の記事は第225回 「平成27年度 私立中学入試 この1問 雙葉中&神戸女学院中」をお届けします。






東西の他の難関中を中心に問題をご紹介していきながら、
2016年度入試に向けて6年生がどのような点に気をつけていけばよいのか、
また5年生はどのような取り組みをしていけばよいのかを考えています。


今回は、
首都圏から女子御三家の1校、雙葉中を、
関西エリアからは最難関中の神戸女学院中を取り上げ、
2015年度入試からそれぞれ1問ずつ見ていきます。




雙葉中 2015年度 入試問題 算数より


大問3 兄と弟が同時にA地点を出発し、5.8km先のB地点に向かいます。兄は時速4kmで休まずに歩きます。弟は時速6kmで11分間走り7分間止まって休むことを、くり返します。

(1) 2人がB地点に着くのは、A地点を出発してからそれぞれ何時間何分後ですか。

(2) 兄が弟を最後に追いぬくのは、A地点から何kmのところですか。








この問題のような「休み歩き」や「カタツムリ算」は、
「見当付け」と「計算力」が問われるため、
力の差が出やすい問題
のひとつです。


(1) 兄は単純な計算です。
5.8km÷時速4km=1 9/20時間 →1時間27分後…兄


弟の求め方は2通りありますが、
(1)の正解だけを目指すのであれば、
走っているのべの時間を求めると簡単です。


5.8km÷時速6km=58/60時間 → 弟は58分間走ります。
58分間÷11分間=5周期あまり3分 → 5回休み
58分間+7分間×5=93分後=1時間33分後…弟


(2) 目盛りつきのグラフが与えられれば
どこで追いぬくかがわかりますが、
この試験では与えられませんでした。


ということは上手に見当をつける必要があります。


兄は時速4km、弟は時速6kmという条件から、
兄が弟を抜くことができるのは弟が休んでいるときだけしかないことに
着目します。


そこで(1)でもとめた「5周期と3分」を利用して弟のグラフを書いてみると、






となります。


弟が図中の・にいるとき、
兄が(6km/時-4km/時)×11/60時間=11/30km(約0.36km)先にいると、
弟は兄を抜けなくなるので、
その後は兄も弟を抜くことができなくなります。



兄は18分ごとに、時速4km×18/60時間=1.2km 進むので、







から、72分以後は弟が兄を抜くことができないとわかります。







グラフから、4.4kmの地点が(2)の答えです。




順々に計算をしても解けますし、
(1)の答えをヒントにすると上記のように少ない計算で答えを出すことも可能です。


計算をし、調べつくして解けるようになれば、
次は見当をつけて解く練習をしましょう。









神戸女学院中 2015年度 入試問題 算数より


大問6 図1のように、1から20までの数字が均等に書かれた小さな円盤Aと、1から5までの数字が均等に書かれた大きな円盤Bが、中心が重なるように置かれており、中心で固定された針がついています。いま、円盤Aを1秒間に60°、円盤Bを1秒間に45°の速さで、図1の状態から時計回りに回転させます。このとき針の下を通過している円盤Aと円盤Bの数字をかけ合わせた数が電光掲示板に表示されるものとします。例えば、図2のように、針の位置にある円盤Aの数字が3、円盤Bの数字が4のとき、電光掲示板には12が表示されます。なお、電光掲示板に表示される数字は、円盤の数字の境界線と針がちょうど重なった瞬間、切りかわるものとします。

(1) 回転を始めてから2秒の間に電光掲示板に表示される数字をすべて求めなさい。

(2) 電光掲示板に20が2回目に表示されるのは何秒から何秒の間ですか。








昨年に引き続き、回転の問題です。


ルールを正確に把握してから計算をします。


そのために「たとえば~」をよく読むことが大切ですが、
電光掲示板の数字の変わる瞬間を正しく理解するために、
この問題では「なお~」と「図1」を照らし合わせることも必要です。


(1)を解きながら、この問題のルールをより正確に理解します。


円盤Aの一区切りは、360°÷20=18°なので
針を通過する時間は、18°÷60°/秒=0.3秒 です。

また、円盤Bの一区切りは、360°÷5=72°なので
針を通過する時間は、72°÷45°/秒=1.6秒 です。


針を通過する数字が大きい数から小さい数の順であることに気をつけながら、
回転を始めてから2秒の間に針を通過する数字を調べると






のようになり、答えは100、95、90、85、80、75、60、56とわかります。




(2) 電光掲示板が20を示すのは、
(A、B)=(20、1)、(10、2)、(5、4)、(4、5)
の4パターンだけです。


また、早く動く円盤Aがゆっくり動く円盤Bを追いかけているので、
円盤Aの先頭部分と円盤Bの後ろの部分が針を通過する時間に着目します。











上の表で計算される円盤Bの位置は下図のイの位置ですが、
実際には円盤Bはア~イの間にあればよいので、
上の表で計算される時間とその1.6秒前までの間に、
円盤Aの時間があてはまればOK
です。






調べていくと1回目は
円盤Aの5が、4.5+6×1=10.5秒
円盤Bの4が、3.2+8×1=11.2秒(8.6~11.2秒の間に針を通過する)
で、
2回目は
円盤Aの4が、4.8+6×2=16.8秒
円盤Bの5が、1.6+8×2=17.6秒(16~17.6秒の間に針を通過する)
です。

ですから、
20を示している時間は円盤Aの4が通過する、
16.8秒から17.1秒の間とわかります。




2014年度の桜蔭中の大問Ⅴに通じるような問題です。


調べつくせば答えが見つかることはわかりますが、
それを制限時間内に処理するためには、
何に着目すればよいかを考える必要があります。


調べつくす問題に出会ったときは、
まずは調べる、
次により簡単に調べられる方法を考えるのように、
異なる方法で解き直すことで、
このような問題に対する力をつけていきましょう。


中学入試の算数問題2015年03月14日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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