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ゴールデンウィークから夏休みまでの学習(1)

受験算数と塾の使い方2015年05月02日18時00分

「第232回 ゴールデンウィークから夏休みまでの学習(1)」


ゴールデンウィークも今日で中間点です。
前半戦は計画通りの学習ができましたか?

ゴールデンウィークが明けると、
6年生は夏期講習や志望校別特訓の
受講コースやクラスが決まるテストを迎えます。

そこで今回は、
そんな大テストで得点を挙げるために、
どんな力が必要かを考えてみます。

5年生の場合は、
「そんな力を6年生になったときに身につけているには」
という視点でみてもらえればと思います。

題材とする問題は、
4月に行われた
「四谷大塚 第1回 合不合判定テスト」
から選びました。



四谷大塚 2015年 第1回 合不合判定テスト 算数より

大問8 A、B、Cの3つの商店が、ある品物をすべて同じ値段で120個ずつ仕入れて売りに出したところ、次のようになりました。
A商店:ある定価をつけて売りに出しましたが、仕入れた分の1割が売れ残ってしまい,売れ残った分は捨てました。
B商店:A商店より30円安い定価をつけて売りに出したところ、すべて売れました。
C商店:A商店と同じ定価で75個売り、残りは定価の4割引きにしたところ、すべて売れました。
その結果、A商店とB商店の利益は等しくなり、C商店の利益は5400円になりました。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) A商店は1個何円の定価をつけて売りに出しましたか。
(2) A商店の利益は何円でしたか。









全9問のうちの大問8ですから、難しい問題だと予測されます。

そこで、この問題を解くために
まずは次のことを確認しましょう。


□ 何に関する問題なのか、わかりますか?
□ 条件をどのように整理するか、決められますか?




20150429110036.jpg

算数の問題を解く流れは右の図のようになりますが、手順1の「仮定(問題文中の条件を正確に把握する)」に進むためには、
この2つのことができなければいけません。


☑何に関する問題なのか、わかりますか?
→ 損益売買算(売買算・商売に関する問題など)

☑条件をどのように整理するか、決められますか?
→ 販売個数が複数(多数売り)なので表




すると、この売買損益算の「仮定(条件)」は次のように整理することができます。


20150428175434.jpg




この仮定からさらにいくつかのこと(数値)が計算できます。

20150428175628.jpg



これで本文の条件は全て整理できましたから、手順1が完了したことになります。



そこで、次は手順2です。


手順2は
「答えを出すのに必要なこと(○○がわかれば答えが求められる)」
というステップです。


やさしい問題は「階段を一気に駆け上がって」正解にたどり着けますが、
難しい問題はそれができないため、
「階段を1段降りて、手順1でわかったことに近づく」
ということが必要なのです。

そのヒントは、小問の文中にあります。

「A商店は1個何円の定価をつけて売りに出しましたか。」

文中の「定価」という言葉から3つの式がヒントとして出てきます。

ア:原価+見込んだ利益の額=定価
イ:原価×(1+見込んだ利益の割合)=定価
ウ:定価×個数=売上合計



アであれば原価と見込んだ利益の額、
イであれば原価と見込んだ利益の割合、
ウであれば個数と売上合計 がわかれば、定価もわかります。



手順1の仮定からわかったこと、
手順2の何がわかれば答えが求められるか、
この2つを結びつける作業が手順3です。



手順1でわかったことの中に、
アに必要な見込んだ利益の額、
イに必要な見込んだ利益の割合はありませんでしたが、
ウに必要な個数と売上合計はあります。


さらに表をよく見ると、
A商店とB商店では、仕入合計と利益合計が同じですから、
「仕入合計+利益合計=売上合計」より、
売上合計も等しいことがわかります。

20150428180440.jpg


つまり、
1080○=1200○-3600円 → ①=30円 → ⑩=300円 
が(1)の答えと求められます。



なお、別解のように比を利用すれば、より簡単です。

【別解】
売上の比 A商店:B商店=1:1
個数の比 A商店:B商店=9:10 
定価の比 A商店:B商店=⑩:⑨
              ↓
           差①=30円 → ⑩=300円



次は(2)です。

(1)でA商店の定価が300円と求められましたから、
手順1の「わかること」が増えました。

20150428180546.jpg


手順2のヒントは、
(2)の文中「A商店の利益は何円でしたか」の「利益」にあります。


文中の「利益」という言葉から3つの式が出てきます。


ア:原価+実際の利益=売価
イ:仕入総額+利益総額=売上総額
ウ:1個あたりの利益×個数=利益合計


未だ問題を解くのに利用していないC商店について、
イの「仕入総額+利益総額=売上総額」が使えます。


原価×120個+5400円=22500円+8100円 → 原価=210円


どの店も仕入が同じですから、
32400円-210円×120個=7200円 がA商店の利益です。


なお、別解のように
「仕入総額+利益総額=売上総額」の線分図を利用すれば、
より簡単です。


【別解】
線分図に表すと

20150429110224.jpg



となりますから、5400円+1800円=7200円 とわかります。





このように難しい問題を解くためには、2つの異なる力が必要です。


ひとつは

手順1 仮定(問題の条件)から、わかることを整理する
手順2 結論(求める答え)から、何がわかれば良いかを探し出す
手順3 1の何と2のどれが結びつくかを考える

という、問題を解くための考え方(=問題解決力)です。



そしてもうひとつが

□ 何に関する問題なのか
□ どのように整理をするのか
□ 問題文中の用語(ヒント)に関係があるのはどんな算数の知識なのか

という、問題を解くための算数力(計算力・知識・解法・整理力)です。




塾の授業は「算数力」が中心となり、
難しい問題を解くために必要なもうひとつの力、
「問題解決力」は家庭学習(特にテスト直し)で
養っていくことになります。



難しい問題解くためには2つの力が必要であること、
そしてそれらをどこで伸ばしていくのか、
これらを意識してこれからの学習ができるといいですね。

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受験算数と塾の使い方2015年05月02日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。