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夏休みに成績を上げる準備5 浜学園編

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受験算数と塾の使い方 2015年06月20日18時00分

第239回 夏休みに成績を上げる準備5 浜学園編」

前回までは
関東エリアと全国規模の大手進学塾について、
夏休みに成績を上げるために
どのような準備をしておくとよいかをみてきました。


今回は
主に関西エリアに教室がある、
浜学園の夏期講習で成績を上げていく方法について考えます。



浜学園の夏期講習(小6)の特徴は、
7月から始まる日曜志望校別特訓と連動している点にあります。

その日曜志望校別特訓は3期に分かれ、
夏期講習を含む7~8月期には、以下の3コースがあります。

【浜学園 日曜志望校別特訓 7~8月期 夏期講習を含む】
20150620103106.jpg

※最難関コースは主眼校だけを、難関コースは主眼校の一部を掲載しています。


この表中の「受講基準」については、
5~7月の公開学力テスト、
4月、6月の合否判定学力テストのうち,
どれか1つのテストで
平均偏差値が受講基準を満たしていれば、
そのコースでの受講が可能になるというものです。

この受講基準については、浜学園からの案内には次のような注意点も示されています。
20150620103330.jpg



浜学園の夏期講習で成績を上げていくためには、
まず、この受講資格をクリアし、
夏期講習を希望のコースで受けられるようにすることが
必要ということです。


それでは、その基準の対象となる合否判定学力テストについてみてみましょう。


算数のテストは、算数Ⅰと算数Ⅱの2つのテストからなっています。
20150620103444.jpg



上記のテストの正答率(単位はパーセント)をみてみますと、

算数Ⅰ
(1)94.4 (2)95.8 (3)86.7 (4)80.6 (5)81.3 
(6)91.9 (7)73.4 (8)73.9 (9)50.2 (10)70.4 
(11)23.6 (12)64.5 (13)21.4 (14)71.3 (15)12.7 
(16)3.6 (17)3.5 (18)13.1 (19)1.9 (20)3.2

算数Ⅱ
1(1)79.1 (2)42.2 (3)63.9 
2(1)92.2 (2)61.1 (3)26.7 
3(1)23.3 (2)29.7 (3)11.3 (4)20.5
4(1)82.8 (2)31.2 (3)7.0 
5(1)66.6 (2)33.7 
6(1)88.8 (2)9.4 
7(1)53.1 (2)3.6 (4)5.0

となっています。


受講基準=偏差値56を目指す場合、
正答率50%以上の問題をすべて正解させ、
さらにそれよりも難しい問題を少し正解できれば達成できそうです。


となると、
上記のテストの場合、
正答率20~30%の問題を正解できるかどうかが
鍵のようです。


算数Ⅰであれば(11)(13)、
算数Ⅱであれば大問2(3)、大問3(1)(2)(4)
ということになります。


それらは、どのような問題でしょうか。


浜学園 合否判定学力テスト 2013年度 第2回 算数Ⅰより

(11) ある長方形のたての長さを8cm長くし、横の長さを25%短くすると、もとの長方形と同じ面積の正方形ができます。もとの長方形の面積は(  )cm2です。







20150620103744.jpg問題文を図にすると右図のようになりますから、
☆印の長方形の面積が等しいと分かります。


面積が等しい☆印の長方形について考えると、
横の長さの比が、赤:青=75%:25%=3:1 ですから、
たての長さの比は、赤:青=1:3 です。

8cm×3=24cm…青斜線の長方形のたての長さ
8cm+24cm=32cm…正方形の1辺の長さ
32cm×32cm=1024cm2…正方形の面積=長方形の面積 とわかります。



正答率は23.6%ですが、
普段の家庭学習から「問題の図を自分で書く」練習をしていると、
正解することはさほど難しくない問題といえるでしょう。


家庭学習も、
模擬テストや入試をみすえた取り組みができるといいですね。




では、算数Ⅱの問題はどうでしょうか。


浜学園 合否判定学力テスト 2013年度 第2回 算数Ⅱより

大問2 たて32cm、横68cmの長方形をできるだけ大きな正方形のタイルですきまなくしきつめるとき、その正方形の1辺の長さは4cmです。この4は、32と68の「最大公約数」といえます。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 72と162の最大公約数を求めなさい。
(2) 551と116の最大公約数を求めなさい。
(3) 2414と5183の最大公約数を求めなさい。








正答率が26.7%の(3)をみていきます。


「長方形をできるだけ大きな正方形のタイルですきまなくしきつめる」
という大きなヒントが
本文中にありました



「最大公約数を授業で習ったとき、
長方形を正方形のタイルでしきつめる話を聞いていますよね? 
それを思い出して解いてください」

というヒントです。

20150620104036.jpg

5183cm÷2414cm=2枚あまり355cm
2414cm÷355cm=6枚あまり284cm
355cm÷284cm=1枚あまり71cm
284cm÷71cm=4枚


1辺の長さが71cmの正方形で
1辺284cmの正方形を敷きつめることができますし、
1辺の長さが284cmの正方形で
1辺355cmの正方形を敷きつめることができますので、
結局は、
1辺の長さが71cmの正方形でも敷きつめられます。

ですから、答えは71です。



正答率が26.7%と低いのは、
「最大公約数」という言葉に引きずられ、
「すだれ算」で求めようとして
「71」という大きな素数を発見できなかったせいではないかと
思います。



問題文を前から順に読んで、
文中のヒントを見落とさないようにしていきましょう。



このようにみてきますと、
合否学力判定テストは「難しい」と思われがちですが、
家庭学習を「基本に忠実(読む・書く)」に取り組むことで
十分に得点が期待できそうです。


知識の確認という点においては
テストまでの振り返り学習が大切ですが、
試験中のアウトプット(答案作成)力を高めるには、
日々の家庭学習も重要だといえそうです。


これからですと
夏期講習の受講基準の対象となるテストは、
6月の第2回合否判定学力テスト、
7月の公開学力テストの2つがあります。


「条件を整理する」「問題文を前から順に読む」など、
知識以外の力も使って得点をアップさせ、
夏期講習を希望のコースで受けられるといいですね。

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受験算数と塾の使い方 2015年06月20日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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