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新学年の準備を始めませんか

受験算数と塾の使い方2015年08月29日18時00分

「第249回 新学年の準備を始めませんか」

週が明ければ、いよいよ9月です。

6年生はこれから入試にむけ、
優先順位はあるものの、
ひたすら問題を解くことになります。

では5年生はどうでしょう。

5年生は6ヶ月後にはカリキュラムが6年生用にランクアップし、
また多くの塾で志望校別の授業など、
日曜日の特訓授業が新たに加わります。

このとき理想的なのは、
どの志望校別のコースや講座であっても、
できるだけ上位のクラスで授業を受けることです。

それぞれのコースや講座の教材・テストは、
上位クラスを基準として作成されていますので、
上位クラスであればあるほど、
そのコースや講座の効果を大きくできるのです。

そのために必要なことは2点です。

1点目は9月以降のテストで好成績を収め、
上位クラスに入る資格を得ることです。

この点は、どなたもご存じのことと思います。

2点目は、
6年生の、しかも志望校別という
最もハイグレードな授業レベルに
ついていくための素地作りです。

6年生での伸びという点から考えると、
この素地作りは非常に大切です。

というのも、
5年生の学習は特別な授業や講座を除き、
「そこそこの力」があれば、
何とか正解を得ることが可能なレベルの問題が多いのですが、
志望校別の授業ともなれば、
・問題を解くための糸口の見つけ方、
・問題条件の整理の仕方、
・実際に問題を解くための解法知識、
・失点しないためのノートの作り方 など、
5年生では余り必要としなかった力を多く使うことになります。

もちろん、
6年生の学習や志望校別の授業でも、
それらの力がつくようにプログラムされていますが、
その素地が全くない状態で受講するのと、
ある程度準備ができているから
より高度な内容もすっと身につけられるという状態とでは、
6年生前半のスタートダッシュで大きな差がつきかねません。

幸い5年生の9月以降のカリキュラムは、
7月までと比べてレベルが上がるように作られています。

6年生になって必要とする、
糸口の見つけ方、条件整理の仕方、問題を解く解法知識などの
力を鍛えるのに、ちょうど良い単元や問題に触れるチャンスです。

これらの単元や問題を、
これまで通りの解き方で取り組むか、
6年生になったときのことを考えて取り組むか、
チャンスの活かし方次第で差がついていきます。

元旦がそうであるように、
月の変り目は何かを切り替える絶好の機会です。

「5年生後半の計は9月1日にあり」
というようなスローガンを掲げ、
問題への取り組み方を変えることができれば最高だと思います。

また、
その取り組みの達成度合いを定期的に確認して、
計画に修正を加えていくことも必要ですが、
その確認用に適しているのが
志望校判定模試のようなテストです。

サピックスであれば、
志望校別診断サピックスオープンです。

第1回は9月6日ですから現状把握と課題の発見に有用ですし、
第2回は11月なので達成度合いを知ることができます。

浜学園でも、第1回小5志望校判定模試が9月23日にあります。
サピックスほどではありませんが、
テストまで日数がありませんから、
現状と課題の把握用といえそうです。

小5志望校判定模試の第2回は1月です。

こちらは新学年の直前期ですから、
5ヶ月間の取り組みの成果を確認できます。

そこで、
このように新学期を見越した学習の成果を確認するテストで、
実際にどのような問題が出題されているのか、
みていきます。




2013年度 浜学園 第1回志望校判定模試 算数Ⅰより

問題⑨ 光は1秒間に地球を7周半します。地球1周は40000kmとします。また音の速さはマッハで表し、マッハ1が秒速340mとするとき、光の速さを百の位で四捨五入すると、マッハ(  )になります。









簡単そうに見える問題ですが、この問題の正答率は13%です。

「問題条件の整理の仕方」を習得していないと、不正解になる好例でしょう。


光 1秒間...40000km×7.5周...マッハ( ? )

音 1秒間...340m..................マッハ1


のように整理すると、
「40000km×7.5は、340mの何倍ですか」と同じ問題だとわかります。

あとは、40000km×7.5÷340m という計算ですから、
40000×1000×15/2×1/340 のように分数の式に表し直し、
約分をすると 15000000÷17 という
簡単な割り算で答えを求めることができます。

割っていくと百の位が3となるので、
882000が答えとわかります。

以上からこの問題は、
「問題の条件を整理する
→ 計算間違いをしにくい方法で計算をする 
→ 条件に適合した答えを書く」
という学力の測定に役立ちます。


もう1問、みてみます。


問題⑱ A地点からB地点までは上りで、B地点からC地点までは下りになっています。太郎君が、A地点からB地点を通ってC地点まで行くのに、3時間50分かかりました。同じ道をC地点からB地点を通ってA地点まで帰るのに3時間10分かかりました。太郎君が上りを歩く速さは毎時3km、下りを歩く速さは毎時6kmです。このとき、AC間の道のりは(  )kmです。









速さの坂道問題の基本形ですが、正答率は13%でした。

解法知識が不足していたのでしょう。

20150828155309.jpg

整理方法は線分図でもダイヤグラムでもOKです。

ポイントは、
距離が同じであれば「速さの比と時間の比は逆比」を利用して、
消去算で解く
という点です。


②+1□=3時間50分 
①+2□=3時間10分 なので、
①+1□=7/3時間、
①-1□=2/3時間  とわかり、
②=3時間 が求められます。

従って、
3km/時×3時間+6km/時×5/6時間=
14km 
がAC間の道のりです。



難関中を目指すのであれば、
坂道問題のような定番問題の解法は5年生で身につけ、
2月から志望校別の授業を受けて力を伸ばすための応用問題に
取り組める準備が必要です。

その意味でこの問題も学力の測定に有効だと思います。

志望校判定模試のようなテストになると、
このような標準的な問題でも正答率が低くなるのは、
テストに「易問」が少なく、
「頭のスタミナ」を失っていくことも理由のひとつです。

しかし、
整理力や解法知識を身につけていくとスタミナの消耗を防ぐことができ、
結果としてテストでの好成績につながっていきます。

6年生になるまで、まだ5ヶ月間あります。


問題への取り組み方を進化させ、
6年生になったときに、
志望校別のコースや講座を
上位のクラスで受けられるようになるといいですね。

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受験算数と塾の使い方2015年08月29日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。