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小5志望校診断サピックスオープンの振り返り(後半)

算数の成績アップ勉強法2015年09月26日18時00分

「第253回 小5志望校診断サピックスオープンの振り返り(後半)」

前回は、
9月6日に実施されました
「小5 志望校診断サピックスオープン」の前半について
見ていきました。

今回は、
「小5 志望校診断サピックスオープン」で
高得点をあげるために正解が必要なテスト後半の問題、
Bタイプの問題について
振り返りとこれからの学習方法について考えていきます。




2015年度 SAPIX 志望校診断サピックスオープン 5年算数 より

大問8 ある立体の2つの頂点を直線で結んだときに、その直線が立体の内部を通る場合を、その立体の対角線と呼ぶことにします。例えば、(図1)の立方体では、BHが対角線となり、(図2)の六角柱では、AIやAJやAKが対角線となります。
20150921174450.jpg

(図1)の立方体の対角線は、BHのほかにも、AG、CE、DFがあり、全部で4本あります。BDのように表面だけを通る線は立体の対角線とは考えないこととします。次の問いに答えなさい。
(1) (図2)の六角柱の対角線か全部で何本あるかを考えます。下の文章のア~ウにあてはまる数を答えなさい。

 六角柱の1つの頂点からは、(図2)のように3本の対角線を引くことができます。
 六角柱の頂点は全部で(ア)個あるので、
 3×(ア)÷(イ)=(ウ)より、六角柱の対角線は全部で(ウ)本あります。


(2) (図3)の立体は20枚の正三角形で作られています,
① この立体の頂点は何個ですか。
② この立体の1つの頂点から、何本の対角線を引くことができますか。
③ この立体の対角線は全部で何本ですか。
20150921174651.jpg
            
(3) (図3)の立体の辺を3等分した点で、(図4)のようにすべての頂点を切断すると(図5)のような立体ができました。この立体の対角線は全部で何本ですか。
20150921174710.jpg







     
【解き方】
20150921174841.jpg(1) 多角形(平面図形)の対角線の合計本数の公式は、
1つの頂点から引ける対角線の本数×頂点の数÷2 です。

このとき2で割る理由は、
頂点Aから頂点Cへ引く対角線と頂点Cから頂点Aへ引く対角線が重なるので、
2本の対角線が実際には1本だからでした。

問題の六角柱でも、
頂点Aから頂点Iへ引く対角線と、頂点Iから頂点Aへ引く対角線が重なりますので、
「1つの頂点から引ける対角線の本数×頂点の数÷2=対角線の合計本数」となります。
 → ア=12、イ=2、ウ=18



対角線の本数を求める公式を学んだときに、
2で割る理由まで理解できていれば、
この問題は正解可能です。



この問題のように、
これからの学習は「暗記」中心から「思考」中心に変わっていきます。


覚えるだけから、
理由も合わせて理解する学習に
取り組んでいきましょう。




20150921174909.jpg(2)-① 図が与えられていますから、数えることで正解できます。

数えて正解できた場合は、
計算でも求めてみましょう。

「20枚の正三角形で作られています」から、
この立体を正三角形にバラすと、
頂点は全部で 3個×20枚=60個 です。

図3を見ると、
どの頂点も5枚の正三角形が集まっていますから、
バラバラにしたときの頂点5個がくっついて立体では1個になります。

ですから、
3個×20枚÷5=12個 
のように計算することができます。




20150921175009.jpg(2)-② 「表面だけを通る線は立体の対角線とは考えない」
というこの問題のルールに気をつけながら、
与えられた図を使って、数えていきます。

右の図のように、
5+1=6(本) の対角線を引くことができます。



(2)-③ これまでと同じように、
「1つの頂点から引ける対角線の本数×頂点の数÷2=対角線の合計本数」
となりますので、
6×12÷2=36(本) が答えです。




この問題も「2で割る理由」が理解できていれば、
問題の誘導にのって③まで完全正解ができます。




(3) (2)と同じように、
「頂点の個数」
「1つの頂点からひくことができる対角線の本数」
の2つのことがわかれば正解ができます。

頂点は、
20150921175052.jpg右図のように図3の頂点が1個なくなる代わりに、
図5の頂点が5個できます。

図3の「すべての頂点を切断」するのですから、
右図と同じことが12回くり返され、
5個×12=60個 が図5の頂点の個数とわかります。

次に
1つの頂点からひくことができる対角線の本数の数え方ですが、
図5の図形は前から見えない部分が書かれていませんので、
「見えない部分に向けて何本の対角線を引くことができるのかを考えるのは難しい。
じゃあ、対角線を引くことができない頂点を数えよう」
のように、
「余事象」の考え方を利用します。

頂点を切断してできた五角形は、
周りを5つの六角形に囲まれていますので、
20150921175129.jpg右の図のように、
赤い頂点から青い頂点に引く線はすべて「表面だけを通る線」なので、
立体の対角線にはなりません。

ですから、
赤い頂点からは、
60個の頂点の内、赤い1個と青い11個の合わせて12個には
対角線が引けないことがわかりますので、
1つの頂点からひくことができる対角線の本数は 
60-12=48(本) です。

あとは
「1つの頂点から引ける対角線の本数×頂点の数÷2=対角線の合計本数」
にあてはめて、
48×60÷2=1440(本) が答えとわかります。


一見大変そうな大問8ですが、
対角線の総本数を求める公式中にある「÷2」の理由、
たくさんありすぎて数えられないとき「全体から不要なものを引く」という考え方、
この2点が身についているだけで、
配点20点のこの大問を、
短い時間で正解することが可能です。

これまでの学習が
「公式の丸暗記」
「目についたところから手当たり次第に調べる・書き出す・計算する」
になっている5年生で、
11月の「小5 志望校診断サピックスオープン」の
Bタイプ問題を正解したい場合は、
「理由」や「考え方(解き方の方針)」を
これからの学習に加えていけるといいですね。

次回は、Bタイプの問題を正解するために、
「サピックスのテキストをどう活用すれば良いのか」
ということについて考えていこうと思います。

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算数の成績アップ勉強法2015年09月26日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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