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小5の学年末の実力テストに向けた学習方法

算数の成績アップ勉強法2015年09月12日18時00分

「第251回 小5の学年末の実力テストに向けた学習方法」

前回は
サピックスの「第1回 志望校診断サピックスオープン 小5」を例に、
9月に実施される実力テストの問題を
お子さんがどのように解いているかを見ることで、
学年相応の解き方が身についているかどうかがわかり、
現時点での課題が浮かび上がってくることについて考えました。

そこで今回は
小5の学年末に行われる実力テストではどのような問題が出題され、
どのような力が測られるのかを、
「2013年12月23日実施 日能研 全国公開模試 PRE合格判定テスト」
を例に見ていきます。

20150909160341.jpg

大問1の計算は7題あり、
小問(1)(2)は非常に易しい問題、
小問(3)は分配のきまりを使うと計算が楽になる問題、
小問(4)は小数を分数に直す判断が必要な問題、
小問(5)は逆算の基本問題、
小問(6)は計算手順の多い逆算問題、
小問(7)は長さの単位換算をする問題です。

単位換算はこれまで見てきました、
どの塾のテストにも出題されています。

長さ、面積、体積、重さ、時間、速さの
いずれかに不正確なものがある場合は、
この実力テストまでには修正しておきたいところです。

少し式が長めの逆算問題の正答率が
100%ではない場合も同様です。

概ね、
大問1の配点は各5点ですから、
1~2題を失点するだけで、
4科目総合の順位や偏差値で大きく損をしてしまいます。

大問2は「1行問題」です。

「1行問題」の名前の通り、
小問(1)~(3)は1行の計算で解くことができます。

小問(4)の仕事算も「2人でいっしょにすると~」という基本問題ですし、
小問(5)のカード並べも「3枚のカードから2枚~」ですから、
書き出しでも簡単に求められます。

大問2も各5点で、大問1と合わせると
150点満点中の65点(全体の約43%)ほどの配点があります。

多くの塾で毎月1回、
公開模試や公開学力テスト等の名称でテストがありますが、
そのテストの計算問題や1行問題で失点をしているようでしたら、
その理由を明確にして対策に取り組み、
学年末の実力テストまでに解消しておく必要があります。

大問3以降は、
小問(1)が不正解ですと小問(2)以降の正解が難しい構成の問題で、
小問(1)の出来によって、
得点差が一気に広がる問題です。

具体例を見てみましょう。



2013年度 日能研 PRE合格判定テスト 5年算数 より

大問4 姉と妹がお金を出し合って、ある品物を1個買いました。姉は持っていたお金の1/2を出し、妹も持っていたお金の1/2を出したところ、ちょうど品物1個分の代金になりました。このとき、姉は妹より400円多く出しました。また、品物を買う前に2人が持っていたお金は、合わせて4000円でした。次の問いに答えなさい。
(1) この品物の代金は何円でしたか。
(2) 品物を買う前に姉が持っていたお金は何円でしたか。








【解き方】
20150909160659.jpg(1) 右のような面積図を書くと簡単です。4000円÷2=2000円






(2) 合わせて2000円を出し、
また、姉は妹より400円多く出しましたから、
和差算で解くことができます。

20150909160747.jpg

(2000円+400円)÷2=1200円...姉が出した金額
姉は所持金の1/2を出していますから、1200円×2=2400円

【別解】
20150909160813.jpg

(4000円+800円)÷2=2400円...姉の所持金

小問(2)の答え(姉の所持金)を先に求めてから、
品物の代金を求めることもできます。

問題の誘導がわかりにくければ、
小問(2)から解いても構わないと思います。



さて、
この問題が正解できるようになるポイントは2つです。

1つ目は、
「加比の理」を理解し、使えるようになっているかという点です。

この問題でいえば、
品物の代金=姉の所持金の1/2+妹の所持金の1/2 → 品物の代金=2人の所持金合計1/2 
という考え方のことです。
※「分配法則」を利用する、品物の代金=姉の所持金の1/2+妹の所持金の1/2=(姉の所持金+妹の所持金)×1/2 でもOKです。

ただ、
「加比の理」を利用する問題は余り多くありませんから、
気づかなかったり忘れていたりするかも知れません。

その代わりとなるものが面積図と線分図で、
これが2つ目のポイントです。

面積図で大切なことは、
「縦・横・面積が何を表しているか(条件の整理)」
「できるだけ面積図全体を長方形にしていく(解き方の方針)」
の2点です。

5年生の9月時点ですと、
まだこの2点を意識できていないケースも多いでしょうから、
冬までの学習を通して、
「何がわかっていて、どんな方針で解こうとしているか」
を少しずつで構いませんので、
説明ができるようになりましょう。

一方、
線分図の学習は基本と応用の2段階に分かれます。

和を利用する直線型線分図、
差を利用する階段状線分図の使い分けが基本となり、
階段状線分図では本問の別解(1つ目の線分図)のように、
「共通部分を左に寄せて書く」
という書き方も押さえることが必要です。

線分図の応用は、
「もとの階段状線分図を○倍してそろえる → 差を読み取る」(別解の線分図)
ができるようになることです。

この応用がどのくらいできるようになるかが、
比と割合の文章題や特殊算(差分け算や消去算など)の
得点力に関わってきます。

応用のポイントは「共通部分をそろえる」です。

冬までに問題演習を通して身につけていくようにしましょう。



ご紹介した大問4は
小問(1)が正解できれば小問(2)も正解できる(逆順も可)という、
「芋づる式」の問題でした。

2問とも正解できるか、2問とも不正解かで
10点以上の点差がついてしまいます。



もう1問ご紹介します。


大問6 もえさんは7月生まれで、もえさんのお母さんは今年(西暦2013年)の10月に40歳になりました。2013年の10月の20年後のお母さんの誕生日では、お母さんの年齢はもえさんの年齢のちょうど2倍にあたります。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) もえさんは西暦何年生まれですか。
(2) もえさんの5歳の誕生日の次の月に弟が生まれました。お母さん、もえさん、弟の3人の年齢の和が初めて100歳になるのは西暦何年の何月ですか。








【解き方】
20150909161207.jpg(1) 問題の条件を整理すると右のようになります。

40歳+20歳=60歳...20年後のお母さんの年齢 
60歳÷2=30歳...20年後のもえさんの年齢 
30歳-20歳=10歳...2013年のもえさんの年齢 

2013年の誕生日でもえさんが10歳になることがわかりましたので、
2013年-10年=2003年 がもえさんの生まれた年です。


(2) こちらも問題の条件を整理します。
年令算を整理するときは、基本問題はすぐに線分図を書いて解けますが、
条件が多い場合は、いったん
「○○年と名前を縦・横にした表」
に整理するとスッキリします。

20150909161326.jpg

上の表のようにまとめると、
「表の空欄を埋めていくといいんだな」
という方針が見えやすくなります。

20150909161445.jpg

2013年から和が、100歳-55歳=45歳 増えたときが答えですから、
45歳÷3歳=15年後 とわかります。

このとき3人ともが15歳年をとっていなければいけませんから、
3人ともが誕生日をむかえている10月とわかり、
答えが 西暦2028年の10月 と求められます。

【(2)の別解】
「①年後に3人の年齢の和が100歳になる」のように、
①解法を利用することができます。

20150909161502.jpg


2013年(2008年でもOKです)の年齢の和に着目すると、
40歳+①歳+10歳+①才+5歳+①才=100歳 → ③=45 ①=15 より、
15年後を求めることができます。


大問6は大問4と異なり、
小問(1)を正解できたからといって小問(2)を正解できるとは限りません。

その点からいえば、
大問4ほどは差がつきにくい問題です。

しかし、
小問(1)は難度が高いわけではありませんから、
絶対に正解しなければいけません。

実力テストは復習テストや確認テストとちがって、
小問(1)が難しい問題もあります。

その見極めもテストを受けることで覚えていくことが必要です。

さて、
この大問6を正解させるためのポイントは2つありました。

1つ目は、
「年令算は大きく3つのパターンがある → パターンに応じた整理をする」
という知識を持っていることです。

2人だけが登場する問題は線分図、
数人の年齢の和を比べる3人以上の問題は表、
おじいさんやおばあさんも登場する大家族の問題は年表風(例:小問(2)の別解のような表)に
整理することを原則としていれば、
題意をつかみそびれる危険性を小さくすることができます。

2つ目のポイントは、
人は毎年1歳年をとることを用い、
規則性(小問(2)では毎年3歳年が増えることを用いています)
または①解法(比例式を併用することもあります)
を使って解けることです。



このように大問4や大問6を見てきますと、
学年末の実力テストで好成績を得るために必要な条件がわかってきます。

①計算問題を全問正解できる筆算や計算式の書き方 
②面積や体積、速さなどの単位換算 
③公式を含む各単元の基本知識 
④面積図や線分図、表など問題の条件を整理する方法 
⑤計算の工夫や①解法、比例式、消去算といった問題を解くための計算技法 

この5つの条件を、
9~12月の学習で身につけることができれば、
実力テストでもかなりの問題を正解できると思います。

そのために、
宿題などで問題を解いた後、答えだけの○×を見るのではなく、
○×にかかわらず、模範解答のように解けているかを確認します。

模範解答を読む力が不足しているようでしたら、
周りにいる方が少し手伝ってあげましょう。

このように、
ただ単元の内容を理解するだけでなく、
上記の5条件をクリアしていくような学習に早く取り組めると良いですね。

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算数の成績アップ勉強法2015年09月12日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。