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実力テストは振り返りが大切です

算数の成績アップ勉強法2015年09月05日18時00分

「第250回 実力テストは振り返りが大切です」

前回は5年生の間に行われる実力テストのひとつとして、
浜学園の「第1回 小5志望校判定模試」を見てみました。

このテストは算数Ⅰと算数Ⅱの2つのテストをお子さんに課すことによって、
基本問題から最上級レベルの問題まで、
幅広い分野において実力の度合いを測ることが可能になっていました。

そこで今回は、
算数ⅠとⅡに分かれていないテストの例として、
サピックスの「第1回 志望校診断サピックスオープン」について
考えてみたいと思います。

サピックスの「第1回 志望校診断サピックスオープン」は、
5月に実施されました「実力診断サピックスオープン」に続く、
2回目の実力テストです。

サピックスでは、
組分けテストやマンスリー確認テストが授業の一環として行われ、
これらのテスト結果によってコースの昇降があります。

しかし、
この「志望校診断サピックスオープン」は、
お子さんの問題適性を診断するためのテストと位置づけられており、
Aタイプ(基礎力・問題処理能力重視)と
Bタイプ(思考力・記述力重視)の2タイプの問題に対する、
現時点での実力を測るテスト(引用元:サピックスHP)となっています。

浜学園の「小5志望校判定模試」のように2つのテストは課しませんが、
内容面でA、B、2タイプの問題によって構成されているのです。

実際に2012年度の問題の出題について調べてみました。

20150903174150.jpg


大問1~5までがAタイプ中心、大問6~8がBタイプ中心です。

今年度の「第1回 志望校診断サピックスオープン」は明日ですが、
「新学年の準備」という視点から重要になってくるのが
返却されるテストの振り返り、
つまり月曜日以降の取り組みです。

明日のテストで把握できる現在の実力をもとに、
新学期までにどのような点から強化していくかの
計画作りと実行という取り組みです。

テストで正解できない理由には、
計算間違い(間違いにくいように計算を工夫することができないなども含みます)
問題条件の読み間違いや読み落とし(長文問題に対する拒絶感・苦手意識なども含みます)
解法知識の不足(条件整理の仕方を含みます)
正解できる答案過程の書き方が未完成(字が乱雑であることも含みます)
時間不足
問題選択の誤り(時間内に今の実力で正解できるかどうかの判断)
などがありますから、
テストを振り返る際にはこのような視点からも振り返り、
課題に応じて取り組めるといいと思います。

では、
実際の問題を用いて、
具体的なチェック例をみてみましょう。




2012年度 サピックス 第1回 志望校診断サピックスオープン 5年 より

大問2-(5) 2けたの整数のうち、奇数をすべてたすと(  )になります。








2桁の整数は10から99までですから、
11+13+15+...+97+99 の計算をしなさい
ということです。

順々にたしていっても構いませんが、
5年生の9月時点での解き方としては、
残念ながら、少し物足りない解き方です。

一方、
整数を外側から2個ずつたしていくと、どの組も110になるので、
「110×組の数」という計算で求めようとしていれば、
「左右の対称性が利用できる」という
5年生相応の解法知識があると判断できます。

20150903174415.jpg


あとは「組の数」の求め方です。

【考え方1】
99-11+1=89 89÷2=44あまり1 44+1=45 45÷2=22あまり1 110×22+55=2475 

【考え方2】
99-9=90 90÷2=45 45÷2=22あまり1 110×22+55=2475 

【考え方3】
99+1=100 100÷2=50 11+1=12 12÷2=6 50-6+1=45 45÷2=22あまり1 110×22+55=2475 


「組の数」を求め方はいろいろありますが、
概ね、この3通りの考え方のどれかに近いと思います。

考え方1は、
連続する整数のうち半分は奇数、半分は偶数
という考え方が使えるお子さんです。

考え方2は
それに工夫を加え、
10~99の90個の半分が奇数
という計算をしているお子さんです。

考え方3は、
偶数は2の倍数であることを利用しています。
5年生で学ぶ倍数の見分け方という解法知識が利用できています。

ただ、
いずれの場合も、22組しかできませんので、
残った1個の奇数が55であることを求めなければいけません。

中には
110×22.5=2475 
という求め方をしているお子さんがいると思いますが、
「22.5組」について、
意図的にそのようにしたのか、
あるいは深く考えずにしたのかは、
確認しておく方がよいと思います。

「組の数」はふつう整数ですから、
小数を用いたことについての確認です。

意図的であった場合は、
1歩踏み込んで、
55は11と99の平均だから、55×45=2475 とすると簡単だね」
というところまで振り返ることができると、
学力を1ランクアップできます。

またこれらとは別に、
(11+99)×45÷2 
といった、
等差数列の和の公式を使って解くお子さんもいることでしょう。

これも5年生らしい解き方で、
「組の数」がいくつかという点を考えずにすむメリットがあります。

さらに、
50×50-5×5=2475
という解き方もあります。

これは、
1からの奇数の和=(奇数の個数)×(奇数の個数)
という特別な解き方の応用ですから、
9月時点で使えていなくても、
これから使えるようになればOKです。

このように
「中級」レベルの問題には正解を得る方法が複数ありますから、
解き方とその理由によって、
5年生の9月相応なのか、
正解はしたけれど解法知識が5年生としては不十分なのかを
確認することが可能です。

そして不正解であった場合も、
正しい解き方をたどろうとしていたのに、
途中で失敗があって不正解になってしまったのかを調べることにより、
お子さんのこれからの学習課題がはっきりしてきます。

返却された答案を振り返れば、
正解した問題でも課題が見つかることもありますし、
不正解であったとしても
「狙いは正しい。○○で間違えたので、その点を修正できれば得点がアップできる」
のように具体的な目標設定も可能ということです。

ですから、
今回のテストが返却されましたら、
是非とも振り返りを行って、
新学年にむけた課題の発見と克服のための計画作り、
そしてその計画を実行していけるといいと思います。

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算数の成績アップ勉強法2015年09月05日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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