中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 図形の練習問題 ->小5の学習ポイント3 相似

小5の学習ポイント3 相似

図形の練習問題2015年11月28日18時00分

「第262回 小5の学習ポイント 平面図形2」


今回も、小5で学ぶ「平面図形」の学習ポイントを、
サピックスを例にいくつか見ていきたいと思います。

サピックスで第32回から5回にわたって学習する平面図形のうちの
「第33回 平面図形(2) 相似」について、
「デイリーサポート
(過年度版を参考にしていますので、2015年版とは異なることがあります)」
に取り組むときのポイントや
「組分けテスト」、6年生の学習につながる工夫の仕方について考えてみます。




「第33回 平面図形(2) 相似」の注意点


今回は少し大変な回です。

いつもに増して内容が盛り沢山になっているからです。

そんな第33回の学習項目をサポートの掲載順に整理しておきます。

(1) 相似の定義
(2) 縮尺の利用
(3) 三角形の相似(ピラミッド型相似・砂時計型相似・直角三角形の相似)
(4) 三角形と台形の面積比
(5) 台形ペケポン(台形の対角線で作られる三角形の相似比と面積比の関係)
(6) 三角形の相似を利用した問題


6年生の学習に直結する単元は(4)~(6)ですが、
そのためには(3)を「(かけ算の)九九」と同じくらい、
自由に使いこなせるようにならなければいけません。


しかしながら、「繰り返し学習で身につけていく」タイプのお子さんには
(3)の問題数が不足しています。


そのため、(3)を自由自在に使いこなせない状態で、
その応用である(4)~(6)を学びますので、
苦労することが予想されます。


図形が苦手なお子さんは、
場合によっては(1)と(3)の内容だけでも
事前に家庭学習しておく方がよいかも知れません。




「第33回 平面図形(2) 相似」の精度を高めるポイント

相似の問題で「ミス」を引き起こす原因のひとつは、
相似ではない図形に相似比をあてはめてしまうケースです。

中学生であれば「相似条件」を習いますので相似かどうかの判断がつきます。

しかし、小学校の算数では
「形が同じで、大きさの異なる図形」のように
感覚的な習い方をしますので、
結果的に「見た目」で判断をしがちになります。

20151126161632.jpg

中学受験では三角形の相似のほとんどが、
「対応する2つの角が等しい三角形は相似」
という相似条件になっていますから、
まずは「角の大きさ」に着目するように促してあげましょう。


もうひとつの「ミス」は、
面積比の問題で「相似比と面積比の関係」と
「高さの等しい三角形や四角形の面積比(等高図形 第34回で学びます)」を
混同してしまうケースです。


対策として「均等分割(辺に平行な直線で切り分ける)」を覚えておくと、
面積比=(相似比)
2をマスターしやすくなりますし、
前回ご紹介した「ケーキの法則」も理解しやすくなります。

20151126161728.jpg






「第33回 デイリーサポート 平面図形(2)」...重要なポイントを含む問題(抜粋)


【A問題-2】 下の図を見て、次の問いに答えなさい。
20151126161809.jpg
(1) アの図の拡大図はどれですか。全部答えなさい。
(2) ウの図の縮図はどれですか。全部答えなさい。






【重要なポイント】
この問題は「見た目」でも正解できますが、
それでは重要なポイントを見落としてしまいます。

「見た目」で見当をつけたら、
マス目を数えて「傾き」の確認をしましょう。

アとウであれば次のようになります。
20151126161848.jpg






20151126161926.jpg【A問題-3】 右図の平行四辺形EFGHは、平行四辺形ABCDの縮図です。次の問いに答えなさい。
(1) 辺EFの長さは何cmですか。
(2) 角Hの大きさは何度ですか。








【基本の考え方】
20151126162009.jpg
辺FGの長さは対応する辺BCの12/16倍ですから、
辺EFの長さも対応する辺ABの12/16倍になるので、
28cm×12/16=21cmのように計算します。


辺BC:辺FG=4:3なので、
辺AB:辺EF=4:3となり、28:?=4:3 → ?=21(cm) 
のように、
比で計算しても、もちろんOKです。


【その他の解き方】
20151126162044.jpg
上の図より、④=12cm → ①=3cm なので、
⑦=21cm とわかります。


この解き方は「直角三角形の相似」でよく使われます。


基本の考え方だけでも直角三角形の相似の計算はできますが、
こちらの解き方を身につけておくと、
計算速度と正確性をよりアップさせることができます。


A問題-3のように、
2通りの計算方法が分かりやすい問題を演習する段階で、
これらの解き方を習得しておきたいところです。






【B問題-3(1)】
1/25000の地図で縦8cm、横12cmの長方形の面積は□km2です。




【基本的な解き方】
20151126162126.jpg
縮尺は長さの比を表していますので、面積の比は縮尺の2乗です。(8cm×12cm)×(25000×25000)=60000000000cm2=6000000m26km2


この解き方は、辺の長さを求めませんので、
その分だけ計算時間を短縮できます。


ただし、面積の単位換算の「計算ミス」に気をつける必要があります。

1km
2=1000000m2、1m2=10000cm2 や 
1km
2=100ha、1ha=100a、1a=100m2 を、
相似の授業までに確認しておきましょう。


の他に、実物の長さを先に求める方法もあります。
20151126162152.jpg
8cm×25000=200000cm=2000m=2km
12cm×25000=300000cm=3000m=3km
2km×3km=6km
2


B問題-3(1)のように実際の長さが整数値になる問題や、
面積を求める前に実物の辺の長さを求めさせられる問題には、
この解き方の方がピッタリです。




【工夫した解き方】
20151126162220.jpg
上図のように、地図上の1cm
2が実物の何km2にあたるかを
先に計算しておく方法です。


この方法は計算中に「0」があまりつきませんから、
計算が簡単になり、「位取りのミス」を防ぐことができます。


縮尺を利用する問題を苦手とするお子さん(意外と多いものです)は、
これらの3つの解き方の中で
自分に一番ピッタリくる解き方をマスターすればよいと思います。





【C問題-1(1)】 相似形を利用して、図のxの長さを求めなさい。
20151126162247.jpg





【基本的な解き方】
20151126162316.jpg
2つの三角形が相似の関係ですから、
向きをそろえて2つの三角形を書き、計算をします。




【工夫をした解き方とスーパーテクニック】
20151126162343.jpg
辺と平行な直線を書いて、元の図形を均等に分割すると、
より簡単にx=6cmを求めることができます。


基本の考え方の他に、
工夫した解き方(均等分割)を身につけることができれば、
他の問題もより解きやすくなります。
20151126162422.jpg

この均等分割の考え方を使うと、
さらに次のような問題もより簡単に解くことができます。



サピックス 第3回 入室・組分けテスト 新6年(現5年) 算数 2014年1月13日実施 より

20151126162502.jpg大問3-(2) 右の図は、半径16cm、中心角90度のおうぎ形の半径と中心角を4等分した図形です。斜線部分の面積の合計は□cm2です。円周率は3.14とします。









この問題は曲線図形の面積を求める問題ですから、
「第32回 平面図形(1)」で学んだ曲線図形の知識を使って、

20151126162601.jpg

のように解くことができますが、
これに「均等分割」の考え方をつけ加えてみます。

20151126162623.jpg





このように
「第32回 平面図形(1)」と「第33回 平面図形(2)」で学ぶ2つの知識を結び付けると、
一方の知識だけで解くよりも簡単に解くことができます。




「マンスリーはとれるけれど、組分けテストになると点数が取れない」という場合、
複数の知識を組み合わせたり、
ひとつの問題を複数の方法で解いたりして、
中学入試につながる「実戦力」をつけていけるといいですね。

mflog.GIF

図形の練習問題2015年11月28日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.