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2016年度中学入試 女子学院中・東大寺学園中

中学入試の算数問題2016年02月27日18時00分

第275回 「平成28年度 私立中学入試 女子学院中・東大寺学園中」


ここ数回は、2016年度入試で各学校から出題されました、
工夫された問題や特徴的な問題をご紹介しています。


今回ご紹介する学校は、首都圏の女子学院中、関西圏の東大寺学園中です。


女子学院中の入学試験は40分、100点満点です。


今年度は、サンデーショックの昨年度よりは、やや易化しました。


少し難しめの問題もありましたが、
大問4まではいわゆる定番問題で、比較的解きやすい問題でした。


残念なことに、
最後の2題のうち大問6に作問不備があり、全員正解扱いとなったため、
大問4までの失点の大きさが当落を左右したと思われます。


その女子学院中の入試問題からご紹介するのは、大問6です。


日暦算の応用ですが、注意深く取り組めば正解も十分に可能です。


新6年生はチャレンジしてみて下さい。




平成28年度 女子学院中学 入学試験問題 算数 より

大問5 J子さんは、次のようなカレンダーを考えました。1週間は月曜日から天曜日までの8日で、1年は1月から10月までの10か月です。奇数月は37日まで、偶数月は36日まであります。ただし、2016年のように2月29日がある年は、J子さんのカレンダーでは2月37日があり、2016年1月1曰はJ子さんのカレンダーでも2016年1月1日です。この規則に従うと、2026年1月のカレンダーは下のようになりました。
20160225153317.jpg
J子さんのカレンダーでは、2026年1月より後で、木曜日から始まる月は、一番早くて[   ]年[   ]月です。2026年で木曜日以外の同じ曜日から始まる月は[   ]月と[   ]月です。2027年1月1日は[   ]曜日で、2028年3月1日は[   ]曜日です。2028年11月25日は、J子さんのカレンダーでは[   ]月[   ]日になります。








J子さんのカレンダーは、(37日+36日)×5=365日で
1年間の総日数は普通のカレンダーと同じですから、
J子さんのカレンダーの場合、
曜日を「日付÷8の余り」で求めることができます。


「ということは、ぐるぐるカレンダーも使えるはずだ」
と考えが進めば、時間をかけずに正解を得ることができます。


奇数月は37日÷8日/週=4週...5日ですから曜日も5つずれ、
偶数月は36日÷8日/週=4週...4日ですから曜日も4つずれます。



1/1が木曜日ですから、2/1の曜日は5つずれて月曜日、3/1の曜日は4つずれて金曜日...と、
20160225153833.jpg右の図のようになります。









問題前半の答え 2026年8月、3月と10月
 







問題後半も同様に考えます。


平年は365日÷8日/週=45週...5日ですから5つ曜日がずれ、
さらに2028年は閏年なので、1月も2月も5つ曜日がずれて、
20160225153600.jpg右の図のように、2028/3/1が天曜日とわかります。








最後の設問は曜日ではなく、日数の計算問題です。


11/25はその年の最後の方ですから、大晦日からさかのぼると計算が簡単になります。


通常のカレンダーで11/25は、12/31=11/61より、11/61-11/25=36日前ですから、
J子さんのカレンダーで10/36の36日前を求めます。

10/36=9/73-36=9/37


問題後半の答え 月曜日、天曜日、9月37日 




「ぐるぐるカレンダー」の仕組みを理解していると、
七曜表用からこの問題を解くための八曜表に作り替えることも簡単です。


このように、解法知識について「使い方を覚える」ことができたら、
その「仕組み(原理)も理解」できると、解ける問題の幅が広がります。




続いて東大寺学園中です。


東大寺学園中の入試問題は60分、100点満点です。


今年度の受験者平均は62.4点、推定ボーダーは60点台後半で、
昨年度の受験者平均51.9点、推定ボーダー50点台後半よりも、10点ほど易化しました。


その東大寺学園中の入試問題からご紹介するのは、大問4です。


立体切断の問題ですが、ヒントが与えられていますので、
既習範囲であれば、新6年生も挑戦してみましょう。




平成28年度 東大寺学園中学 入学試験問題 算数 より

大問4 三角すいABCDがあります。辺AB、辺ADの真ん中の点をそれぞれP、Qとします。また図1のように、辺CAの延長上に点OをCA=AOとなるようにとります。O、P、Qを通る平面で三角すいABCDを切断します。このとき、切断面は四角形ですが、この四角形の頂点のうちCD上にあるものをRとします。
20160225153932.jpg
(1) A、C、Dを通る平面では図2のようになっています。CRとRDの長さの比CR:RDを求めなさい。
(2) 切断されてできた2つの立体のうち、点Bを含む立体をVとします。さらに立体VをP、R、Dを通る平面で切断します。このとき、立体Vを切断してできた2つの立体のうち、
①点Bを含む立体の体積は三角すいABCDの体積の何倍ですか。
②点Qを含む立体の体積は三角すいABCDの体積の何倍ですか。ただし、角すいの体積は(底面積)×(高さ)÷3で求まります。








立体切断の問題を解く基本方針は、
「見取り図で見当をつけ、投影図で長さの計算をする」
ですから、
(1)は図2を利用することがわかります。


図2だけを見ると下の図のように「相似完成の問題」であることがわかります。
20160225154003.jpg
(1)の答え CR:RD=2:1


(2)① Pについても(1)のQと同じ位置関係ですから、
①で求める立体は下の図のようになります。
20160225154042.jpg
図より、①で求める立体と三角すいABCDは、
底面積の比が5:9、高さの比が1:2ですから、
体積の比は5:18 とわかり、
答えの5/18倍が求められます。


(2)② 立体Vは断頭三角柱ですから、高さの平均で体積の計算が可能です。
20160225154111.jpg
図より、立体Vと三角すいABCDは、
断面(底面)の比が6:1、高さの比が(0+0+6)÷3:(3+4+6)÷3=6:13ですから、
体積の比は36:13とわかり、
立体Vの体積はと三角すいABCDの体積の13/36とわかります。


(2)①で点Bを含む立体の体積が三角すいABCDの体積の5/18とわかっていますから、
13/36-5/18=1/12倍が②の答えとなります。




(1)が(2)の誘導、(2)①が②の誘導にそれぞれなっている、非常に親切な問題です。


難関中は、入試問題にこのような誘導形式の大型問題をしばしば出題しますので、
難関中を受験する場合は本問のような良問に取り組んで、
前小問の出題意図を推し量る練習もできるといいですね。

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中学入試の算数問題2016年02月27日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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