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塾の実力テストを受験するメリット(志望校判定サピックスオープンの場合)

受験算数と塾の使い方2016年04月09日18時00分

第282回「サピックス 志望校判定サピックスオープン 小6」


明日、4月10日は、
サピックスで「第1回 志望校判定サピックスオープン」、
四谷大塚では「第1回 合不合判定テスト」が、
6年生を対象に行われます。


また、それぞれのテストの第2回は、
6月(サピックス)、7月(四谷大塚)に予定されています。


これらのテストは
「マンスリー」や「公開学力テスト」などよりも難しめのテストとして
位置づけられています。


受験生も5年生終了時点で受験算数の基礎は終えていますが、
このような実力テストでの得点はなかなか厳しいものがあるでしょう。


それでもこの時期から難度の高い実力テストの受験するメリットが
受験生にはあります。


それは、テストで判明した課題を
2~3月先の次の実力テストまでに克服していく中期計画
立てられることです。


そこで、このような実力テストでどのような課題を発見することが可能なのか、
サピックスの「志望校判定サピックスオープン」の過去問から考えてみたいと思います。



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上の表は、2015年4月と2014年4月に実施された
「志望校判定サピックスオープン 算数A(試験時間35分 満点150点)」の
出題範囲をまとめたものです。


これを見ますと、「算数A」はサピックスのホームページにありますように、
2ヶ年とも「知識の定着度と問題処理能力をみる問題」が出題されています。


この「算数A」の特徴のひとつは、問題数が多いことでしょう。


21~22問を35分で解かなければいけませんから、速さと正確性が要求されます。

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もし、「算数A」で期待通りの得点ができなかった場合には、
「速さ」と「正確性」について、
2ヶ月後の6月の「算数A」に向けた対策をすることになります。
(期待する得点は志望校の80%合格偏差値に必要な得点を成績資料から判断します。)




では、どのような対策になるかを、
2014年のテストを例にして各大問についてみていきましょう。


大問1は計算問題です。


上位の難関中が志望校の場合はこの大問1を3分程度の時間での、
全問正解が目標です。


志望校が別の場合でも、
時間が長くかかっている場合や正解できない問題がある場合は、
計算の工夫ができているか、計算余白をうまく使えているかの2点をチェックします。
(参照:ブログ第280回・第281回)




大問2は
「数の性質」「比と割合の文章題」「特殊算(いわゆる文章題)」などが主な出題分野で、
いずれも「基本的な知識を用いて解く問題」です。


この大問2も上位難関中を目指す場合、
およそ6分で全問正解することが目標です。

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大問1と同様、時間がかかりすぎたり、
不正解の問題があったりする場合は、
上の表の「6月のオープンまでに復習しておきたい問題」に
取り組むようにします。


教材の候補としては、
サピックスの塾教材「基礎トレ」、
四谷大塚の市販教材「4科のまとめ 算数」(□問題)などがありますが、
問題選びを手伝って下さる方が近くにおられる場合は、
東京出版の「プラスワン問題集」もよいと思います。



大問3は平面図形の問題です。


この大問3も、目標タイムは6分です。

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復習が必要な場合、6月のオープンでは出題範囲が広がりますので、
上の表にあげた問題以外に、
平面図形の回転移動や平行移動、立体図形についても
できるだけ取り組むようにします。


立体図形は、
展開図と見取り図を利用した体積や表面積の求積問題、
水そうの問題(傾け・棒入れ・グラフの読み取り)、
立体図形の切断(立方体・円柱)などです。


これまで見てきましたように、
4月の「志望校判定サピックスオープン 算数A」の
大問2、3は「基本的な知識を用いて解く問題」です。


これらの問題がテストで解けないと今後の成績の伸びに影響が出ますから、
早急に復習をしておきたいところです。


そのとき大切なことは、まちがえた問題を直すだけでなく、
まちがえた問題に必要な知識とそれに関連した知識の両方に取り組むことです。


大問2、3で用いる知識は基本的なものばかりですから、
ここで取りこぼしたり時間がかかりすぎたりしている場合は、
関連知識もヌケや漏れが生じている可能性が高いからです。


テストの結果(正誤)が判明したら、できるだけ早急に取りかかりましょう。




次に大問4です。こちらは実際の問題を見ながら発見できる課題と対策を考えます。




サピックス 2015年4月実施 第1回 志望校判定サピックスオープン 小6 算数A


大問4 Aさん、Bさん、Cさんの3人が、P地点を出発してQ地点まで同じ道を歩いて行くことにしました。Aさんは午前10時、Bさんは午前10時10分、Cさんは午前10時25分にそれぞれP地点を出発しました。そして、Bさんは午前10時40分にAさんを追い越し、午前11時55分にCさんに追い越されました。Cさんは午後0時40分にQ地点に着きました。これについて、次の問いに答えなさい。
(1)AさんとBさんの速さの比を求めなさい。
(2)AさんがQ地点に到着した時刻を求めなさい。






「旅人算と比」から、定番である「3人の時差出発」の問題です。


定番ではありますが、
学んだときの理解が不十分ですと短時間で正解を導き出すことが
難しいレベルの問題です。


大問2、3に比べて、1ランク上の問題といえるでしょう。

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表の「所要時間が少ない+不正解」にあてはまる場合は、
解き方の正誤を確認します。


解き方が誤っているときは、まずこの問題の解き方の学習から取り組みましょう。


解き方が正しい場合は、条件整理について確認します。


「所要時間が多い+正解」にあてはまる場合は、
整理方法の選択に時間がかかっていないか、
各小問に必要な条件だけを選ぶことができているかなどを確認します。


また、ダイヤグラムや線分図を書いて解いてもOKですが、
上位の難関中を目指すのであれば、整理方法や解き方に関係なく、
大問4を4分以内で正解できることが目標です。


(1)はAさんとBさんに関する問題ですから、この2人について条件を整理します。
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答え 3:4


(2)使っていないCさんに関する条件を整理します。
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答え 午後1時30分


テスト会場では、(1)の整理の続き(右側)にCさんを書き加えると「時間の節約」ができます。




次は大問5です。


大問5 太郎君は530ページの本を、次郎君は450ページの本を同時に読み始めました。はじめは太郎君と次郎君は1日に同じページ数ずつ読んでいましたが、途中から太郎君は1日に17ページ、次郎君は1日に14ページずつ読んだので、読み始めてから27日目にその日の分を読み終えたときには、太郎君は残り115ページ、次郎君は残り83ページになりました。これについて、次の問いに答えなさい。
(1) 2人が同じページずつ読んだのは読み始めてから何日間ですか。
(2) 1日に読むページ数を変える前は、2人は1日に何ページずつ読みましたか。






「文章題」から、頻出の「差集め算」です。


「1日あたりの量」「全体量」の2量が異なるパターンですから、
やはり大問2、3に比べて、1ランク上の問題です。


それでも上位の難関中が志望校の場合の目標タイムは大問4と同じ、4分以内です。

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全体量が違いますから「線分図」に整理すると、
上記線分図の赤い矢印に着目することがわかりやすくなります。


(1) (83ページ+80ページ-115ページ)÷(17ページ/日-14ページ/日)=16日間
27日-16日=11日間

(2) (450ページ-14ページ/日×16日間-83ページ)÷11日間=13ページ/日


(1)が正解できなければ(2)も正解できない点差のつく問題ですから、
大問5を正解することは非常に重要です。


「差集め算」の整理方法は、
「全体量が等しい」「全体量の比がわかっている」ときは「表」風に、
この問題のように「単位あたりの量」「全体量」の2量が異なる場合は「線分図」のように、
与えられた条件に応じて整理方法が選択できているかどうかを、
課題確認マトリックスで「条件整理を確認」にあてはまる場合は
確認するようにします。




大問6以降は次の機会に触れたいと思いますが、
ここまで見てきたように「志望校判定サピックスオープン 算数A」は、
大問2、3が「解法知識」だけで、
大問4以降は「条件整理力」まで用いると、
短時間で正解できるテストです。


ですから、問題を正解できない場合は「解法知識」を、
時間がかかっても正解できる場合は「条件整理」を中心に振り返りを行い、
それをもとにどんな関連知識や整理方法の復習をすればよいかを考え、
2~3ヶ月先に実施される次の実力テストへの準備を繰り返し、
最終的には志望校の入試問題が制限時間内に解ける力を養っていくことが可能になることが、
6年生の4月段階から難しい実力テストを受けるメリットです。


ということは、
より難度の低い「マンスリー」や「公開学力テスト」での得点が低い場合は
そのメリットを享受することができませんので、
早急に「解法知識」だけでも強化していくことになります。


いずれにせよ、毎週の塾の学習以外に取り組むことになりますから、
少しでも早く「1週間の学習サイクル」のどこにこの学習を組み込むかを決めて、
実行できるようになるといいですね。

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受験算数と塾の使い方2016年04月09日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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