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苦手の克服 速さ7

速さの練習問題2016年07月16日18時00分

「第296回 苦手の克服 速さ7」


「速さ」の苦手克服のため、
前回は「ダイヤグラム解法の着目点 相似(上級)」について触れました。


今回はダイヤグラムの着目点の2つ目、
「山&谷(山あり谷あり)」を見ていきます。


まずは基本レベルの問題をご紹介します。




2015年度 大妻中 入試問題 算数より

大問3 Aさんは、家から図書館まで歩いて行きます。毎分80mの速さで行くと図書館にちょうど予定の時間で着き、毎分60mの速さで行くと予定の時間より8分遅く着くごとになります。家から図書館まで何分で行く予定ですか。








この問題は次のようにして解くことができます。

20160701183433.jpg

ダイヤグラムを用いても、
速さの3公式と比の関係を利用しても、
①=8分→③=24分が求められます。


この問題はダイヤグラムの中にある
「谷=三角形(大)-三角形(小)」に着目する問題です。

20160701183518.jpg

この他に、「山=三角形(大)+三角形(小)」もあります。

20160701183540.jpg

いずれも、「速さの比←(逆比)→時間の比」の関係がわかる部分です。


一行問題などでは上記のような「山」や「谷」が1つだけのことが多いのですが、
少しレベルが上がると、グラフの一部分に「山」や「谷」が含まれるようになります。




2015年度 市川中 入試問題 算数より

大問4 A駅とB駅の間を片道20分間で何度も往復する1台のバスがあります。バスは、各駅で4分間停車し、折り返して出発します。ある日、バスは8時ちょうどにA駅を出発しB駅へ向かいました。その後、市川君は8時18分に自転車でB駅を出発し毎時12kmの速さでA駅へ向かいました。市川君がはじめてバスに追い越された時刻が8時26分だったとき、次の問いに答えなさい。ただし、バスの速さと自転車の速さはそれぞれ一定であるとします。

(1)A駅とB駅の間の距離は何kmですか。

(2)市川君が前から来るバスと2回目にすれ違うのは何時何分ですか。









20160701183710.jpg

(1)の答えを求めるためには何がわかればよいかを考えます。

バスはAB間を20分で走ることがわかっていますから、
速さがわかればOKです。


また、市川君は速さがわかっていますから、
AB間を何時間で進むかが必要です。


しかし、(2)を見ると市川君がAB間を何時間で進むかは
求めにくいことが予測できます。

20160701183851.jpg

そこで、
「市川君の速さ12km/時とバスの速さの比を、
市川君とバスの時間の比がわかるところから求める」
という方針が立ちますので、
時間条件が多い部分に着目します。

20160701183826.jpg

市川君とバスの時間の比が4:1とわかりますので、
速さの比は1:4、
バスの速さは 12km/時×4=48km/時 と求められます。
48km/時×1/3時間=16km 


(2)(1)でAB間の距離がわかりましたので、
市川君がAB間にかかる時間を求め、
この図のひとつ前の図のような
「砂時計型相似」を利用することができます。


しかし、バスの速さがわかっていますから
「山」を利用した方がより簡単に答えを求めることができます。

20160701184131.jpg

(9時8分-8時18分)×1/5=10分 → 9時8分-10分=8時58分 




この問題には「相似」「山」「谷」が含まれています。


初めのうちは、見つかった「相似」「山」「谷」について
手当たり次第に「わかること」を求め、
答えに使えるものを選ぶ、という順序でOKです。


しかし、ダイヤグラムの着目点を身につけた後は、
「何がわかれば答えがでるか」を考え、
そのために
「どの着目点を利用するのか→グラフのどこにあるか」
という順序で答えを求めるようにします。


これによって、問題を解く時間の短縮と正答率の向上が可能になります。


その例を1問ご紹介します。




2015年度 ラ・サール中 入試問題 算数より

大問6 花子さんはA地点を毎時16kmの自転車で、太郞くんはB地点を毎時4kmの徒歩で同時に出発して、途中のC地点で会う予定でした。ところが、花子さんだけ出発が6分遅れたので、C地点よりもA地点に近いところで会いました。次の問いに答えなさい。

(1)会ったのは予定より何分遅かったですか。また、それはC地点より何mA地点に近いところですか。

(2)もし、太郞くんがC地点に着いてすぐに引き返していたら、追いかけてくる花子さんとはB地点に戻るまでに会えないところでした。AB間の道のりは何km以下ですか。








問題文をグラフに表します。

20160701184313.jpg

一見すると相似が4組ありますので
「手当たり次第作戦」でいこうとしても、
時間の条件がわかっていないため、
先に進むことができません。

20160701184352.jpg


そこで、
「何がわかれば答えがでるのか」
に切り替えて考えます。


そのために、グラフのどの部分が(1)の答えになるのかを記入してみます。

20160701184433.jpg

これを見ると「山の一部分」であることに気づけます。

20160701184454.jpg

上図より⑤=6分とわかりますから、
④=4.8分 という答えが求められます。


「手当たり次第作戦」でもよいのですが、
できればこのような「どこを狙うのか」といった、
方針を立てて解く練習をしていけるといいですね。


(1)の後半は、4km/時×4.8分で求められますから、
4000m/60分×48/10分=320m が答えです。




(2)についてもグラフを書きます。

20160701184628.jpg

AB間の距離を求めるのに、
2人の速さがわかっていますから、
時間条件があれば計算できます。


そこで時間条件を求めるという視点でダイヤグラムを見ると、
「谷」を発見できます。

20160701184701.jpg

③=6分 → ①=2分 より、
BC間は花子さんが2分で進む距離とわかります。


はじめに見つけた「相似」よりAC間:CB間=4:1ですから、
(2)の答えは16km/時×2分×5で求められます。


16km/時×2/60時間×5=2 2/3km以下




これらの問題のように、
6年生の実力テストや入試問題では、
「グラフの一部分に「山」や「谷」が含まれている」ようになります。


ですから、
「手当たり次第にわかることを求め、答えに使えるものを選ぶ」
という手順をできるだけ早く卒業し、
「何がわかれば答えがでるかを考え、
そのためにどの着目点を利用するのか、
それはグラフのどこにあるか」
という順序で答えを求められるようになれるといいでね。


ここまででダイヤグラム解法の着目ポイント「相似」「山あり谷あり」を見てきました。


次回は「ダイヤグラム解法の着目ポイント 3.平行四辺形」の予定です。

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速さの練習問題2016年07月16日18時00分

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。