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苦手の克服 速さ10

速さの練習問題2016年08月06日18時00分

「第299回 苦手の克服 速さ10」


今回の「ダイヤグラム解法の着目ポイント5 琵琶湖型三角形」で、
速さも最終回です。


ここまでのことを振り返って、秋からの志望校別特訓に向け、
「線分図解法」と「ダイヤグラム解法」を練習しておきましょう。




それでは、
「ダイヤグラム解法の着目ポイント5 琵琶湖型三角形」
を使う問題をご紹介します。


2016年 世田谷学園中 入試問題 算数より

大問5 A君とB君は午前7時40分に同時にS町からT町に向かってそれぞれ一定の速さで歩きはじめました。2人が出発してから何分か後にC君は逆にT町からS町に向かって一定の速さの自転車で走りはじめました。C君は途中、午前8時25分にA君と出会い、午前8時28分にB君と出会いました。その後、T町にA君は午前9時10分、B君は午前9時40分にそれぞれ着きました。このとき、次の問いに答えなさい。

(1)B君の歩く速さとC君の自転車の速さの比を最も簡単な整数の比で答えなさい。

(2)C君がT町を出発したのは午前何時何分ですか。








時間条件だけの問題ですから、ダイヤグラム解法を選びます。


ダイヤグラムを書くときは、
まず横軸に時刻を書き、
次にそれを結ぶと、
かなり正確なグラフになります。

20160722140230.jpg

(1) 左上のグラフの「山あり谷あり」から、AとBの関係がわかります。


ST間にかかる時間が
9:10-7:40=90分...A
9:40-7:40=120分...B ですから、
AとBの時間の比は3:4、速さの比は4:3です。


求めるものはBとCの速さの比ですから、
次に右上のグラフから何がわかるかを考えます。


グラフを見ると、
ダイヤグラムの着目点1の「砂時計型相似」がありますが、
時間の条件が不足しているため、使うことができません。


しかし、今回のテーマの「琵琶湖型三角形」があります。

20160722140335.jpg

琵琶湖型三角形は、
「2人が同じ向きに進んでできた隔たりを、向かい合って進む2人が出会う」
という、
旅人算を利用した解き方ができる図形です。


この問題では、
AとBが45分間進んだときの距離の差を、
BとCが3分間で出会っています。

20160722140417.jpg

以上から、3:12=
14とわかります。


(1)より3人の速さの比がわかりましたから、
(2)はいろいろな方法で解くことができます。


今回は、ダイヤグラム解法の着目点2の「山あり谷あり」を利用してみます。

20160722140503.jpg

グラフより、
④=72分→①=18分 ですから、
午前8:28-18分=
午前810 が答えです。




今回のテーマの琵琶湖型三角形は、
この問題のように旅人算を利用する解き方です。


次に、この琵琶湖型三角形が利用できる典型問題をご紹介します。


問題 A、B、Cの3人が何kmかはなれたところまで行くことになりました。Aはオートバイに乗っているのですが、あと、1人しか乗せることができません。そこではじめにBだけを乗せて何kmか行き、BをおろしてBに歩いてもらい、歩いているCをむかえに引き返して乗せてくることにしました。3人が正午に同時に出発して午後1時50分に目的地に着くためには、Aは何km走ったところでBをおろせばよいですか。時速はオートバイが28km、歩く人は4kmです。







有名な「お父さん問題」です。


線分図で解くこともできますが、
今回のテーマの琵琶湖型三角形を利用するため、
ダイヤグラムを書きます。

20160722140628.jpg

ダイヤグラムを書くと琵琶湖型三角形が2つあり、
それらが合同であることもわかります。


そこで、そのうちの1つだけに着目します。

20160722140656.jpg

琵琶湖型三角形から時間条件がわかりました。


もう1つの合同な琵琶湖型三角形も時間の比は同じですから・・・

20160722140724.jpg





ダイヤグラム解法は「時間条件」と「図形」を利用して解く方法です。


ですから「何に着目するか」を知っていないと、
コンスタントに問題を正解することは困難です。


しかし、
5つの着目点
「相似」「山あり谷あり」「平行四辺形」「二等辺三角形」「琵琶湖型三角形」
があること、
そして
「それらの図形を利用すると何がわかるのか」
を知り、
練習して習得することで、問題の正解率をグンと上げることができます。




その練習に最適な問題を最後にご紹介します。


2016年度 麻布中 入試問題 算数より

大問3 太郞君と次郎君はそれぞれ一定の速さで移動し、その辿さの比は5:3です。太郎君がA地点を出発してB地点へ向かい、太郎君の出発と同時に次郎君がB地点を出発してA地点へ向かうと、A地点とB地点のちょうど中間から、B地点の方向へ210m進んだところで2人は出会います。

(1) A地点からB地点までの道のりは何mですか。


太郎君と次郎君が同時にA地点を出発してB地点へ向かうと、次郎君は太郎君より8分遅れてB地点に到着します。

(2)太郎君と次郎君の速さはそれぞれ毎分何mですか。

(3)太郎君と次郎君が同時にA地点を出発してB地点へ向かいました。太郎君は途中にあるスーパーで7分間買い物をし、買った荷物が重かったので速さが毎分40m遅くなりました。次郎君は、まっすぐB地点へ向かったので、太郎君より2分早くB地点に到着しました。A地点からスーパーまでの道のりは何mですか。
(解答と解説は今回のブログの最後にあります。)




速さの問題文の読み取り方、線分図解法、ダイヤグラム解法について、
第290回から今回までの10回で考えてきました。


その中から必要だと思われる部分について振り返り、
さらに問題を解いて練習し、
夏休みが終わるまでにすべてを使いこなせるようになれるといいですね。

mflog.GIF

(2016年度 麻布中 大問3 解答と解説)
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速さの練習問題2016年08月06日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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