中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 -> 主任相談員の中学受験ブログ -> 前田昌宏の中学受験が楽しくなる算数塾 -> 算数の成績アップ勉強法 ->新6年生の準備をはじめましょう4

新6年生の準備をはじめましょう4

算数の成績アップ勉強法2016年10月08日18時00分

「第308回 新6年生の準備4 ~四谷大塚 1月度 組分けテストに向けて~」


これまで、2月から始まる新6年の授業を希望するクラスで受講するために、
この秋にできることは何かを、
サピックスのテストを題材にみてきました。


今回は、題材を四谷大塚の組分けテストに代えて見ていこうと思います。


四谷大塚の主教材である予習シリーズの「組分けテスト」は
4週間分の学習をテスト範囲として、5週ごとに実施されるものです。


5年生の場合、今年は
10月9日、11月13日、12月18日、1月29日
の4回が残されています。


そこで、6年生のスタートコースを決める1月の組分けテストについて、
今回は考えていきます。


下の表は、2016年1月24日に実施されました
「5年 組分けテスト」
の出題分野と正答率をまとめたものです。

20161006143634.jpg


出された問題は、
12月の組分けテスト以降に学んだ「和と差に関する問題」「図形の移動」の他に、
「速さ」「仕事算」「容器と水量」といった11月の組分けテスト以降に学んだ範囲
「比」のように9月に学んだ内容も含まれています。


4ヶ月前に学んだことも出題されるという点は、
サピックスの組分けテストと似ています。


かなり前に学んだことも出題されるわけですから、
現在学んでいること以外に、
過去の週テストや月例テストで不十分だった問題について、
振り返り学習をしておき、
1月の組分けテストに備えることが必要です。


では、その振り返りにおいて、
どのレベルの問題までが正解できるようになっていれば良いのでしょう。


それを考えるために、偏差値と得点、正答率との関係について見てみます。

20161006143748.jpg


偏差値と学校群は6年生の合不合判定テストと2016年入試結果による80%合格のものです。


ですから5年生の組分けテストと必ずしも一致はしませんが、
正答率40%台まで正解できれば偏差値55、
正答率30%台まで正解できれば偏差値60、
正答率20%台まで正解できれば偏差値65
といった値は、一応の目安になると思います。


そこで1月組分けテストを占うため、
先月9月22日に行われた「5年生 志望校判定テスト」
を利用してみようと思います。


正答率は、男女でわずかながら差がありますが、
ここでは男子の数値で問題を選んでいます。


1問目は偏差値60を目標としたときに正解しておきたい問題(正答率28.2%)です。


20161006143850.jpg









この問題のチェックポイントは3つです。


20161006143921.jpg




ひとつずつ確認していきましょう。




20161006144140.jpg


この問題で、
アやイは、「正方形」や「おうぎ形」のような名前を持たない図形
=面積を求める計算公式がない図形です。


また、アやイは図形の一部に「曲線」があります。


「曲線」のある図形で、
直接面積を求めることができる図形は円とおうぎ形ですが、
(レンズ形も正方形の中にピッタリ入る場合は可能)
アやイはどちらも円やおうぎ形ではありません。


ですから、アやイは直接面積を求めることができない図形だとわかります。


そこで「まわりから引く」ことになりますので、
アやイがそれぞれ
「どんな図形(面積を求める計算公式がある図形)の一部分か」
を考えます。


前述のように、
「曲線」のある図形で面積を求めることができる図形は円とおうぎ形ですから、
「おうぎ形-★=ア」
となるようなおうぎ形や★部に当たる図形をさがしますと、
次のように、2つの場合を考えることができます。

20161006144205.jpg

「図あ」は「おうぎ形-直角三角形」、
「図い」は★部分を直角三角形とおうぎ形(小)に分けることで
計算できそうですが、
★部分の面積を求めることができません。


そこで2番目のチェックポイントです。

20161006144240.jpg


問題文中に
「アの部分とイの部分の面積の差は何cm2ですか」
とありましたので、
「つけたし問題かな?」と予測していると、
下の図のような考え方まで、一気にくることも可能です。


20161006144315.jpg


図より、アとイの差は2つのおうぎ形の面積の差と等しくなりますから、10cm×10cm×3.14×1/4×(3/5-2/5)=5×3.14=15.7cm2とわかります。


54°-36°=18°を利用してもOKですが、
解答の赤字部分のような「計算の工夫」をすると、
より楽に正確な計算が可能です。


1月の組分けテストで、偏差値60を目指す場合、
例えばこの問題のように、
9月22日に行われた「小5 志望校判定テスト」で正答率30%台の問題
(本問は28.2%ですが、およそ30%とみなしています)を正解できたか、
正解までの過程がベストであったかを確認し、
このテストではできていなかった部分を
1月の組分けテストまでに強化するようにします。




ではもう1問、
偏差値65を目標としたときに
正解しておきたい問題(正答率22.8%)です。

20161006144517.jpg









いわゆる「道順問題」です。


問題図は正三角形を組み合わせてため、
全体としては「平行四辺形」になっていますので、
見慣れた長方形に書き直してみます。

20161006144602.jpg

この図を見ると「コマを5回動かして、
点Sから点Gまで移動する」には、
「最短」で進まなければいけないことに気づけます。

20161006144851.jpg

ということは、
「斜めの道(正方形の対角線)」を通ることはできませんから、
「イチ・イチ解法」の基本問題だとわかります。

20161006144700.jpg

この解き方を利用すると
20161006144724.jpg
となり、
答えの10通りを求めることができます。




大問8-(1)の正答率が22.8%であった理由のひとつは「時間切れ」でしょう。


もし、時間切れのため手がまわらなかったのであれば、
テスト範囲の復習以外に、
計算問題や1行問題の処理速度アップなども
1月の組分けテストまでに取り組んでおくことが必要です。


では、「時間はあったのに解けなかった」場合は何をするとよいのでしょう。


上記の解き方は、小5予習シリーズ(上)の第12回で習います。


時期は5月の後半です。


夏期講習でも復習する機会があったことと思いますが、
「時間が合ったのに解けなかった」
ということは、
「学んだことが身についていない」
ということになります。


ただ、予習シリーズの第12回の必修例題1、基本問題1-(2)、2や
第13回の復習問題1-(1)の
どの場合も
「最も短い道のり」
という問われ方をしており、
本問の「5回」のような移動回数の指定された問題はありませんでした。


また、「コマを動かす」こともなければ、「斜めの道」がある問題もありません。


志望校判定テストの大問8-(1)は、
学んだことがない問題であっても
「何に関する問題か」
「何を問われている問題か」
といった、
問題を読み取る力が測定される問題でした。


このような出題をみると、
5年生も夏を終えて6年生のスタートが視野に入る時期に来ると、
偏差値65を目標とする場合、
毎週の学習では
「解き方を知ること」
「解き方が使えるようになること」
の他に、
「問題の意味」を考えることや
「解き方の理由」も学んでいく必要があるということです。


もし、
宿題を
「流して」取り組んでいる、
あるいは
「機械的」に解いているようでしたら、
授業で取り組まなかった問題のうち、
少し難しめの問題(文章量の多い問題)については、
「問題の意味」やその「解き方を使うことができる理由」についても考え、
大問8のような「初見の問題」にも対応できる力を養っていきましょう。

mflog.GIF

算数の成績アップ勉強法2016年10月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
Copyright (c) 2008- 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.