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漢字をよく間違える人に

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国語の学習 2011年03月03日23時03分
国語が得意な子の中に、漢字で予想外に失点してしまうために、得点がイマイチ伸びないお子さんがいます。

決してさぼっているわけではありません。
丁寧な字で、何度も書いて覚えようと努力していることが多いのです。
しかし、その時は覚えたはずなのに、なぜか一週間もすると記憶があやしくなってしまう。
「待つ」と「持つ」を書き間違えたり、
「収捨がつかない」なんて書いたりすることになります。

こういう間違いをすると、えてして親御さんもお子さんも「漢字の練習が足りないんだ」と考えがちです。
で、間違えた漢字を何度も何度も書いて、頭に焼き付けようとします。

塾や学校の先生も、「間違えた漢字を20個書いてきなさい」なんて指示をなさることが多いですね。

これ、あまり意味がありません。
指示としては不十分です。

「間違えた漢字を、
 どんな部品からできているのか1回1回意識しながら、
 10回書いてきなさい」
なら、拍手です。
とても良い指示だと思います。

「間違えた漢字について、
 訓読みを確認するか
 どんな熟語に使われているかを思い出して、
 その字がどんな意味を持っているのか考えなさい。
 それから、その漢字に使われている部首の意味も確認しなさい。
 漢字の意味と、部首の表す意味とが頭の中でつながったら、
 その漢字の意味をイメージしながら3回書きなさい」
なんて指示をして下さる先生がいたら、素晴らしいですね。
その先生のことをぜひ大切になさってください。
今風にいうと「神」ですよ神。

どういうことかというと、漢字は「表意文字」といって、1文字ずつ表す内容を持っているのです。
内容を持っているということは、その内容を思い浮かべた時に「頭の中に絵が浮かぶ」ということです。
ここに気づくことが大切なんです。

国語が得意なお子さんは、まず間違いなく「頭の中に絵を描くことが得意」なお子さんです。
私はこういう力のことを「映像化の力」と呼んでいます。
国語力の中で最も大切な力です。

そういう力を持ったお子さんが漢字を覚えるには、漢字も映像化してみるのが効果的なのです。
逆に「20個書きなさい」の指示は、機械的な作業になりますから、頭の中にはなんの映像も浮かんできません。
せっかく持っている映像化の力を使っていないのです。

だから、何度書いても間違うのです。

その子の持つ力を上手く引き出して、その子にあったスタイルの学習法を示してあげることが、
コーチ(先生)の役目だと私は思います。

「たかが漢字」と思いがちですが、コーチがその子のことをどれだけ真剣に観察しているかが、漢字指導にも表れてくるものです。


なお代表的な部首については、どんな意味を表しているのか知っておくといいですよ。
映像化の助けになりますから。

例えば、「にんべん」は「人」を表すのですが、
「ぎょうにんべん」は「道」を表すんですよね。

「待」という漢字は、道の上で人が立っているイメージです。

絵が浮かびました?
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国語の学習 2011年03月03日23時03分
主任相談員の小川大介
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