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「伝える」「伝わる」ということ

声かけメソッド2013年07月09日10時06分
こんにちは!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。


日本列島全体が燃え盛っていますね。

炎暑、酷暑という言葉が飛び交い、
まだ暑さになれぬ体は、クラクラしています。

代謝量の大きな子どもたちは、なおさら。

道路の照り返しもあって、
大人が感じる以上に体が熱を持っています。

水分の補給、睡眠の確保、上手な休息
心がけていきましょう。

さて本日は、タイトルの通り
「伝える」「伝わる」ということについて
少しお話ししたいと思います。

夏休みが始まると親子で顔を合わせることも多く、
勉強メニューが増えることもあって、
親子のぶつかり合いも増えるものです。

原因はいろいろですが、
SS-1の面談などでお母さん、お父さんからよく聞くのは、
「良かれと思って言っているのに、全然耳を貸そうとしないんです!」
という悩みやいらだちです。

子どものことを一生懸命考えて、
必要だし、助けになると思うから、

「先に算数から始めたらどう?」とか、

「今日の復習だけはやってから寝なさい」とか、

「いつまでも考え込んでないで分からない問題は飛ばしなさい」

と声をかけるのですよね。

ところが、子どもから返ってくる言葉は、
「うるさいな!」だったり、
「分かってる!」だったり、
「もう、放っといてよ!」だったりするわけで、

まぁ、腹も立ちますね(笑)


ただ、こんなやり取りになってしまうのには、
ちゃんと原因があるのです。


そのことをまざまざと感じる体験が先日、
そして昨日とありました。

まずは先日。
息子の通う小学校でオープンスクールがあったので、
見学に行った時のことです。

1学年が2クラスの小学校で、
息子のクラスの担任の先生は
「怖い」という評判。

もう1つのクラスの担任の先生は
「優しい、楽しい」という評判。

それぞれの授業を見学して、
正直なところ、非常にショックを受けました。

いずれの先生も、おっしゃる言葉が、
何一つ胸に響いてこないのです。

「怖い」先生の口から出ているのは、
「相手の人がどんな気持ちになるか考えて動けば、
おたがいがいい気分になって、素敵だよね」
という言葉なのですが、
ご自身の体から発散している雰囲気は、
ただイライラして、怒りや威圧感を撒き散らしているだけ。

子どもたちは、先生の言葉に耳を傾けているのではなく、
先生が体から発散する怒りに触れないよう、
ただびくびくしてその時間が過ぎるのを待っているだけです。

特別な経験や能力がなくとも、
子どもたちが外面を整えているだけだということは、
誰にでも分かるだろうという様子です。

子どもたちのその様子に気づいていないのは、
たった一人。
担任の先生です。

またもう1クラスの「優しい」先生にも驚かされました。

優しいんじゃないんですね。
ただ、子どもたちを放置しているだけです。

のんびりした口調で、
「は~い、終わった人は席についたまま、次の準備をしましょうねぇ」
と優しく声をかけているのですが、
その時、ご自身の目は教卓に置いたプリントしか見ていません。

心が子供たちに全く向かっていないのですね。

子どもは、自分のことを考えて自分に向けられた言葉には、
必ず耳を傾けます。

でも心が自分に向かっていない言葉には、
全く耳を貸しません。
案の定そのクラスでは、
子どもたちの立ち歩きが横行していました。

気づいていないのは先生だけ。


子どもに何かを伝えたい時、
そして伝わって欲しい時、
大切なことは「心」を子どもに向けるということです。

きちんと目を合わせ、
呼吸を合わせ、
今から伝えようとしていることが、
子ども自身にとって、どんな意味のあることなのかを考え、

そして心の中で次のようにつぶやきます。

「私があなたに聞いてもらいたいことは・・・・・・・」


「私があなたに言いたいことは・・・」で始めるのではなく、

「聞いてもらいたいことは」に続けるのです。

こう心がけるだけで、
自分の都合で一方的に伝えてしまう状態から、
子どもに届く、伝わる言い方と気持ちに切り換えていけます。


夏休みの勉強について、
良かれと思って口にしたアドバイスが、
子どもの反発で返ってきた時、
少し落ち着いて自分の状態を確認してみてください。


子どもが上手く行くように、と願っての言葉だったでしょうか。
もしかしたら、
「このままじゃ、カリキュラムが消化できない」
「こんな成績じゃあの学校に届かない」
「他の子に置いていかれる」

心が目の前のお子さんではなく、
塾のカリキュラムやテストに向かったままで、
お子さんに話しかけてしまってはいないでしょうか。

宿題をこなすことも大切です。
テストも大切です。
でも、心がテストに向かったまま子どもにいくら言葉を尽くしても、
決して伝わりません。


私も同じ失敗を何度も何度もしてきました。

目の前の人に話しかけているつもりで、
自分の中では別のことに心が向かっている。
そのくせ口から出る言葉は、
相手のことを考えているような物言いをして。

心が相手ではなく、自分の内側に向かっている状態です。

こういう態度は、人をひどく傷つけます。

まさに昨日も、私は、
自分のことしか考えていないのに、
さも周囲を思いやっているかのような言葉を並べて、
人を深く傷つけてしまいました。

振り返ってみれば、自分の都合しか頭になく、
自分を正当化するために、
相手の方や周りの人の気持ちを汲み取っている
ふりをしていただけの心のありようでした。

とてもありがたいことに、
その人は思いやりの深い方だったので、
自分が傷ついたことを私に伝えてくれました。

ご自身が傷ついたこと以上に、
私がこれ以上同じ間違いを重ねないようにと、
気遣ってくださったのです。

でも子どもは、
自分自身に心が向けられていない言葉によって
傷ついたとしても、
そのことを言葉で説明する力はまだありません。


私たち親が気づかず、
「うちの子は反抗期がひどくて」とか、
「親の言うことは全く聞かないんだから」と
自分たちにとって理解しやすい言葉で片付けてしまうと、
傷はいつまでも残ってしまいます。


お父さん、お母さんはみんな、
がんばらせてあげたい、
せっかくの努力を形にしてあげたい、
という強い思いをお持ちです。

ですから、
その思いをお子さんに伝える時には、
「私があなたに聞いてもらいたいことは・・・」
と、お子さんに心を向けてお伝えになってください。


夏休みが始まります。

お子さんが充実した笑顔を浮かべていることを、
ありありと心に思い浮かべ、
応援していきましょう!


それでは今日も、
出会う方全ての可能性を
拓いて参りましょう!
声かけメソッド2013年07月09日10時06分
主任相談員の小川大介
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