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12月に思うこと、そして設問分析「国語編」

国語の学習2013年12月05日12時11分
こんにちは!
「かしこい塾の使い方」
主任相談員の小川です。


毎年感じることですが、
12月というのは一種独特の雰囲気を持っています。

6年生にとっては、受験に向けて最後のがんばりどころ。
やりたいことが一杯あって、
「ここが最後だから」と
特別の力が湧いてくることを期待したくなる月です。

でも、毎日の中で実際にこなしていける量も内容も、
今までと大きく変わることはなく、
特別な月になるはずが、思った以上に平凡に進んでいく。

「こんなはずではなかった」と焦る人もいるでしょうし、
「あれ?こんなのでいいのかな?」と拍子抜けしている人もいるでしょう。

受験生だけでなく、塾の先生たちも似たようなところがあります。
講師は「ラストスパートだ!」と緊張感や高揚感を抱いているのに、
目の前の生徒は、それほどペースアップするわけでもなく、
しゃにむに勉強するわけでもなく、
どこか淡々としているように見えてしまって、
焦ったり、拍子ぬけしたり。

入試直前期に、受験生が集中力を高めたり、
今までにないねばり強さを見せたりするのは、
「残り時間が限られている」という理由ではなく、
目的意識が高まるためなのですが、
大人はつい誤解してしまうのですね。

12月になっても子どものエンジンがどうもかからない
そんなもどかしさを感じてらっしゃるなら、
「わが子は今どんな目的を持って勉強しているのか?」
を改めて聞いてみてください。

少し話はそれましたが、
6年生とその周囲においては、
12月というのは、焦りや高揚感と、
妙に平凡な気分が入り混じった、
なんとも落ち着かない時間が流れる月です。

では5年生や4年生にとって
12月はどんな月かというと、
どちらかといえば宙ぶらりんな月ではないでしょうか。

5年生には、来年ついに自分が受験生になるんだと、
嬉しさと不安が入りまじった複雑な心境もあるでしょう。

とはいえ正直なところ
「6年生が始まってみないと分からない」と
どこか先送りしたい気持ちがあるかもしれません。

4年生も、新年度がなんとなく気になるんだけれど、
まだ現実感もなくて、
「5年生になると、学習量が4年までの倍になる」
と説明を受けていても、
「5年生になってみてから考えよう」と
先送りしてしまうご家庭がまだまだ多いと聞きます。

宙ぶらりんな雰囲気を生み出すのは、
そういったご家庭や本人の先送り志向だけでなく、
塾側の体制にも理由があります。

塾の先生方が熱心であればあるほど、
どうしても受験生対応にエネルギーが割かれますから、
結果的に、5年生や4年生が、
「放っておかれる」のですね。

本当は、新年度に向けて体制を整え、
2月からの学習ベクトルが上を向き続けるには、
12月の今こそが最も重要な月なのですが、
その肝心な月に塾があまり助けてくれない。

そういう傾向があります。
その結果、「宙ぶらりんな12月」が出現しているわけです。

5年生、4年生の方々は、
2月以降の学習環境をどう作り上げたいのかを改めて考え、
今できることにすぐ着手するようになさってください。

周囲が宙ぶらりんな状態でいる中で、
一歩ずつ前に踏み出した人が
新年度で前を走っていける。

これが毎年の成功法則ですからね。


さてこのブログではこのところ、
「設問分析」の大切さをお話ししています。

今回は、4教科の中でも特に相談の多い
「国語」について触れたいと思います。

「国語」のご相談でよく聞くお悩みは、
「点数が安定しない」というものです。

算数が得意で国語が苦手な子は、
「国語は算数と違って、答えが一つに決まらないから嫌」
とよく言うのですが、

そういったお子さんの保護者の方は、
「国語は取れたり取れなかったり、差が激しいんです」
とお困りであることが多いようです。

何が正解なのか確証を持てないから、
問題を解いていても手ごたえがない。
その結果、点数が乱高下するという構造です。

こうなる理由は、
国語の設問がどのように作られているのか、
正確に理解していないことにあります。

ただお子さんだけが悪いわけではありません。

塾の先生や入試問題を作成する先生だって、
同じ過ちを犯してしまうことが良くあるのです。

例えば、2010年度慶應普通部の入試問題で、
某A塾と某B塾が出した模範解答が異なっていました。

具体的に、大問1で出た物語文の問2、主人公の性格を選ぶ記号問題。
問8の②で、主人公が戸惑った根拠を抜き出しで答える問題。

記述の問題だと、「表現が違うだけで言いたいことはだいたい同じ」
として理解の違いをオブラートにくるむこともできますが、
今回は記号問題と抜き出し問題、
正解は一つに絞らないといけません。

そうであるにも関わらず、2つの塾で解答が異なる結果となりました。

なぜこんなことが起きたのかというと、
「その問題は、傍線の一文のみで判断して良いものなのか、
それとも、場面での判断なのか、
または文章全体を理解しての抽象的な判断が必要なのか」

といった設問の見極めの違いにありました。

問2の問題では、主人公の「性格」が問われています。

「性格」とは様々な場面で見せる気持ちの積み重ねです。

ですからこの問題を解くには、
問われている棒線の前後で判断するのではなく、
各場面の言動を丁寧に読みとって判断する必要がありました。

しかしA塾はこの設問について、
傍線の直後の表現だけから解答を決めつけてしまいました。

一方B塾はちゃんと文章全体から性格を読み取り、
適切な解答にたどり着いていました。

また問8の②では、主人公の判断の根拠が問われていました。

困ったことに、文章を読むと、
「根拠」と思える文はいくつも出てくるのです。

しかし設問は一つの文を特定することを求めています。
ということは、いくつかある中でも
「一番大本の根拠」を選択することが求められている。
そのように考えるのが理にかなっています。

A塾はそう考えた答えを導き、
B塾は傍線部近くにある根拠に飛びついてしまいました。

このように、設問のとらえ方を誤ると
中学受験を研究し尽くしているはずの大手塾においても、
解答を間違えてしまうのですね。

国語の解答作りがいかに繊細なものか、
よく表れている事例だと思います。

国語において、正解を導くために重要なことは、
しっかりと「設問分析」を行い、

たとえば
■傍線の一文のみで判断して良いものなのか
■場面から判断する問題なのか
■文章全体からの抽象的な判断が必要なのか
といった判断を行った上で、
解答作りに移る必要があるということ。

これを意識してみてください。

塾の授業でも、宿題をこなす時でも、
そして何より模範解答を使って答え合わせをする時に、
設問分析の視点を持って国語に取り組む。

そうすれば国語という科目が、
今までとは違ってクリアなものとして
見え始めることでしょう。


それでは今日も、
出会う方それぞれの可能性を
拓いて参りましょう!
国語の学習2013年12月05日12時11分
主任相談員の小川大介
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