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理科嫌いのお子さん

かしこい塾の使い方2011年04月18日12時08分
前回も述べたように、理科嫌いのお子さんは5年生になったころに誕生することが多いです。

それは、進学塾で学習する内容が高度になる、というよりも、化学、物理分野の学習の割合が増え、それまでの理科学習と違った(ように思える)学習が始まるからです。

化学、物理分野は「計算分野」と言われます。

「理科が苦手」というお子さんのほとんどは、この化学、物理分野の学習が苦手ということだと思います。

サッカーがいくら上手でも、野球が上手にできるとは限らないということと似ていますね。同じ球技でも、サッカーは足をおもに使ってボールを扱うスポーツで、野球は手でボールをつかんで投げたり捕ったり、木の棒(バット)でボールを打ったりしますから、当然といえば当然です。

しかし、例えば走るのが早いと有利とか、動体視力がすぐれているとよい、ということに関してはほとんどの球技に共通する能力です。

たとえば算数が大の得意、というわけではなくても、中学受験の算数をふつうに理解できるお子さんであれば、理科の計算分野を得意にすることは不可能ではありません。というよりも、わりと簡単です。

そのポイントは「書き方」にあります。整理のしかたです。算数でも理科でもそうなのですが、問題を読んで解くという手順に、「整理する、まとめる」という段階がないお子さんは、理解も浅く忘れるのも早いです。それは、整理したりまとめたりという作業の方法は、単元や分野によって多少の違いがあっても、根本的な目的や手順が共通するため、この方法を身につけておくことができていなければ、学習する単元や分野によって作業がばらばらで、覚えなかればならないことも多く、算数、理科を問わず「論理的に思考するためにとるべき手順」がとれないためです。

ポイントは「書き方」と言いましたが、具体的には「ノートを縦・横に使う」ということです。例をあげてみましょう。

例えば算数の、こんな問題。

(問題)Aさんのクラスの男子、女子の人数の日は3:2です。男子でメガネをかけている人は30%、女子でメガネをかけている人は50%です。さて、Aさんのクラス全体で、メガネをかけている人は何%いるでしょうか。

この問題を考えるのに、割合の基礎を習ったばかりのお子さんが困るのは、男子、女子の人数が具体的にわからないことです。割合の単元では、

もとにする量 × 割合 = くらべる量

と学習します(いまどきの塾の先生は、実は「もとにする量」といった表現はしないことが多いのではないかと思いますが)。たとえば男子の人数がわかっていれば、

男子の人数 × 0.3 = 男子の中でメガネをかけているひとの人数

と計算を始められるのですが、この問題でわかっているのは、人数ではなく人数比です。ですから困ってしまう子が多いのです。それでも機転のきくお子さんは、「人数比が男:女=3:2なんだから、

男子の人数3 × 0.3 = 0.9

と計算を始めるかもしれません。それはそれで正解です。でもここで問題にしているのは、式を立てる前にまとめる、整理するということです。

クラス全体を男子、女子に分け、その男子と女子をそれぞれ「メガネをかけているかどうか」で分類しているのですから、


と、縦横に整理するのが正解。こうするとぐっと整理できて見やすくなります。

算数の話をしましたが、理科でもこれと似た方法を随所に使うことができます。

(例)

ふりこの問題

といった具合です。上記は一例で、電流、溶解度計算、音、熱、ものの運動など、さまざまな計算、思考分野の問題に同様の整理のしかたを用います。理科の得意なお子さんのノートには、このような表(状に整理した問題の情報)があちらこちらに見られるはずです。算数でもそうですが、苦手なお子さんのノートは、式ばかりが書かれています。低学年のころから、「式を書きなさい」と言われているから正直に実行しているだけなのですが、「表は式と同等以上に重要で、役に立つものだ」ということを知っていれば、もっとノートを上手に活用できるようになります。

お子さんに「じゃあ、縦横に整理してみようか」と促してあげてください。

このような整理のしかたは塾での理科の授業でも習っているはずですが、理科の苦手なお子さんはどうしても「解く」というところに意識がいってしまい、整理という手順をとばしてしまっている、あるいは忘れてしまっているということになりがちです。

「表を書く」といってしまえばそれまでなのですが、それが身につくまで、しっかり練習し、使い方やその効果を実感することが大切です。塾や個別指導の理科授業の善し悪しの1つの判断材料として、通わせているお子さんが「整理のしかた」を身につけているかは非常に大切です。先生が解くのを見ているだけで、いつまでたっても自力で解くことができない状態では、その授業を受けている意味はあまりないと言ってもいいでしょう。高学年になると計算、思考に関する問題が多くなるので、特に注意が必要です。

理科ではこれ以外に「ことばの式」と呼ばれる化学反応の計算問題処理の技術がありますが、この2つで非常に多くの問題を解決することができます。

まずはどんどん表を書いてまとめることから始めてみましょう!

次回は「ことばの式」について詳しく説明します。
かしこい塾の使い方2011年04月18日12時08分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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