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整理の楽しさ・重要性

家庭学習2011年06月11日10時57分
私は理科も算数も指導しますので、よくお子さんから
「先生は、理科と算数とどっちが好き?」
と質問されます。

「う~ん、どっちもかな。算数と理科の楽しさはまた違うから。」

といった返答をすることが多いのですが、これは正直な感想です。

お父さん、お母さんご自身の学生時代の経験を思い出していただいても(または、今まさに「現役」でお子さんと一緒にバリバリ問題を解いていらっしゃる方は、ご実感いただけると思うのですが)、算数の楽しみの1つに「閃いた!」というのがあると思います。
たとえば図形の問題で、いったいどこに着目すればよいか皆目見当がつかなかったけど、これとこれが相似だ、ということに気づけばすべて解決!・・・みたいな。

算数の楽しみは奥深く、それだけではないのですが、

「う~ん、わかんないな。」→「!」→「そうか、簡単じゃん!!」

という流れは、算数の楽しさを味わう醍醐味の1つであることは間違いないところだと思います。

では、理科はどうでしょう。

実験や観察データを細かに記録・検証し、1つ1つの事象を組み合わせていくと、だんだんほぐれていく・・・
パズルのピースを少しずつ組み合わせていくと、いつの間にか大きな絵が出来上がっている、といったイメージでしょうか。
特に化学計算の問題などは、この典型です。
この作業には「根気」が必要です。算数にくらべると「華」がないように感じますが、パズルが完成したときと同じく、解き切ったときの爽快感はクセになります(笑)。

では、この爽快感をお子さんたちに味わってもらうにはどうすればいいでしょう?

先ほど「実験や観察データを細かに記録・検証」と書きましたが、問題を解いていく過程でもまったく同じようなステップが必要で、問題に示されている「条件」を整理、自分が見やすいように記録し、それを参照しつつ一歩ずつ前進していくことが、特に難問、難関中学校の問題では必要になります。

算数同様、書くことが非常に重要で、それにはまず「書き方」を習得することが必要です。お子さんと化学計算の問題を解くときには、まず問題文を通読し(お子さんに音読してもらうのもいいですね)、「さて、どうやって整理しようか?」と問うことから始めましょう。それなしには始まらないんだよ、ということですね。

【実験1】5%のこさの塩酸A100gと5%のこさの水酸化ナトリウム水溶液B110gを混ぜ合わせ、BTB溶液を数滴たらすと、溶液全体が緑色になりました。

とあれば、

塩酸        +     水ナ水       ⇒  中和(食塩)
A(5%)100g        B(5%)110g   ⇒  □g

といった具合に整理するわけです。
もちろん、「BTB溶液が緑色になったってことは、何性になったってこと?」といった周辺知識、基礎的事項を確認してあげながら進めることができれば、よりよいですね。

上記のような「ことばの式」(小学生は化学式を習いませんので、言葉で代用しているわけです)を書くことは進学塾でも教えられていると思うのですが、それは「先生の解説用」と思っていて、自分で書かないお子さんが意外に多いです。あるいは「面倒くさい」とか(笑)。

よく「きちんと書いて解かないと、あとで間違い直しをするときに、どうやって解いたかわかんないでしょ。」
という方がいますが、理科計算に関してはこれは「半分当たり」です。
それは、書かないとあとで困るんではなく、「今困る」んですね。

「ええと、塩酸 Cは12%で、塩酸C50gと水酸化ナトリウム水溶液D110gが中和するのか・・・Dのこさは何%か、だって?ええと、待てよ。塩酸Aと水酸化ナトリウム水溶液Bは両方5%だったよね・・・」などと頭の中だけでやっていては、とてもではないですが正答率は上がりませんし、だいいち厭になると思います。

「ああ!もういいや!10%って書いとこう。」
みたいなところに落ち着いたり。
「もう考えるの厭!」と、私でもなります。


塩酸         +    水ナ水        ⇒  中和(食塩)
A(5%)100g        B(5%)110g    ⇒  □g
5×100 = (500)    5×110=<550>

これで、塩酸(500)と水酸化ナトリウム水溶液<550>で中和することが一目でわかります。

塩酸         +    水ナ水       ⇒  中和(食塩)
C(12%)50g        D(□%)110g   ⇒  □g
12×50=(600)       <660>のはず

□ = 660÷110=6(%)

と、たった数行の「ことばの式」を書くか書かないか、どのように書くか、ということだけで、正解への可能性は飛躍的に違ってきます。

書かずに頭の中だけでやっていると、しんどくて、頭の中がごちゃごちゃして、時間もかかって、おまけに不正解・・・ということがわかれば、多くのお子さんは書くようになります。

でもお子さんの中には、「ああ、こさと重さをかけ算して、比の考え方を使うことがポイントなんだね。それさえわかれば、式だけで十分。僕は書かなくても大丈夫。」というつわもの(?)もいます。
こういうお子さんは見所があります。こういう反応を見せるお子さんは、利発な子が多いですね。
この場合、もう一段階上のレベルで実感してもらうとよいのです。

「さすがの僕でも、これくらいのレベルになると書かなくちゃ無理かな」と。
そうなると教える側の技術もそれなりに必要ですが、真剣にお子さんと「勝負」も楽しいかもしれませんよ。
家庭学習2011年06月11日10時57分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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